こんにちは、きのぴーです!
冬の夜、部屋の中は暖房で暖かいのに、窓の近くだけひんやり。
誰でもそんな体験ありますよね。
冬暖かく夏涼しい、快適な家を造るには窓の性能を上げるのが一番効果的なんです。
特にガラスの性能が重要です。
マイホームの窓ガラスを、ペアガラスにしようかトリプルガラスにしようか迷っているなら、断然トリプルガラスがおすすめ!
この記事を読めば、その理由がわかります。
窓は何より断熱性が重要
windowの語源は、風の穴を意味するwind eye。
この語源の通り、窓はもともと壁にあけた換気用の穴でした。
単なる穴だった窓が、ガラスの登場によって大きく進化し、現在は採光、眺望、家の外観や内観の装飾としての役割も担っています。
戦後の日本の住宅の窓は、ほとんどがシングルガラスの木製サッシ。
気密性が低く、隙間風が入ってくるのが当たり前でした。
1960年代から急激に普及したのがアルミサッシです。
気密性は改善したものの、アルミサッシは断熱性が低いのが欠点。
1990年代から少しずつ住宅の断熱性能が求められるようになり、アルミと樹脂の複合サッシやオール樹脂のサッシが登場します。
サッシ(窓枠)の断熱性が向上するとともに、ガラスの性能も大きく進化しました。
シングルガラスから、2枚のガラスの間に中空層を設けたペアガラス(複層ガラス)が徐々にスタンダードに。
新築戸建住宅でのペアガラス普及率は、2000年では60%台でしたが、現在では95%を超えています。
Low-E(ローイー)ペアガラスやトリプルガラスのような、ペアガラスよりさらに高性能のガラスも徐々に普及してきています。
戦後の窓の変化からもわかるように、気密性、水密性、耐風圧性、遮音性、防犯性、断熱性など、窓に要求される多くの性能のうち、特に重要になってきているのは断熱性です。
高性能のガラスにはメリットがいっぱい
一年中快適で省エネルギーな家を作るためには、家の断熱性を上げることが重要です。
断熱性の高い家は冷暖房の効率がよく、電気代などの光熱費も安く抑えることができます。
断熱性アップというと「床や壁に高性能の断熱材をたくさん入れて…」と考えがち。
でも実は、暖房した室内の熱を一番外に逃している場所は、床でも壁でもなくて窓なのです。
冬、外に逃げていく熱の50~60%は窓から。
ちなみに壁からは約20%、床からは約10%です。
さらに夏は、家の中に入ってくる熱の約70%が窓からです。
このように窓は、家の断熱性能のウィークポイント。
家の断熱性を上げたければ、まずは熱の通り道である窓の性能を上げるのが効果的です。
窓の断熱性能は主に、サッシ(窓枠)の断熱性能、ガラスの断熱性能、気密性で決まります。
中でも面積の広いガラスの性能はとても重要です。
高性能ガラスを使うと、家全体の断熱性がアップする以外にも、さまざまなメリットがあります。
コールドドラフトを防ぐ
冬の窓辺で冷やされた空気が、下降気流になって足元に流れ込むコールドドラフト現象。
天井と床で5℃以上の温度差が生まれることもあります。
足元が冷たいと体感温度が下がり、必要以上に暖房を使うことになり、エネルギーの無駄遣いにもなります。
コールドドラフト現象は断熱性の高いガラスを使えば防ぐことができます。
ガラス面の結露を防ぐ
空気は気温が高いほど、たくさんの水蒸気を含むことができます。
室内の水蒸気を含んだ暖かい空気が、冷たいガラスに当たって冷やされ、含みきれなくなった水蒸気がガラスの表面に水滴になって付くのが結露です。
結露は窓周りの汚れや傷み、カビの原因になることも。
断熱性の高いガラスは外気温の影響を受けにくいため、結露も起きにくくなります。
遮音性や防犯性が高い
ペアガラスやトリプルガラスは、ガラスの枚数が多く厚みがあるため、シングルガラスと比べて遮音性や防犯性も高くなります。
ガラスによって大きく異なる断熱性
それでは住宅の窓に使われるガラスにはどんな種類があるのでしょう。
【窓ガラスの種類】
- シングルガラス
- ペアガラス
- Low-Eペアガラス
- トリプルガラス
- Low-Eトリプルガラス
*断熱性が低いものから記載。順番は仕様によって入れ替わる場合があります。
Low-Eとは「低放射」の意味。
Low-Eガラスは、特殊金属をコーティングしたガラスです。
ペアガラスやトリプルガラスの中空層(ガラスとガラスの間の気体が入っている層)側にコーティングすると、断熱性能がアップします。
Low-Eガラスには、強い日差しを遮る「遮熱タイプ」と、適度に日射を取り入れる「断熱タイプ」の2種類があります。
冬に窓から逃げる熱、夏に窓から入る熱は悪者ですが、寒い地域で冬に窓から入る日光は貴重なエネルギー。
地域や窓の方角、立地などにより、夏の日射を遮るか、冬の日射を取り込むかのどちらを優先するかを検討し、遮熱タイプと断熱タイプを使い分けると、より効果的に断熱性能を発揮できます。
一般的には夏の日差しや西日が強く当たる窓は遮熱タイプ、寒冷地や日の当たりにくい窓は断熱タイプを選びます。
ペアガラス、トリプルガラスは、中空層の幅や、中空層に入っている気体が「乾燥空気」なのか、「アルゴンガス」や「クリプトンガス」なのかによっても性能が変わります。
より高い断熱性があるのは、空気より熱を伝えにくいアルゴンガスやクリプトンガスです。
中空層の仕様にもよりますが、ガラス単体での断熱性能は、ペアガラスはシングルガラスのおよそ2倍、トリプルガラスはペアガラスのおよそ2倍と言われます。
トリプルガラスはシングルガラスの4倍も断熱性が高いのです。
窓の性能はU値で比較
それでは具体的に、一般的に使われている窓の断熱性能をみてみましょう。
断熱性能を比較するときに便利なのが、熱の伝えやすさを表す「熱貫流率 U値」です。
【熱貫流率 U値】 単位:W/(㎡・K)
室内と室外に1度の温度差があるとき、1時間にその部位を通過する1㎡あたりの熱量を表します。
数値が小さいほど、熱が逃げにくく断熱性が高くなります。
ちなみに、家全体の断熱性は外皮平均熱貫流率 UA値という指標を使いますが、これは家の壁、床、屋根、開口部などを通過する熱を、家全体で平均した値です。
最近の新築住宅でUA値がどれくらいの数字になっているかというと、特に高断熱を謳い文句にしているハウスメーカーでは0.2~0.3、一般の大手ハウスメーカーで0.4~0.6ぐらいです。
▼外皮基準もZEHに関わります。詳しくはコチラの記事をどうぞ▼
一般的なサッシとガラスの組み合わせの窓のU値は以下の通りです。
アルミサッシ
アルミ+シングルガラス U値=6.5
アルミ+ペアガラス U値=4.7
アルミ樹脂複合サッシ
アルミ樹脂複合+ペアガラス U値=3.5
アルミ樹脂複合+Low-Eペアガラス U値=2.3
樹脂サッシ
オール樹脂+Low-Eペアガラス U値=1.5
オール樹脂+Low-Eトリプルガラス U値=0.9
日本でよく使われるアルミサッシ+ペアガラスのU値は4.7。
一方、合板と石膏ボードの間に断熱材のグラスウールを厚さ100mm入れた壁のU値は0.5程度。
アルミサッシ+ペアガラスの窓の断熱性は、一般的な壁の1/10しかありません。
この中ではもっとも高断熱なオール樹脂サッシとLow-Eトリプルガラスの組み合わせでも、一般的な壁の半分の断熱性能しかありません。
どの窓を使っても、現状では窓を増やせば増やすほど、家の断熱性は下がってしまうのです。
日本は世界の国々に比べて、窓の高断熱化が遅れています。
日本では窓の断熱性の義務化された最低基準はありませんが、世界の多くの国では最低基準を定めています。
欧州諸国の最低基準はU値1.0~2.0程度。
お隣の韓国や中国でも2.5前後の最低基準があります。
世界基準に当てはめると、最低でもLow-Eペアガラス、望ましいのはLow-Eトリプルガラスであることがわかります。
まとめ
快適な家を実現するには、まずは窓の断熱性が重要。
中でもガラスに投資するのが、最も効果的なことがおわかりいただけたでしょうか?
トリプルガラスは開閉のとき重いというデメリットもありますが、冷暖房なしでいられる期間がとても短くなっている現在、窓は開閉よりも、閉めているときの性能で選ぶのが正解。
エネルギーを無駄遣いしない次世代の家造りには、トリプルガラスがおすすめです。
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