こんにちは!きのぴーです。
快適なマイホームを建てたいなら、断熱性の高い家づくりが重要!
どんな断熱方法がベストなのか知りたいですよね。
日本の木造住宅で最も一般的な断熱方法は「充填断熱(内断熱)」。
この記事では充填断熱のメリット・デメリットを詳しく解説します。
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充填断熱とは?
まず、充填断熱とはどんな断熱方法なのでしょう。
木造住宅の断熱方法は、大きく「充填断熱」と「外張り断熱」の2つに分かれます。
「内断熱」と「外断熱」といわれることもあります。
【充填断熱(内断熱)】
柱や梁など家の構造体の間に断熱材を入れる断熱方法。
木造住宅では最も一般的におこなわれています。
グラスウールなどの繊維状の断熱材や、発泡プラスチック系の断熱材を柱などの間にはめ込む場合と、粒状の断熱材を機械で吹き込む場合があります。
屋根部分の充填断熱は、屋根の勾配なりに垂木などの間に断熱材を入れる「屋根断熱」、天井の上に断熱材を入れる「天井断熱」、桁(*)上に合板を張って断熱材を入れる「桁上断熱」があります。
*桁:柱の上に水平に渡して垂木を受ける材。
【外張り断熱(外断熱)】
断熱材を構造体の外に張り付け、家全体を断熱材で覆う断熱方法。
一般的には発泡プラスチック系のボード状の断熱材が使われます。
床部分の外断熱は、基礎の外周部分で断熱をおこなうので「基礎断熱」といわれます。
壁は充填断熱、屋根は外断熱など、ひとつの家でも部位により断熱方法を変える場合もあります。
フラット35の住宅実態調査によると、壁の断熱方法では約9割が充填断熱、外張り断熱は5%以下です。
充填断熱が9割
充填断熱のメリット
それでは充填断熱にはどんなメリットがあるかみてみましょう。
断熱材の選択肢の幅が広く、自然素材断熱材も使いやすい
外張り断熱では、主に発泡プラスチック系のボード状断熱材が使用されます。
一方、充填断熱ではほとんどの種類の断熱材を使用することができるので、多くの選択肢の中から地域や優先したい性能、予算に合わせて選ぶことができます。
【無機質繊維系断熱材】
*主に充填断熱に使用される
グラスウール、ロックウールなど
【自然素材繊維系断熱材】
*主に充填断熱に使用される
セルロースファイバー、ウッドファイバー、ウールなど
【発泡プラスチック系断熱材】
*外張り断熱、充填断熱に使用される
ビーズ法ポリスチレンフォーム、押出法ポリスチレンフォーム、硬質ウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム、フェノールフォームなど
充填断熱ではセルロースファイバーやウッドファイバー、ウール系などの自然素材断熱材も使用できます。
自然素材の断熱材は、生産や廃棄の時に環境への負荷が少ないばかりではなく、湿気を吸ったり吐いたりする吸放湿性能(調湿性)が高いのが特徴です。
充填断熱では壁内結露を防ぐために、室内側に防湿気密シートを施工する必要がありますが、自然素材断熱材は吸放湿性能により結露がおきにくいため、気候が温暖な地域であれば防湿気密シートを省略できる場合があります。
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コストが安い
充填断熱で多く使用されるグラスウールやロックウールは、とても価格が安い断熱材です。
また最も普及している断熱方法であるため、資材や施工のコストも下げられます。
同じ断熱性能で比較した場合、充填断熱は外張り断熱のおよそ1/2~1/3程度のコストといわれています。
スペースをとらない
壁であれば柱と柱の間、屋根であれば垂木の間、床であれば根太の間というように、充填断熱では空いているスペースに断熱材を入れるので、断熱材用のスペースを新たに設ける必要がありません。
例えば在来工法の壁の場合、柱は105mm角か120mm角。
この厚みの断熱材なら無理なく入れることができます。
また天井断熱や桁上断熱では小屋裏のスペースを利用して、200mm以上などの厚い断熱材を入れることも可能です。
外張り断熱の場合、柱の外側に断熱材を張り、通気層を設けて外装材を取り付けます。
50~60mmの厚さの断熱材が使われることが多く、この断熱材の厚み分外壁が厚くなります。
敷地にゆとりがなく建物から敷地の境界線までの距離が近い場合は、50mmでも影響があります。
防火性能が高い断熱材を使える
充填断熱でよく使用されるグラスウールやロックウールは法定不燃材として認められています。
一方、外張り断熱で主に使われる発泡プラスチック系の断熱材は、熱に弱いものが多く、燃えた時に有害ガスを出すものもあります。
発泡プラスチック系でも防火性能に優れ、有害ガスを発生しないフェノールフォームという断熱材もありますが、かなり価格が高いのがネックです。
外装材が自由に選べる
外張り断熱では、外装材と構造体の間に断熱材を張ります。
断熱材には外装材を支える力はないので、外装材は長い専用ビスなどを断熱材に貫通させて、構造体に取り付けます。
断熱材の厚みの分、外装材から構造体までの距離があるため、タイル張りなどの重い外装材は垂れ下がってしまう可能性があります。
充填断熱では外装材を構造体にしっかり固定できるので、自由に外装材を選ぶことができ、地震がおきたときも変形や脱落の可能性が低く安心です。
窓やドアの納まりがシンプル
充填断熱では窓やドアなどは構造体に直接取り付けるため、特別な補強などは必要ありません。
外張り断熱の場合、柱などに「ふかし材」を取り付けて、窓やドアを断熱材の厚み分外側にずらして取り付ける必要があり、納まりや施工が複雑になります。
断熱材が劣化しにくい
充填断熱では、壁の中や小屋裏など、外部の影響を受けにくい場所に断熱材を設置します。
外張り断熱では、外装材や屋根材の内側とはいえ家の外部なので、断熱材が劣化しやすいといわれています。
床断熱はシロアリの被害が少ない
プラスチックというイメージからは意外ですが、発泡プラスチック系断熱材はシロアリが好む材料です。
この発泡プラスチック系断熱材を基礎の周りに使用すれば、シロアリの被害を受ける可能性が高くなります。
床の充填断熱であれば、基礎の周りに断熱材を使用する必要はなく、シロアリの好む断熱材を避けることもできます。
冷暖房の負荷が減る
床や天井、桁上で断熱した場合、気密層を設けて断熱材を入れたところより外側の空間(天井であれば小屋裏部分、床であれば基礎の中の部分)は冷暖房がいらなくなり、省エネルギーです。
外張り断熱では、基礎の中から小屋裏まで、家全体の容積を冷暖房することになります。
天井断熱・桁上断熱の場合、屋根の形の自由度が高い
天井や桁上で断熱をおこなう場合、屋根部分では断熱や気密工事が必要なくなり、複雑な形の屋根が造りやすくなります。
充填断熱のデメリット
続いて、充填断熱のデメリットをみてみましょう。
熱橋(ヒートブリッジ)ができる
充填断熱の最大の弱点は「熱橋(ヒートブリッジ)」ができることです。
熱橋とは、周囲に比べて断熱性が低い部分のことをいいます。
充填断熱では、柱などの家の骨組みがある部分には断熱材が入れられないので、その部分が熱橋になります。
熱橋があると、冬は熱橋から室内の熱が逃げ、夏は熱橋から外気の熱が室内に入り込みやすくなるため、家全体の断熱性能が低下します。
例えば壁の場合、105mm角の木の柱は、充填断熱で一般的に使用されている厚さ100mmのグラスウール16Kと比較すると1/3程度の断熱性能しかありません。
一般的な在来工法の家では熱橋部分の面積は全体の約20%に相当します。
同じ性能の断熱材を使っても、熱橋の少ない外張り断熱と比べると、充填断熱は熱橋の分、断熱性能が下がってしまいます。
また場所によって温度ムラがある状態は、快適性を損ない、結露が発生する可能性も高くなります。
この熱橋のデメリットを抑えるには、充填断熱にさらに外張り断熱、もしくは室内側に内張り断熱をプラスする「付加断熱」といわれる断熱方法があります。
また屋根部分の充填断熱の中では、屋根断熱より、天井断熱や桁上断熱の方が大きなサイズの構造材が断熱材を貫通しないので、熱橋は少なくなります。
防湿・気密工事に手間がかかる
充填断熱では、室内の湿度の高い空気が壁など中に入り込み、構造体の中で冷やされておきる内部結露を防ぐために、壁などの室内側に防湿・気密層を設ける必要があります。
充填断熱は柱、梁などの構造体と断熱材の取り合い部分が多く、この気密・防湿工事に手間がかかります。
施工技術の差が出やすく、きちんと気密・防湿層が施工されていない場合は内部結露がおきる可能性が大きくなります。
配線や配管がある部分は気密性や断熱性に影響が出やすい
断熱材を充填する壁などの内側には、電気や水道の配線や配管も入ります。
配線や配管と断熱材の取り合い部分は、断熱材の厚みが損なわれたり隙間ができやすくなったりするので、熱橋になる可能性があります。
またスイッチプレートや換気扇のダクトは気密防湿層を貫通します。内部結露を防ぐためには貫通部分の徹底した気密処理が必要です。
まとめ
充填断熱のメリット・デメリットをご紹介しました。
最も普及している断熱方法なので安心感はありますが、使用する断熱材や細かい仕様、施工技術は工務店やハウスメーカーによってさまざまです。
断熱性能やデメリットに対する対策をしっかり確認して選びましょう。