こんにちは!注文住宅業界歴6年、きのぴーです。
「RC造」という工法を聞きなれない方も多いかと思いますが、実は注文住宅の中で根強い人気がある工法です。
RC造とは
RC造のRCとは「Reinforced Concrete」の略で、直訳すると「強化されたコンクリート」です。日本では鉄筋コンクリート造のことをRC造と呼んでいます。直訳の通りRC造住宅は、柱や梁などの主要構造部に鉄筋を入れた「強化されたコンクリート」の建物のことです。
総合展示場では、RC造のハウスメーカーを見る機会は少ないのではないでしょうか。
一般的に、RC造はマンションやアパートなどの一般住宅よりも大型な建物で使われています。
RCが人気の理由は、デザイン性の高さです。
ボックス型や幾何学的なデザインはもちろん、曲線の壁を組み合わせた特徴的な外観を作り出すことができます。
有名建築家の作品にもRC造が多く使われているのは、このような理由からです。
また、コンクリート打ちっぱなしの内装やモダンなデザインも人気です。
今回は、RC造を扱っているハウスメーカーをおすすめしていきます。
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大手RCハウスメーカーおすすめ4選
RC造で一般住宅を取り扱うハウスメーカーは限られている為、全国展開していない会社も紹介しています。
ご了承ください。
RCハウスメーカー① 大成建設ハウジング
(画像引用:大成建設ハウジングHP)
大成建設ハウジングは、大手ゼネコンメーカーの大成建設のグループ企業で、主にRC造住宅を扱っています。
木質系の商品も扱っていますが、施工実績は圧倒的にRC造が多いです。
展示場は関東エリアと西日本に出店しており、RC造を扱うハウスメーカーの中では、対応エリアが広いハウスメーカーです。
商品名は「パルコン」です。
大手ならではの、工場生産で高い品質を保っています。
工場施工のため、コンクリートパネルは壁面部のパネルでも配筋、打設など全ての工程において床に置いて施工することができます。
さらに、パネル1枚1枚の脱型前の養生も温度と湿度を徹底管理された工場内にて行いますので、現場環境に左右されることがありません。
施工の特徴は各箇所の接合部の接合方法です。
「一体化スリーブ工法」と呼ばれる工法で、基礎と床と壁と屋根の鉄筋を別々でつなぐのではなく、間に「FDグリップ」を挟み、鉄筋を一体化させて接合セメントしています。
この「FDグリップ」は横浜ベイブリッジや瀬戸大橋などでも採用されており、非常に信頼性の高い工法です。
また床同士は「床一体化コッター接合」を採用いています。
その他の接合部にはセメントを主成分とする無収縮モルタル(グラウト)を充填し、強固に一体化した建物を作り上げています。
RCハウスメーカー② レスコハウス
(画像引用:レスコハウスHP)
レスコハウスは「ヒノキヤグループ」の会社で、南関東に6展示場を出店しています。
ヒノキヤと聞くと木造住宅をイメージされる方が多いと思いますが、レスコハウスはRC造住宅のパイオニアです。
RC造に取り組み始めて約半世紀にもなり、「自然災害の多い日本で心から安心して暮らせる住まいを」という思いを持ち、官民一体となって開発されたのがレスコハウスのRC造住宅です。
特徴は、工場内生産での機械管理の徹底です。
コンクリート内の水分量や蒸気養生時の湿度温度管理、コンクリート養生後の強度検査など、全て長い経験の中で培われたデータを元に徹底管理しています。
また、打設も工場内で行いコンクリートパネルを作り上げますが、そのときに使われているのが高周波バイブレーター振動台です。
打設したコンクリートを型枠内に隙間なく充填させる為、1分間に6,000回も振動する台を型枠の下に置いています。
この工場ならではの技術で壁面床面関係なく、水分量の低いコンクリートを密に充填することができています。
WPC工法という、主要構造体は工場で生産し現場の施工を簡素化している工法の為、短工期で高品質な建物を作り上げることができます。
RCハウスメーカー③ 百年住宅
(画像引用:百年住宅HP)
百年住宅は7年連続でRC造住宅の着工棟数が日本一という実績のあるハウスメーカーです。
静岡と愛知と宮城の各エリアに全22店の展示場と、西日本(山口、広島、岡山、福岡など)に営業所があります。
百年住宅の特徴は「保証の手厚さ」
まず、主要構造体ですが35年無償保証が付いています。一般的には有償メンテナンスをすると保証を延長するハウスメーカーが多いですが、無償で35年保証は業界トップレベルです。
その他にも、台風保障や地震保障も最長で35年という手厚さです。
台風保証は条件を満たした上で全壊した建物は建て替え、半壊で補修費用という充実な補償内容です。
通常天災は火災保険で対応しますが、ハウスメーカーでこのような保証があるというのは大きな安心です。
その強気な保証を打ち出せる理由は、強固な構造体で建物を建てているからです。
耐震に関しては、百年住宅もPCパネルを工場にて生産していますので、非常に強度が高いです。
低い水分量の質の高いコンクリートを打設し、徹底した温度管理の蒸気養生がされています。
また耐風に関しては、現場での施工でパネル同士を強固に結び付けているため、超大型の台風がきても建物の揺れはわずか0.2cmしか揺れない建物が実現できています。
0.2cmの揺れというと、建物内部にいて揺れも音もほぼ感じませんので、天災から守るだけではなく住んでいる人も安心させてくれる建物です。
RCハウスメーカー④ 三菱地所ホーム
(画像引用:三菱地所ホームHP)
三菱地所ホームは大手ゼネコン三菱地所のグループ会社です。
展示場は東京、神奈川、千葉、埼玉、大阪、兵庫に計18店出店しています。
木質2×4工法をメインで取り扱っているハウスメーカーですが、「Extra」という特別注文住宅の商品では、鉄骨造、RC造、木造にこだわらずお客様のニーズに応えて工法を提案しています。
その為、上記のハウスメーカーのような工場でのPCパネルの大量生産はしていませんが、1邸ごとに綿密な打ち合わせの上で建物を作り上げていく設計度の高さがおすすめです。
RC造の一部に木造を取り入れ、建物の温かみを表現するなどの、非常にデザイン性の高い建物を作り上げることができます。
基本的な打ち合わせから細かい設計段階の打ち合わせまで約9か月かけて着工へ向けて準備をしますので、フルオーダーの家をこだわり抜いて建てたいという方には非常に満足度が高いでしょう。
またデザイン面だけでなく、三菱地所ホームは非常に高断熱高気密な建物を作っています。
この高断熱高気密な特徴を生かした、「エアロテック」という全館空調システムも非常に人気が高いです。
通常の全館空調とは違い、各部屋に吹出口とリモコンが付いており、部屋ごとで温度管理やタイマー設定、空調そのもののON/OFF機能が付いています。
▼全館空調が得意なハウスメーカーまとめ記事はこちら
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RC住宅のメリット・デメリット
RC造のメリットとデメリットをお伝えします。
RC住宅のメリット
RCのメリット① 圧倒的なデザイン力
RC造は鉄筋を組み、そこにコンクリートを打設する工法なので、様々な外観を実現することができます。
また、鉄筋コンクリートは木造住宅の筋交いとは比べ物にならない強度を持っている為、建物内部の大空間や、2階部分を飛び出させるオーバーハングも思いのままです。
デザインをこだわりたい方は、工場でPCパネルを生産するハウスメーカーですとパネルサイズが限られてしまいデザインの自由度が減ってしまうので、強度は少し落ちますが現場打設の会社を選びましょう。
RCのメリット② 耐久性、耐震性が高い
建物自体の自重が他の工法に比べ重く、建物が一体化されている工法の為、耐久性と耐震性どちらも高いです。
台風や地震により、強い揺れが起こってもどっしりとした建物が全体で力を受け止め分散させる為、1箇所に負荷がかかることがありません。
住宅を建てた際にどのくらい持つかという指標を示す、減価償却資産の耐用年数でRC造と木造の耐用年数を比べてみます。
RC造の耐久性は47年に対して、木造では22年と圧倒的です。
一般的にはこの耐用年数以上に住み続けることができますので、RC造では2世代3世代と住み継がれる家を建てることもできます。
RCのメリット③ 耐火性が高い
コンクリートは非常に熱に強い素材です。
通常鉄骨だと540度を超える熱にあたると一気に溶けてしまうといわれていますが、鉄筋コンクリートですと1,000度の火にも耐えられることを各RC造のハウスメーカーが証明しています。
RC造であれば、住宅が密集する地域でもらい火をしない、自分の家で火災が起きても燃え広げないし逃げる時間も確保できるという、多くのメリットがあります。
RCのメリット④ 断熱性、気密性が高い
基本的に型枠を作りこみ、そこにコンクリートを流し込んでいく工法ですので気密性は非常に高いです。
そしてコンクリートの平面にはパネルの断熱性が非常に施工しやすい特徴があります。
内断熱工法でも、柱がないので構造体に邪魔されることなく隙間なく施工することができます。
この気密性と断熱性の高さのお陰で家の中が快適に保たれますし、全館空調との相性も非常にいい工法と言えます。
ここまで聞くといい事ばかりなので、みんなRC造を建ててしまいそうですが、やはりデメリットもあります。
RC住宅のデメリット
RCのデメリット① コストが高い
配筋を組んでからコンクリートを流し込むという2段階での工法の為、他の工法と比べると価格はかなり高くなってきます。
大部分を工業化されているをハウスメーカーですと坪単価70万円~、デザインを優先させて作るとなると坪単価90万円~を覚悟してください。
RCのデメリット② 結露に弱い
コンクリートは水分を含んで固められているので、家が完成後も数年間は乾ききらずにコンクリート内に水分が残っています。
その残った水分が表に出てきて、結露したりカビが発生する可能性があります。
その為、RC造に住んだら5年間ほどは、こまめに換気をしたり、除湿器を利用したりという対策が必要です。
RCのデメリット③ 建物に重さがある
RC造は、重さがあるといわれている軽量鉄骨造と比べても2倍以上の自重があります。
その為、地盤が弱い土地だと地盤改良に多額な費用が掛かる可能性があります。
改良をしっかり行わないと、地震のときに家が倒れなくても地盤が沈下して建物が傾くなんてことになりかねません。
建物の耐震性だけに意識を向けず、しっかりと地盤を調査し対策する必要があります。
▼地盤調査の費用を分かりやすく詳細にまとめた記事がこちら
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地盤調査&地盤改良工事の費用についてサルでも分かるようにまとめた
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RCのデメリット④ 増減築、解体に不向き
RC造は強固な鉄筋コンクリートを一体化して強度を保っていますので、新たに開口を設けて増築したり、逆に減築することが非常に難しいです。
内部のリフォームは設計段階で詳細に検討しておけば、柱や壁が少ない工法ですので柔軟に対応することができます。
また、解体の費用も他の工法と比べると大きな金額がかかります。
一般的に、RC造を解体すると1坪当たり6万円前後かかるといわれています。
木造住宅ですと1坪当たり約3万円ですので、木造の約2倍の解体費用が掛かってしまうことも頭に入れて計画してください。
大手RC造ハウスメーカーおすすめ4選まとめ
高いデザイン性や、様々な分野で高性能を誇るRC造住宅を紹介しました。
RC造でも大手は工業化が進んでおり、品質は高いが自由度は下がります。
一方、設計事務所では性能は下がるが、デザイン性は高いという評価です。
木造住宅と建物は全く違いますがそのような評価は似ている気がします。
今回は大手のRC造ハウスメーカーをご紹介しましたが、デザイン性を高めたければ各エリアの設計事務所を探しみてください。
デザイン性に特化したお気に入りの会社に出会えると思います。
- 自分達だけのお気に入りの住宅を建てたい
- 天災から守ってくれる安全な家に住みたい
- 世代を超えて受け継がれていく住まいを建てたい
こんな風にお考えの方は、ぜひRC造住宅も検討してみてください。
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