「夏涼しく、冬暖かい家」
四季がある日本に住むとなると、この言葉がとても魅力的に聞こえます。
断熱性能が高い家を建て、高性能な冷暖房機器を使うことで1年中快適な生活を送ることができます。
最近ハウスメーカーの中で一般的になっている全館空調という高性能な冷暖房機器も、断熱性能が高い家でないと採用しても何の意味もありません。無駄な光熱費がかかるだけです。
では断熱性能が高いハウスメーカーはどこでしょうか?
これは各社が数値化しているデータを見るとわかります。
断熱性能を表す為に、Q値とUA値という数値が使われています。
これらの数値を簡単に説明します。
Q値・UA値とは
Q値とは住宅の「熱損失係数」を表す数値。
UA値とは住宅の「外皮平均熱貫流率」を表す数値。
聞きなれない難しい言葉ですね。
簡単に言うと、どちらの数値も建物の窓や床、外壁、天井、屋根からどれだけの熱が外へ逃げていくかを数値化しています。この数値が低ければ低いほど断熱性能が高いです。
ではこの2つの違いを説明していきます。計算式をみるとわかりやすいです。
Q値=(各部の熱損失量の合計+換気による熱損失量の合計)÷ 延べ床面積
UA値=各部の熱損失量の合計 ÷ 延べ外皮面積
Q値では窓や床などの各部から逃げる熱に加えて、換気によって外へ逃げていく熱量も加味しています。
そしてそれを建物の床面積で割って計算しています。
対してUA値は、換気による熱損失は考慮しておらず、床面積ではなく外皮面積で割っていますのでQ値と比べて計算式が少し簡易的になっています。
現在は省エネルギー基準の改正により、Q値でなくUA値で断熱の基準が判断されています。
しかし、Q値は換気による熱損失までカバーしていますので、実際の冷暖房の光熱費等まで考えた断熱性能を知るためにはQ値も考慮した方がいいと思います。
それでは本編です。
断熱性能が高いハウスメーカーランキングBEST5を公表します。
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断熱性能が高いハウスメーカーランキングBEST5
全国に展開しているハウスメーカーに絞って、Q値やUA値を考慮した上でランキング付けをしました。各社の断熱の特徴も紹介していきます。
第5位 セキスイハイム(グランツーユー)
鉄骨ユニット工法のイメージが強いセキスイハイムですが、実は木質系パネル2×6工法の「グランツーユー」という商品は高い断熱性能を持っています。
UA値のみですが、公表されている数値はUA値0.46W/㎡・Kです。
これを実現できているのはやはり、工場生産ならではの高品質なユニット工法の力は大きいです。
通常木造住宅では、ほとんどの作業が現場で行われます。
しかしセキスイハイムの「グランツーユー」であれば、木造住宅であっても多くが工場内での作業です。
断熱材の施工や、パネルの組み立てはもちろん、壁パネルの釘の打ち込みは機械による自動打ち込みです。また屋根の組み立ても地上で行うことができます。
天候や現場状況に左右されない為、1棟1棟の気密の差はほぼ出ない環境が作り出せています。
使われている断熱材ですが、壁と床は厚さ140mmのグラスウール、天井は200mmのグラスウールを工場にて施工してから現場へ運びます。
ランキング上位のハウスメーカーに比べ、断熱材の性能や断熱性能を上げる工法は劣ると感じたものの、工場生産での品質の高さやバラつきのなさ、またUA値0.46W/㎡・Kという数値の高さから、第5位に選びました。
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セキスイハイムの坪単価・価格帯は?実際の見積もりを見てみよう!
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第4位 三井ホーム
三井ホームは高気密な建物で高い断熱性能を実現し、標準仕様でUA値0.43W/㎡・Kを公表しています。
まず高気密を実現しているのが、木造2×6の「プレミアム・モノコック構法」です。
こちらは2×6で一般的な床・壁・天井の6面体を1単位として空間をつくる「枠組壁工法」に加え、三井ホームならではの様々な技術が採用されています。
その中でも断熱性に大きくかかわってくるのが「ダブルシールドパネル(DSP)」という屋根断熱の工法です。
一般的な住宅は天井断熱で天井に断熱材を置くことが多いですが、三井ホームの建物は屋根形状に沿ってパネルを施工し屋根断熱にしています。
このパネルはただのパネルでなく、ビーズ法ポリスチレンフォーム(EPS)という断熱材を強固な面材で挟んで作られたオリジナルなパネルです。
屋根面に施工することで、小屋裏に熱が溜まらず、室内は快適な温度を保つことができます。
また、壁面にはロックウールを厚さ140mm施工しています。
ロックウールは一般的なグラスウールに比べて約1.3倍も断熱性が高いです。
700度にも耐えれる耐熱性も持ち合わせているので熱による劣化がほとんどなく、長期にわたって高い断熱性能を保持することができています。
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第3位 アイフルホーム
大手と比べてお手頃なアイフルホームも実は断熱性能にかなり力を入れています。
現在確認できる数値はUA値のみですが、メインの「HQP(クオリティパネル)」という断熱材ではUA値0.44W/㎡・Kを公表しており、さらにグレードアップした商品「HQP-W(ダブル断熱)」ではなんとUA値0.30W/㎡・Kを公表しています。
では「HQP」とはどのようなものでしょうか。
これは構造用面材と高性能断熱材と粘弾性体を一体化した高性能パネルのことです。面材と断熱材を一体化させている為、気密性がぐっと上がります。
さらにただの断熱材ではありません。
最高の断熱性能を持つ断熱材「フェノールフォーム」を使用しています。
アイフルホームが採用している厚さ70mmのフェノールフォームと同じ断熱性能を、高性能グラスウール10Kで出そうとするとなんと151mmもの厚さが必要になってきます。それだけ高性能の断熱材です。
「HQP-W」の場合は、その高性能断熱材を使ったパネルを2枚使って覆っている為、業界トップレベルの断熱性能を実現できています。
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第2位 スウェーデンハウス
北欧の輸入住宅を扱うスウェーデンハウスも高い数値を持っています。
スウェーデンハウスを第2位にあげた理由は、全棟の性能数値をお客様へ対して表示している点です。
本来は表示する義務はない為、ハウスメーカーが高い断熱性能の数値を表していても、実際の自分の家がその高いレベルの数値になっているかはわかりません。
しかし、スウェーデンハウスは全棟Q値とUA値の計算をしており、さらに全棟C値(家全体の隙間面積を表す数値)の測定まで行っているのです。
2016年度の全棟平均値は、Q値1.32W/㎡・K、UA値0.42W/㎡・Kと公表されています。
この数値は他のハウスメーカーと比べても、とても信憑性の高い数値だと思います。現在はさらに数値が下がっている可能性が高いですね!
また、C値に関しても0.62c㎡/mという高いレベルの性能数値を公表しています。
これは家全体の隙間を探しても、たった名刺2枚分しかないということです。
平成11年の省エネルギー基準ではC値5.0c㎡/mを下回ればクリアとされており、これは家全体の隙間がハガキ5枚分以下に相当しますので、気密の差は歴然です。
断熱性能を上げるために採用されているのが「木製サッシ3層ガラス窓」です。寒い海外の国では多く採用されている木製のサッシは、日本でのシェアはわずか0.5%しかありません。
高い性能を海外で評価されていることを知っているスウェーデンハウスならではの商品です。
他にも壁パネルの継ぎ目にの断熱材を挟み込み、継ぎ目の上には防湿気密フィルムで覆うことで隙間を徹底的に減らして、高気密高断熱を実現させています。
第1位 一条工務店
圧倒的な数値を叩き出しているのが一条工務店です。
現在メイン商品として人気のある「i-smart」では全地域でUA値0.25W/㎡・Kという数値が出るというのですから驚きです。
平成25年に定められた省エネルギー基準では1・2地域(北海道や寒冷な一部の東北地域)でも、0.46W/㎡・Kを下回れば基準値を満たしていますので、比較すると一条工務店の圧倒的な断熱性能の高さがわかります。
その高い断熱性能を実現させているのが、高断熱構造「外内ダブル断熱工法」です。
外壁だけでなく、天井や床にも厚みのある高品質ウレタンフォームを敷き詰めています。
外壁面は、内側140㎜、外側50㎜の分厚い高品質ウレタンフォームで構造躯体を挟み込んでいる為、建物全体が魔法瓶で包まれているような断熱性を実現しています。
さらに外気と触れる窓にも計4枚のガラスを使い、クリプトンガスを入れた「防犯ツインLow-Eトリプル樹脂サッシ」を採用しています。
換気面でも、熱交換換気システム「ロスガード90」を採用し、冬場の温度交換効率90%という高い数値を実現している為、Q値0.51W/㎡・Kという数値も他ハウスメーカーに比べ圧倒的な差ができています。
この断熱性能が認められ、「i-シリーズⅡ」という商品が省エネ大賞最高省の経済産業大臣賞をハウスメーカーで初めて受賞しています。
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以上、断熱性能ランキングでした。でもまだまだ大事な内容が続きます。
次の章では、Q値やUA値にひそむ「落とし穴」について解説します。
断熱性能(Q値UA値)にひそむ落とし穴
断熱性能は数値を見れば、そのハウスメーカーの評価がわかりますので非常に検討しやすい項目かと思います。
ただし、断熱性能の数値を見て、ハウスメーカーを判断するときに気を付けてほしいことが2点あります。
- 公表している数値通りの家は建たない
- 公表している数値は、実際の測定値ではなく設計値である
順に解説します。
①公表している数値通りの家は建たない
1点目は、ハウスメーカーの出している数値と自分たちの建てる家の数値は同じにならないという点です。
自分たちが建てる家は、ハウスメーカーが公表している数値よりも確実に下がると思っておいてください。
なぜなら間取りを作る中で、大きな窓をつけたり窓の数を増やすと断熱性能は下がっていきます。
また、同じ大きさの建物でも吹き抜けを付けるだけで、数値には大きな差が出てくるからです。
その為、ハウスメーカーの断熱性能を比較する際には、数値を見るのと同時に断熱に対してどのような工法を取っているかもしっかりと吟味してください。
また、住む地域によっても必要な断熱性能は変わってきますので、金額や他の要望等も意識して、自分達のエリアに合った断熱性能を持つハウスメーカーを選んでください。
②公表してる数値は、実際の測定値ではなく設計値である
2つ目は、断熱性能を図るQ値とUA値は、実際の測定値ではなく設計値ということです。
C値は実際に建てた家に対して気密測定しているのに対し、Q値とUA値は図面を設計した際に計算して出した数値です。
その為、Q値とUA値は職人さんの腕などは全く考慮されません。
しかし、断熱性能の高い家は木造住宅が多い為、職人さんの腕次第で建物の品質が大きく左右される可能性があります。
数値の高いハウスメーカーで建てようと決めた時は、職人さんや建築現場も事前に確認しておくといいかと思います。
スウェーデンハウスのような全棟C値測定、さらにQ値とUA値計算をしているようなハウスメーカーは信頼性が高いと思います。
まとめ:断熱性能が高い家は、健康で快適かつ経済的です
断熱性能の高い住む家に住むと、建物内の温度差が少なくなり住んでいる人が活動的になります。
その為、病気になりにくく、健康的に長生きできると言われています。そして何よりも、1年中快適な生活が送れます。
ぜひ家づくりを検討するときには、ハウスメーカーの断熱性能もしっかりと確認してみてください。
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