こんにちは!注文住宅業界歴6年、きのぴーです。
建築基準法で「地下室」とは、部屋の高さの1/3以上が地中に埋まっている部屋のことです。
地下室は夢がいっぱい
- 狭小地にできるだけ多くの空間を作りたい
- 地下に自分だけの秘密基地のような空間を作りたい
- 防音性の高いシアタールームや楽器の演奏部屋を作りたい
しかし、地下室を作るためには通常の建築に加え、様々な調査や設計、そして工事が必要です。
その分、かなりの費用がかかってきますよ。解説します。
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地下室を作るといくらかかるの?
例えば10坪の地下室を作るとすると、作らない時と比べて、ズバリ800万円以上はかかります。
地下室の建築には通常の建築工程にはない工事がありますので、建築価格が跳ね上がります。
では項目ごとに費用の説明をしていきます。
今回は地下をRC造+地上階を木造2階建てにした場合です。
地下室は10坪程を想定しています。
①地盤・地質調査費用
費用 30万円前後
穴を掘って地盤の状況や強度、地層の境界の深さを調べる為のボーリング調査という方法で地盤と地質を調べます。
一般的にはマンション建築などの大きい建築物のときにボーリング調査が採用されます。
しかし、ボーリング調査では地盤の強さだけでなく、地下水位の測定や液状化のリスクなども調べることができる為、一般住宅でも地下室がある場合はボーリング調査を行うことが多いです。
▼地盤調査の費用について、より深くサッパリ解説した記事。
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地盤調査&地盤改良工事の費用についてサルでも分かるようにまとめた
続きを見る
②構造計算
費用 50万~70万円
構造計算とは、木造三階建てや軒が長い家などの構造的に詳細な検討が必要となるときに必要となる計算です。
一般的な木造2階建てでは構造計算は必要ありません。
構造計算を行うと100ページを超える枚数の計算書が作られます。
かなり難しく情報量も多い為、専門家でないと内容を理解できないような計算書です。
地下室の場合、地下の土圧や水圧に対しての検討が必要になりますので、構造計算が必要です。
建築基準法では、部屋の高さの1/3が地下に埋まっていれば地下室と冒頭でお伝えしましたが、構造計算の場合は部屋の高さの2/3が地下に埋まっている場合でないと地下室と判断されません。
地下に埋まっている高さが2/3より低い場合は3階建ての基準で構造計算をしなければなりませんので、より耐力が求められてきます。
構造計算の費用も少しですが変わってきますので、ハウスメーカーにしっかりと確認しましょう。
③RC造部分の実施図面と施工図作成
費用 40万~80万円
木造では建物の本体代金に設計料が含まれていることが多いですが、地下部分は土圧や水圧に耐えられる特殊な設計が必要です。
またRC造では施工中に少しの変更も許されなかったり、木造との接合が非常に複雑ですので、図面を作成するための設計料が多くかかります。
社内で設計せず、構造計算と合わせて外注で設計するハウスメーカーもあります。
④山留工事費用
費用 150万~250万円
構造検討と図面作成が終わったらいよいよ着工です。
まず初めに、地下室分の土を掘ったときに周りの地盤が崩れないようにするために、6m程の高さのH型をした太い鋼を等間隔に打ち込んで支えます。
費用は、典型的な関東ローム層の場合ですので、地質によってはこれ以上の費用がかかる場合があります。
⑤残土処分費
費用 180万~230万円
地下室の空間を作り出す為に多くの土を掘りだし、掘り出した残土を処分できる場所まで運搬し、処分します。
処分費はどこのエリアでもあまり差はありませんが、残土処分する場が少ない都心部では、残土を遠方まで運搬してから処分しなければなりませんので、費用が割高になります。
⑥防水工事費用
費用 70万~90万円
水分が染み込みやすいコンクリートを地下の水分から守るために、綿密な防水工事を行います。
この工事の質によって、住んでから室内に結露が発生してカビが発生したり、最悪の場合コンクリートから水が浸入して建物の倒壊につながることも考えられますのでしっかりと対策する必要があります。
防水には後やり工法や先やり工法などの順序があり、また種類も塗膜防水や吹付防水など様々です。
それぞれ費用は違いますが、防水工事はハウスメーカー推奨のタイプでお願いするのが良いでしょう。
⑦配筋・打設工事等
費用 200万~500万円
一般的なRC造を作るための工事です。
簡単な流れは鉄筋を配筋して、型枠を組み、コンクリートを打設していく工事です。
こちらの費用はハウスメーカーによってかなり差がありますのであまり参考にならないかもしれませんが、木造住宅を建てるときの坪単価+坪20~50万円くらいだと思います。
坪単価の追加分だけ費用としてみますので、10坪の地下室だと200万~500万円くらいかかります。
⑧室内環境対策工事
費用 120万~160万円
地下室内の空気環境をよくするために、断熱工事と除湿工事が必要です。
除湿工事とは除湿器の設置と、除湿した水分を自動で排出するためのシステム、更に除湿型の全熱交換器を取り付ける工事です。
断熱工事で30~40万円、除湿工事で90万~120万円程の費用がかかります。
⑨ドライエリア用工事
費用 150万円前後
ドライエリアとは地下室に光や風を取り込むために、建物の周囲の地面を掘って周りを固める工事です。
必ず必要な工事ではありませんがドライエリアがあると、地下室がより快適な空間になります。
しかし、サッシはもちろん、雨水の対策用の設備も必要なため、かなりの費用が掛かります。
地下室の用途によって検討しましょう。
このように地下室を作るためにはたくさんの工事費用が掛かってきます。
さらにここから、地下室内の内装費もかかりますので、10坪の地下室を作るときは1,000万円は超えてくると考えた方がよいでしょう。
そもそも地下室が作れないケースはあるの?
結論からお伝えすると、地下室が作れないケースはあります。
それは、次の3つのようなケースです。
①地下にトンネルや地下鉄などの障害物が通っている
地下室を作ることで、地下の建造物等に影響を与えてしまう可能性が高いので、建築することは難しいです。
②土地のすぐ下に水脈がある
水脈とは地中の中を通る水の道のようなものです。
どんな土地でも地中には水分を含んでいますので、地下室を作るときには万全の防水対策をしています。
しかし、水脈が流れているとなると掘り起こしただけでも浸水してしまう可能性もあります。
建築するハウスメーカーの判断にはなりますが、このような場合には建築できないケースが多いでしょう。
③土地に道路の制限がかかっている
具体的には、道路の拡張の計画のある土地や計画道路といって、将来的に土地の一部が道路になる可能性がある土地です。
このような土地は、地下室の建設が行政から認められていない場合がほとんどです。
その他にも、ハウスメーカーの判断で建築をおすすめられないケースもあると思います。
土地探しの段階から、地下室を作りたいことを営業マンに伝えておくとよいでしょう。
地下室が得意なハウスメーカー3選
住宅会社によって地下室を作れない場合もあります。
「作れない」というよりも「作らない」という言い方の方が正しいかもしれません。
地下室は通常、RC造(鉄筋コンクリート造)で建築しますが、地上の建築は木造でも構いません。
その為、1階はRC造+2階3階は木造という建物も多く存在します。
これを聞くとほとんどの住宅会社で地下室が作れるのではないかと思いますが、多くの住宅会社は地下室を作った実績がありません。
その為、地下室を作ることで正当な利益を上げられるかどうかわからず、また施工中に予期せぬトラブルに直面する可能性もあります。
建築会社にリスクがありますので、実績がない場合は建築を拒否する会社も多いと思います。
そこで、地下室の建築実績があり、地下室の建築を得意とするハウスメーカーを3社紹介します。
①三菱地所ホーム
三菱地所ホームは2×4工法のハウスメーカーですので、地下はRC造+2階3階は2×4工法となります。
東京や大阪などの都心部が活動エリアの為、地下室やロフトなどの空間活用を推奨しており、実績もあります。
さらに、三菱地所ホームの特徴が全館空調システム「エアロテック」ですが、この空調システムが地下室まで機能します。
その為、湿度が高くなりやすい地下室との相性がとてもよく、地下でも快適に過ごすことができます。
▼全館空調をウリにしているハウスメーカーまとめ記事がこちら
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全館空調をウリにしているハウスメーカー厳選おすすめ5選!
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②セキスイハイム
セキスイハイムの地下室はRC造ではありません。
透水性のあるコンクリートでは、どうしても湿気によるデメリットが出てきてしまいます。
しかしセキスイハイムでは、ラーメンボックス工法のユニット住宅ですので、土圧や水圧に強く、さらに潜水艦のような防水性能を備えています。
繊細な機械などを地下室で扱う場合や、地下水位の問題で中々地下室の建築が難しい場合はセキスイハイムに相談してみてもいいでしょう。
▼セキスイハイムで注文住宅を建てた人へのインタビュー記事がこちら
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③クレバリーホーム(東京エリア)
クレバリーホームは大手ハウスメーカーと比べて価格帯の低いハウスメーカーです。
クレバリーホームはフランチャイズ制の会社ですので、各エリアで特徴がさまざまですが、東京エリアではホームページ上でも地下室を推奨しています。
地下室の特集ページでは、様々な地下室の施工例が載っています。
都内で地下室を検討している方は候補に入れてみてください。
▼クレバリーホームで注文住宅を建てた人へのインタビュー記事がこちら
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クレバリーホームの評判・坪単価|3年住んだ私が全て話します
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地下室は実績のある会社にお願いしよう
意外と費用の掛かる地下室ですが、メリットもたくさんあります。
長い目で見て活用する機会が多い場合や、地下室が自分にとって最高の癒しの場となる場合などは、ぜひ検討してほしい空間です。
地下室を作る上で非常に大切なことは、実績のあるハウスメーカーにお願いすることです。
施工の技術によっては、建てた後の快適さが全然違いますし、建物の躯体に悪影響を及ぼす可能性すらあります。
また、実績の多い会社ほど明確な金額を提示してくれますので安心です。
ぜひ、空間を有効活用できる地下室を作って、素敵マイホームライフを送ってください。