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家づくり基本の「キ」

気密とは?すっごく分かりやすい超シンプル解説

 

こんにちは!きのぴーです。

 

「気密性のある家」と言われたらどんな家を想像しますか。

現在の住宅はエアコンの使用効率など省エネでありながら効率的に室内環境を良くすることが求められています。

ハウスメーカーが「高断熱・高気密の家」と宣伝されているのを見かけたことはありませんか。

一体どんな家なんだろうと思われるかもしれません。

今回はそんな「高断熱・高気密の家」の中に含まれている「気密」についてできるだけ分かりやすくご紹介していきます。

きりん
「高気密・高断熱の家」をウリにしている住宅会社は結構たくさんあるんだよね!そもそも「気密」ってなんだ?

▼断熱とは?

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良い家は気密が大切!

そもそも気密とは?

注文住宅で「高断熱・高気密の家」というのをお見かけしたことはありませんか。

断熱の良い家とは簡単に説明しますと「服をどれだけ厚着しているか」、つまり熱が外から室内へ通りにくく、熱が室内から外へ逃げにくいのが断熱性の良い家になります。

 

では、気密が良い家とはなんでしょうか。

大まかな部材で分けると家というのは屋根・壁・窓・床で構成されています。

この屋根と壁、窓、床の継ぎ目に隙間ができているとどうでしょうか。

もう少しわかりやすいイメージに例えますと、吹雪の中かまくらをつくって暖をとろうとしたけれど壁に穴が空いている状態を思い浮かべてください。

きっとその穴から風や雪が中に入ってきて寒い思いをするはずです。

家は天井や壁、窓などちょっとした隙間ができます。

そのちょっとした隙間から空気が出入りしますので

  • 冬は冷たい空気が中に入り、暖房の暖かい空気は外へ逃げていく
  • 夏は暑い空気が中に入り、エアコンなどの冷たい空気は外に逃げてしまう

ことになります。

つまり気密がとれている家とは、隙間を出来るだけなくして空気の出入りを減らした家のことです。

らいおん
「気密性が高い」とはすなわち、「隙間が少ない家」ということ!

 

つまり気密とはファスナーを閉めてダウンジャケットで防寒すること

「気密が良い家」と「気密が低い家」の違いについてもう少しお話ししていこうと思います。

気密を身近なもので例えますと、ダウンジャケットとファスナーです。

冬場の冷たい風が吹いているときにしっかりとファスナーを締めてダウンジャケットを着ておけば寒くないですよね。

では、ファスナーが開いていたらどうなるでしょう。

きっと風がダウンジャケットの中まで入って体が冷えてしまいます。

どんなにダウンを着ていても風の通り抜けがあれば決して暖かくはなりません。

ファスナーは隙間から暖かい空気を逃げにくくする役目があるのです。

また、ダウンジャケットの生地も風が通り抜けるような素材ではまったく暖かくはなりません。

このように暖かい空気が通り抜けていかないようにすることも気密の役割です。

高気密の住宅は気密性を取るために気密シートや気密テープを使って空気の出入りをできるだけなくしていきます。

ぞう
ジャケットを着ていてもファスナーを閉めなければ冷たい空気が入ってきて寒い。どれだけ断熱性を高めても気密性が低ければ冷たい空気が入ってきて寒い。

 

頭は暑くて足元が寒い!それは気密が関係している!

熱の移動の仕方はみなさんご存知かと思います。

暖かい熱は上に逃げていきますが、逃げていく暖気の分だけ冷たい空気を引き込んできます。

「頭は暑いのに足元が寒い」と感じたことはないでしょうか。

この現象は気密が大いに関係しています。

気密が低い家は、いくら暖房を強くして足元を温めようとしても、暖かい空気を多く取り入れた分だけ多くの冷たい空気が引き込まれてしまう、という悪循環な状態になってしまいます。

しばいぬ
頭は暑いのに足元は寒いと感じる家は、気密性が低いのです。

 

気密が良くても外から熱は入ってくる その対処法とは?

気密がとれていると熱がこもらない?

気密がとれている家(隙間の少ない家)は空気の出入りが少ないということです。

となると、夏場は暑い熱がこもってしまうのでは、と思うかもしれません。

ダウンジャケットの例から見ても、ダウンジャケットは体と密着しているから夏もそのまま着ていては当然暑いです。

しかし、住宅の場合となると状況は少し変わります。

住宅はダウンジャケットとは違いかなり隙間があります。

つまり住宅の断熱材と体の間にはかなりの隙間があり、これが夏暑くなるどころか涼しくなるポイントになります。

うさぎ
気密性が高い家は、そもそも外の暑い空気を室内に取り込まないから涼しいんだぞ!

 

気密を考えるときは窓から入るお日様の熱を考えよう

夏場でも涼しい家にするには気密だけでなく断熱のことも考えなければいけません。

夏涼しくなる家とは、日射遮蔽がきちんとできていることが重要です。

日射遮蔽とは、窓から侵入する日差しを遮ることをいいます。

日射が窓を通過すると室内の壁や床の表面温度が上昇しますので、夏場は室内の温度を上げないように日射を防ぐことが重要です。

高断熱の住宅が庇を設置するなど日射遮蔽がしっかりできていると夏は涼しく快適な空間になります。

逆に冬場は日射を取り入れて表面温度を上げていくことが重要になってきます。

 

日射遮蔽とは?洞窟と地下鉄の違いを想像してみよう!

日射遮蔽についてもう少しイメージがしやすくすると、洞窟と地下鉄の違いです。

夏の洞窟は奥に行くほど涼しくなります。

これは奥に行くほど断熱性能が高くなるからです。

では、地下鉄の場合はどうでしょうか。

地下鉄は地下の洞窟とも言えますが、あまり涼しくはありません。

「洞窟は涼しいのに地下鉄は涼しくない」この違いは内部に発熱するものがあるかないかによるものです。

洞窟はどんなに奥へ行っても発熱するものがないので涼しくなります。

一方、地下鉄は照明や電車、たくさんの人など大きな熱を発しています。

そして断熱性も高いから熱がこもってしまうのです。

つまり日射遮蔽とは、この熱を発するものを防ぐということです。

日射を遮る庇や遮熱型の窓を設置するなど、窓から入る熱の侵入を防ぐことで夏でも涼しく快適な空間にすることができます。

 

気密性が高い家とは?

気密性が低いと換気の効果も低い

2003年建築基準法改正により住宅に24時間換気の設置が義務化されました。

これは気密性が高くなった家は空気の流れが少なくなってしまうため、空気を循環するためにあります。

特に空気中に浮遊するアレルギー源が室内に溜まってしまうとシックハウス症候群を引き起こしてしまう可能性があるため、換気をすることがとても重要になります。

しかし、気密性が低い家は掃除機やストローの管の途中に穴が空いているとうまく吸えないのと同じで、空気の流れが悪く換気効率が低いです。

ここで重要になってくるのが換気性能を示す単位C値です。

では、C値について具体的に下記にてお伝えしていきます。

 

気密性能を示す単位C値とは?

C値とは、換気性能を示す単位で相当隙間面積といい、延床面積あたりの隙間量(㎠/㎡)を表します。

C値(㎠/㎡)(相当隙間面積)=家全体の隙間の合計(㎠)÷建物の延床面積(㎡)

例えば延床面積100㎡の家の場合、C値が4㎠/㎡だと

100㎡(延床面積)×4㎠/㎡(C値)=400㎠(家全体の隙間の合計)

となります。

これがどういう状態かというと、壁に20cm角(20cm×20cm=400㎠)の穴が空いているという意味を表します。

C値は2より大きい住宅では換気はうまく働いてくれません。

想定どおり換気を働かせたい場合、C値は1以下を目指した方がいいでしょう。

まともな事業者か見分けるために「換気測定はされているか」「C値はどの程度か」聞くことをおすすめします。

気密に意識がない事業者のC値は3〜4㎠/㎡になっていることが多いです。

 

気密・断熱・換気の3拍子が重要!

快適な住宅にするためには気密だけを重要視してはいけません。

快適な住宅は「気密・断熱・換気の3拍子のバランス」がとれていることが大切です。

換気を良くするには気密性がとれていないといけませんが、断熱性が悪いと温度差が生じて結露が発生します。

結露が発生するとカビや建物の劣化の原因となってしまいます。

結露を防ぐには温度差が出ない断熱性能が重要です。

また、気密性は高いが換気効率が悪いと熱がこもり湿度が高くなります。

そうなると結露やカビが発生してしまいますので、換気性能も快適な住宅にするための重要な要素となります。

つまり

  • 気密性が高くても換気効率が悪いと熱がこもる
  • 気密性が悪いと熱が逃げて断熱性が低下する
  • 断熱性が悪いと室内環境が安定せず、温度差があると結露が発生する

となります。

注文住宅で良く見かける「高気密・高断熱の家」というのは、この気密性と断熱性、換気効率の3拍子が揃って実現する住宅のことをいいます。

▼換気システムには3つの種類があるのをご存知ですか?

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まとめ

ここまで、「住宅における気密とは何か」についてお伝えしてきました。

今回は気密について重点的にご紹介しましたが、気密以外にも断熱性や換気効率も一緒に取り入れていくことが大切です。

気密性や断熱性、換気効率を取り入れていくとなると、専門的な計算をして数値化する必要がありますが、適正な数値を知っておくだけで業者と突っ込んで具体的な話ができます。

設計の段階では数値を元に考えていかなければいけませんので、適切な基準値だけでも知っておきましょう。

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