上空からの明るい日差しを取り込める天窓。
壁付けの窓と比べてさまざまな魅力があります。
しかし、天窓に対して否定的な意見を持っているハウスメーカーの営業や設計士も少なくありません。
天窓を付けたいと言ったら高窓(壁の高い位置に付ける窓)を提案されたという方もいます。
今回は「天窓はやめとけ」と言われる理由を解説し、採用するときに考えるべきことをお伝えします。
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「天窓はやめとけ」と言われてしまうのはなぜ?13の具体的理由
「天窓はやめとけ」と言われてしまう理由を紹介します。
「天窓はやめとけ」と言われる13の理由
- 雨漏りする可能性が高まる
- 壁に付ける窓よりも費用がかかる
- 窓の掃除が大変
- メンテナンスの頻度が多い
- 夏場の日差しで部屋が暑くなる
- 冬場は冷気が入ってきて寒い
- 雨の音が気になる
- 日焼けする
- 位置によっては眩しい
- 朝日が差し込んで目が覚める
- 太陽光パネルの搭載量が減る
- 結露しても簡単に拭けない
- 雹などの飛来物によってキズが付きやすい
やめとけ理由① 雨漏りする可能性が高まる
天窓は雨漏りのリスクが高いと言われています。
なぜなら、屋根に施工する天窓は直射日光が当たる時間が長く、窓と屋根の隙間を埋めるシーリングが劣化しやすいからです。
シーリングが劣化すると亀裂が入り、そこから雨水が入り込んでしまいます。
とは言え、最近の天窓は防水シート・テープ・水切りなどの性能も向上しており、気密性能や耐候性能が高くなっています。
天窓の雨漏りの原因は次の2つのケースがほとんどです。
- 適切な施工を行っていない
- メンテナンスを怠っている
しっかりと施工してくれる業者を選んで定期的なメンテンナンスを行えば、雨漏りを防げる確率は高まるでしょう。
やめとけ理由② 壁に付ける窓よりも費用がかかる
天窓は壁に付ける一般的な窓よりも費用がかかります。
幅50×高さ60cm程度のFIX窓の価格
- 壁に付ける窓:約2.1~3.9万円
- 天窓:約12.4~13.4万円(ブラインド無し)
※参照元:APW330 業務用カタログ|WEBカタログ|YKK AP株式会社
※参照元:天窓シリーズ 価格改定版|WEBカタログ|YKK AP株式会社
※メーカーの定価のため、実際の価格とは異なります。
- なるべく金額を抑えたい
- 必ずしも天窓である必要はない
- 壁の窓を多くor大きくしたい
このような方は、天窓という選択肢を選ばなくても良いかもしれません。
やめとけ理由③ 窓の掃除が大変
高い位置にある天窓は掃除が大変です。
天窓は上空に面しているため雨水が残りやすく、鳥のフンなどを落とされることもあります。
室内側は脚立などを使って掃除できても、屋外側は業者を依頼する方も少なくありません。
業者を依頼する手間や費用がかかってしまうデメリットを事前に理解しておきましょう。
やめとけ理由④ メンテナンスの頻度が多い
天窓は壁に付ける窓と比べて、メンテナンスの頻度が多いというデメリットがあります。
なぜなら、直射日光が当たりやすいため窓回りのシーリングなどの劣化が早くなるからです。
一般的な窓のシーリングの打ち替えは10年に1度程度ですが、実際にはもっと長いスパンでメンテナンスを検討するケースも少なくありません。
しかし、天窓の場合はシーリングの劣化を放置すると雨漏りの危険性があるため、推奨されたタイミングでメンテナンスすることをおすすめします。
10年ごとにしっかりと点検を行い、次のような箇所をチェックしてもらうことが大切です。
- シーリングは劣化していないか
- 水切りに落ち葉などが詰まっていないか
- 窓枠などのネジは緩んでいないか
- 周辺の構造体などが腐食していないか
点検やメンテナンスを怠ると、雨漏りや構造体の劣化に大きく影響する可能性があるため注意が必要です。
やめとけ理由⑤ 夏場の日差しで部屋が暑くなる
天窓は直射日光が差し込みやすいため、夏場は部屋が暑くなることがあります。
時間帯や天窓を付ける位置にもよりますが、冷房効率が大幅に落ちてしまう事例も少なくありません。
北側の屋根に施工して直射日光が入ることを防いだり、ロールスクリーン・ブラインドなどを付けたりして対策しましょう。
やめとけ理由⑥ 冬場は冷気が入ってきて寒い
天窓があると、冬場は冷気が入ってきて寒いというデメリットです。
冷気は上から下へ移動するという特徴があるため、天窓があると部屋全体に冷気が広がりやすくなってしまいます。
断熱性能の高いサッシや断熱・遮熱ロールスクリーンを採用し、冷気が入ってくるのを防ぎましょう。
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やめとけ理由⑦ 雨の音が気になる
天窓は屋根面に施工するため、雨の音が気になりやすいです。
普段の雨は気にならなくても、豪雨や台風時の雨は気になるというケースもあります。
施工場所にこだわったり、防音性能の高い窓を採用したりする工夫が必要です。
やめとけ理由⑧ 日焼けする
天窓は日焼けをするというデメリットです。
特に、リビングやダイニングなど長時間いる場所に天窓を付けると、強い日差しが当たっていなくても日焼けをしていることもあります。
床・家具・インテリアなどの、お気に入りのアイテムが日焼けによって日焼けしてしまうことがあります。
特に天然木などの床材や家具は変色しやすいため注意が必要です。
やめとけ理由⑨ 位置によっては眩しい
天窓の施工位置によっては、眩しくて不快に感じるケースもあります。
ダイニングテーブルに付近に天窓を付けたら、座っているときに直射日光が差し込んで眩しいというような事例です。
また、テレビ付近に日差しが入って見にくくなってしまうこともあります。
天窓を付ける際は、時間帯による日差しの向きを意識して位置を決めることが大切です。
やめとけ理由⑩ 朝日が差し込んで目が覚める
寝室に天窓を付けたら、朝日が差し込んで目が起きてしまうというデメリットもあります。
朝日で気持ちよく目覚められる点はメリットですが、日差しが入る時間が早すぎて起きる数時間前に目が覚めてしまうということも。
東京の日の出
- 夏場(6月が最も早い):4時25分
- 冬場(1月が最も遅い):6時51分
夏場の日の出は4時台ですし、日の出が遅い冬場でも7時前には朝日が差し込みます。
やめとけ理由⑪ 太陽光パネルの搭載量が減る
天窓を採用することで、太陽光パネルの搭載量が減る点もデメリットです。
窓回りはメンテナンスのためにある程度のスペースを確保する必要がありますし、パネルとの距離を指定しているメーカーもあります。
ちなみに、Panasonicの太陽光発電システムは、パネルと天窓は300mm空けるように指示されています。
▷参考ページ:【太陽光電池】太陽光パネルの取り付けで、屋根の天窓などの障害物からの離隔距離を、教えてください。|Panasonic
パネルはメーカーごとに大きさが決まっていて、数センチ単位の細かな調整ができないケースがほとんどです。
そのため、屋根面積や天窓の位置によっては大幅にパネルの搭載量が減ってしまうケースも。
大容量の太陽光発電システムを採用したいなら、天窓はパネルを乗せない面に施工するなどの計画を立てましょう。
やめとけ理由⑫ 結露しても簡単に拭けない
天窓は壁に付いている窓と比べて結露しやすい環境にあります。
理由は次の2つです。
- 室内の水分を含んだ空気が上に溜まるから
- 直射日光が当たって室内外の温度差が生まれやすいから
湿気を含んだ暖かい空気は上に溜まる性質があります。
その空気が天窓付近に滞留することで結露を起こすという仕組みです。
また、天窓は直射日光が当たるため熱を持ちやすく、室内との温度差ができたときに結露が起こってしまいます。
天窓は気軽に拭くことができない高さのため、結露を放置してしまうケースも少なくありません。
すると、壁紙のカビ発生や構造体の腐食などのトラブルにつながります。
次のような対策を検討しましょう。
- 断熱性の高いサッシにする
- 天窓周りの換気をできるようする(ファン・開閉式の天窓)
- 室内干しをする空間・キッチン・浴室付近にはつけない
- 室内の湿度を適切に保つ
やめとけ理由⑬ 雹などの飛来物によってキズが付きやすい
天窓は上空に面しているため、飛来物によってキズが付いてしまうことがあります。
メーカーによっては、雹の打ち込み試験を行って安全性を証明しています。
より耐久性を求めるなら、天窓のメーカー選びにもこだわってみてくださいね。
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天窓のメリット一覧
「天窓はやめとけ」と言われがちですが、もちろん多くのメリットがあります。
天窓のメリット
- 日当たりが良くなる
- 開放感のある部屋になる
- 煙突効果で効率的な換気ができる
- 日差しを浴びれるため自律神経が整う
- 周りからの視線が気にならない
- 室内のデザイン性が上がる
- 壁面の窓を減らすことができるケースも
メリット① 日当たりが良くなる
天窓を採用することで、日当たりを確保することができます。
家の周りに高い建物などの日差しを遮るものがある場合、1階・2階の窓からは日差しを取り込めません。
天窓を採用することで、障害物ができる可能性のない上空からの日差しを取り込めるため、日当たりを確保できます。
また、北面の部屋は日差しが入らないため、大きな窓を付けても暗い部屋になるケースも。
天窓をプラスすることで、南面のような明るい部屋にすることができます。
メリット② 開放感のある部屋になる
天窓を付けることで開放感のある部屋にすることができます。
室内から空が見えるため、通常の天井よりも高い印象を与える効果も。
また、天窓を1階に付ける場合は必ず吹き抜けにしなければなりません。
そのため、縦方向の空間が広がって開放感のある部屋に仕上げることができるでしょう。
メリット③ 効率的な換気ができる
天窓を付けることで、室内の換気をより効率的に行うことができます。
壁付けの窓を南北に付けた場合と、南面の壁付けの窓と天窓を付けた場合では、後者の方が約4倍の通風効果があると言われています。
天窓があることで煙突効果によって室内上部に溜まった暖気を、効率的に排出することもできます。
夏場に天井付近に溜まった熱気を天窓によって屋外へ効率よく逃がすことができ、室内の暑さを軽減することが可能です。
メリット④ 日差しを浴びられるため自律神経が整う
天窓がある部屋は明るい日差しを浴びることができますよね。
日差しを浴びると自律神経が整うため、健康面に対して大きなメリットが働きます。
具体的には、日光浴をするとビタミンDが生成され、次のような効果が期待できます。
- 免疫力を高める
- 骨を健康にする
- 筋力を高める
- 糖尿病・ガン予防になる
- 脂肪燃焼する
- うつ病・認知症を予防する
必ず効果があるというわけではありませんが、日光浴をしない人と比べると大きな効果を期待できます。
また、日差しを浴びるとセロトニンも生成され、ストレス軽減・集中力増加・目覚めを良くするなどの効果も。
天窓がある暮らしなら、普段の暮らしの中で日光浴をすることが可能です。
メリット⑤ 周りからの視線が気にならない
日当たりを確保しようと大きな窓を壁に付けると、外からの視線が気になるというデメリットがありますよね。
天窓なら周りの視線が気にならない暮らしを送ることができます。
カーテンやロールスクリーンを付けなくてもプライバシーが保たれるため、より開放的で明るい暮らしが実現します。
住宅密集地などに家を建てる場合、日当たりだけでなく外からの目線を考えて天窓という選択をしても良いでしょう。
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メリット⑥ 室内のデザイン性が上がる
天窓を採用することで、室内のデザイン性が上がります。
シンプルな内装でも、天窓があることで空間のアクセントになっておしゃれです。
また、天窓から差し込む光や影が壁に移り、幻想的に見える時間帯もあります。
天窓を付けるときは、光が差し込む角度も計画しながら配置を考えてみてくださいね。
メリット⑦ 壁面の窓を減らすことができるケースも
天窓を採用することで、壁面の窓の数を減らすことができるケースもあります。
なぜなら、天窓は明るさを求める採光補正係数が3倍になるからです。
採光補正係数は、次の各号に掲げる地域又は区域の区分に応じ、それぞれ当該各号に定めるところにより計算した数値(天窓にあつては当該数値に三・〇を乗じて得た数値、その外側に幅九十センチメートル以上の縁側(ぬれ縁を除く。)その他これに類するものがある開口部にあつては当該数値に〇・七を乗じて得た数値)とする。
天窓がある部屋は、一般的な壁面の窓の部屋と比べて採光補正係数が大きくなります。
そのため、天窓を付けることで壁の窓を小さくしたり数を減らしたりできるケースも。
窓の面積が減ると、建物の断熱性が高まるという効果もありますね。
ただし、さまざまな条件がありますので、詳しくは設計士に相談してみましょう。
天窓を採用するなら注意したい・考えておきたい5つのポイント
天窓を採用するなら注意したいことや、事前に考えるべきポイントを紹介します。
- 高窓と比較して天窓の必要性を考える
- 希望する設置場所や日差しの入り方
- ロールスクリーン・ブラインドを設置するか
- 天窓は開閉できるタイプにするか
- ガラスの仕様を選ぶ
注意ポイント① 高窓と比較して天窓の必要性を考える
まずは本当に天窓が必要なのかを考えましょう。
天窓には多くのメリットがありますが、「やめとけ」と言われる理由も多くあります。
まずは、壁の高い位置に付ける「高窓」では、日当たりやプライバシー面の問題が解決しないのか考えてみましょう。
高窓なら吹き抜けにしなくてもいいため間取りの自由度が高まりますし、費用も抑えられます。
どうしても天窓を採用したい・高窓では解消できないデメリットがある場合に、天窓を検討してくださいね。
注意ポイント② 希望する設置場所や日差しの入り方
天窓を採用すると決まったら、要望や目的を明確にしましょう。
日当たりの確保や効率的な換気、デザイン性の向上など天窓を採用する理由はさまざまです。
要望に合わせて次のような点を考えましょう。
- どこを明るくしたい(換気したい)のか
- 長時間座ったり立ったりする場所に直射日光が当たらないか
- 太陽光発電システムは採用するのか
注意ポイント③ ロールスクリーン・ブラインドを設置するか
天窓の断熱性を高めたり日差しを遮ったりするために、ロールスクリーンやブラインドを設置するケースも多いです。
お住まいに採用する天窓には、これらの設備は必要なのかを事前に考えておきましょう。
ロールスクリーンやブラインドは手動タイプと自動タイプがあります。
手動の方が安価ですが、天井から長いチェーンが垂れ下がるため見栄えは悪いです。
頻繁に開け閉めする場合は、実用性を考えて電動タイプをおすすめします。
注意ポイント④ 天窓は開閉できるタイプにするか
天窓自体を開閉できるタイプにするかも検討してください。
窓が開閉できると換気ができるようになるため、結露を起こしにくくなったり効率的な換気ができたりします。
一方で、開閉できる窓は隙間が生まれやすいため、断熱性・気密性が低くなる傾向があります。
締め忘れによる雨漏りなども心配です。
天窓による換気が必要かどうかを考えて、開閉できるタイプにするか決めてくださいね。
注意ポイント⑤ ガラスの仕様を選ぶ
天窓は他の窓と同じガラスにするのではなく、必要な仕様をしっかりと見極めましょう。
なぜなら、天窓は壁付けの窓と比べて飛来物などによるひび割れが起こる可能性が高く、外気の影響を受けやすいからです。
次のようなガラスの種類があります。
- 強化ガラス:一般的なガラスよりも3倍ほどの強度を持つ
- 網入りガラス:ガラスが割れた際に飛び散りを防ぐ
- 合わせガラス:2枚のガラスを樹脂膜を挟んで合わせたもの、飛び散りを防ぐ
- 複層ガラス:2枚以上のガラスの間にガスや空気を充填、断熱性を高める
必要に応じてガラスの仕様を選んでくださいね。
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まとめ
さまざまなデメリットやリスクによって「天窓はやめとけ」と言われてしまうケースが多いです。
「天窓はやめとけ」と言われる13の理由
- 雨漏りする可能性が高まる
- 壁に付ける窓よりも費用がかかる
- 窓の掃除が大変
- メンテナンスの頻度が多い
- 夏場の日差しで部屋が暑くなる
- 冬場は冷気が入ってきて寒い
- 雨の音が気になる
- 日焼けする
- 位置によっては眩しい
- 朝日が差し込んで目が覚める
- 太陽光パネルの搭載量が減る
- 結露しても簡単に拭けない
- 雹などの飛来物によってキズが付きやすい
しかし、明るさやデザイン性、効率的な換気ができるなど多くのメリットもあります。
採用する場合は次のような点を検討することがポイントです。
- 設置場所や向き
- ロールスクリーン・ブラインドの採用
- 窓が開閉するか
- ガラスの仕様(強化・複層など)
細かな点までこだわって、天窓を採用して良かったと思えるようにしてくださいね。