- どんなものなら施主支給できる?嫌がられるものは?
- どうして施主支給は嫌がられてしまうの?
施主支給とは施主が商品を購入して現場へ搬入し、取付けだけを業者にお願いすることです。
次のようなメリットがあるので、施主支給を検討する方は増えてきています。
- ネットで好きなデザインを探せる!
- 安く手にいれることができる!
しかし、施主支給するアイテムによってはハウスメーカーに嫌がられたり、断られてしまうこともあります。
今回は、施主支給のおすすめアイテムと嫌がられるアイテム、そして嫌がられる理由について解説していきます。
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施主支給のおすすめアイテムBEST5
まずは施主支給のおすすめアイテムを紹介します。
比較的嫌がられにくいアイテムから5つ選出していますが、中には断られるケースもあります。
お願いするハウスメーカーに相談した上で、施主支給をしましょう。
BEST5 照明(後付できるもの)
照明は施主支給する方が多いアイテムです。
ただし、照明でもおすすめできる種類とできない種類があります。
- おすすめできる照明:シーリングライトやペンダントライトのような引っ掛けるだけで取り付けできる照明
- おすすめできない照明:ダウンライトなどの埋め込みの照明、間接照明などの施工が複雑な照明
ただ引っ掛けるだけの照明であれば、ハウスメーカーに配線工事だけしてもらって、好きな照明を自分で選ぶことができます。
ただし、取り付け後に照明の位置や明るさなどで後悔する方もいます。
どのようなものを施主支給するかあらかじめ設計に伝えて、問題ないかチェックしてもらいましょう。
おすすめできない埋め込みのダウンライトは、トラブルが起きたときに施工が原因なのか器具そのものの不良なのかが判断つきにくいです。
また、間接照明ではサイズなどによって施工できないこともあります。
器具によって光の当たり方も大きく違ってしまい、こちらも器具と施工のどちらに責任があるのが判断しづらくなってしまいます。
シーリングライトなどの単純な取り付けの照明であれば、比較的施主支給はしやすいでしょう。
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BEST4 カーテン
カーテンも比較的施主支給がしやすいアイテムです。
おすすめなのはレールまでをハウスメーカーにお願いして、カーテンは施主支給にする方法です。
レールまでを手配・施工してもらえば、ガタつきがあったり動きが悪ければハウスメーカーに直してもらうことができます。
しかし、こちらで手配すると商品の不具合の可能性もあるので、対応できないと言われることも考えられます。
カーテンだけであればそのような不具合は起こりにくいので施主支給向きのアイテムです。
ただし、掃き出しの窓のカーテンの施主支給はおすすめしません。
理由は長さの調整が難しいからです。
腰高の窓であれば、多少カーテンが長くても気にならなりません。
しかし、掃き出しの窓は長いと床についてしまいますし、短すぎても不格好です。
LDKなどの目立つところはハウスメーカーのオーダーカーテンにして、子供部屋などは施主支給にするなどの工夫をしましょう。
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BEST3 鏡
おしゃれな鏡を施主支給するのもおすすめです。
洗面台の鏡などをこだわることで、内装の雰囲気が一気におしゃれになります。
設備機器メーカーの鏡は実用性を考えてシンプルなデザインの物が多いです。
雑貨屋さんやネットなどで探すことでお気に入りの1点を見つけることができるかもしれません。
- 下地を忘れずに入れる
- 奥行もしっかり確認する
取り付けをハウスメーカーにお願いするので忘れることはないと思いますが、忘れずに下地を入れてもらってください。
将来買い替えたときのことも考えて、少し広めの範囲で入れてもらうといいでしょう。
鏡を施主支給にするときは、奥行きも忘れずに伝えましょう。
キャビネット付きの奥行のある鏡を選んだところ、鏡が照明の光を遮ってしまって洗面台が暗くなってしまったお客様がいました。
このような失敗がないように寸法は正確に伝えて、お気に入りの鏡を取り付けてもらいましょう。
BEST2 タオルリング
タオルリングも施主支給としておすすめのアイテムです。
こちらもメーカー品だとシンプルなデザインの物がほとんどなので、ネットなどでお気に入りのデザインを探すことができます。
サイズ感も小さいので現場への持ち込みもしやすいというメリットもあります。
注意点は取り付けの高さです。
タオルをかけると意外と低くて使いにくかったり、タオルの長さによっては洗面台についてしまうこともあります。
タオルリングは自宅でも保管できる大きさなので、早めに注文して打合せに持参し、現物を見ながら設計士と設置位置の打合せをすることで失敗を防げるでしょう。
BEST1 トイレットペーパーホルダー
1番おすすめなのがトイレットペーパーホルダーです。
トイレットペーパーホルダーは、一般的なトイレットペーパーのサイズに合わせて作られているので、設置位置で失敗することがありません。
また、トイレ内であれば施主支給でなくともトイレットペーパーホルダーは取り付けるので、追加で下地代や施工費を取られないこともあります。
お気に入りのトイレットペーパーホルダーがあるのなら、ぜひ施主支給を相談してみましょう。
施主支給が嫌がられる理由
なぜ施主支給はハウスメーカーから嫌がられてしまうのでしょうか。
実際に営業時代に嫌だなと感じた経験も織り交ぜて解説します。
事前に渡されても保管に困る
施主支給品を事前に渡されて、保管に困ることが多々ありました。
小物であれば事務所などで保管したりお客様の家で保管することもできますが、大物の場合は広い保管場所が必要です。
「現場に置いておいてよ!」と軽い気持ちでお願いされることもありました。
しかし、現場は工事を進めやすいように使う物だけを段取りよく現場へ搬入するようにしています。
まだ施工までに時間がある大物の施主支給品を置いておくと、工事の邪魔になってしまいます。
施主支給をするのであれば、必要なタイミングまではなるべく自宅で保管できるサイズのアイテムにしましょう。
持ち込みのタイミングの段取りが面倒
先ほどもお伝えしましたが、現場にはタイムリーに使う物だけが搬入されています。
そのため、施主支給品も使うタイミングで現場に搬入する必要があります。
持ち込みのタイミングを事前に工事監督と業者さんの予定を調整しなければいけませんし、お客様の都合も考慮する必要があります。
都合が合わなかったり大きな物だと、営業がお客様の家まで取りに行って現場に運ぶこともありました。
また、自宅で保管ができないとネットで頼んだ商品を直接現場に配達するお客様もいますが、建築中は住所が確定していないため配達できないことも多いです。
受け取り時にお客様が行けないと、社員が受け取りに行ったり業者さんに受け取ってもらわなければなりません。
このような手間を考えると、アイテムによっては施主支給を嫌がるハウスメーカーも多いでしょう。
取り付けが複雑だと施工が難しい
施主支給品の取り付けが難しい場合なども嫌がられる場合が多いです。
ネットの商品などの場合、取付方法などが説明書に記載されていないこともあります。
物だけを見て業者さんが取り付けをしたが失敗してしまった場合、トラブルにつながってしまいます。
施主支給をしたいときは取り付けがしやすく、しっかりと説明書がある商品を選ぶようにしましょう。
また、組み立てる必要のあるキャビネットなどは自分で組み立ててください。
商品にキズがあってもどちらの責任か判断できない
商品の状態を気にして施主支給を嫌がるハウスメーカーも多いです。
店舗で購入した場合は現物をお客様が見ているので、キズの有無などを確認することができます。
しかし、ネットなどで購入して現物を見ないままハウスメーカーに渡してしまった場合、元々商品にキズがついていたのか現場でキズがついたのかの判断ができません。
それによってトラブルにつながることもありますので、施主支給品を持ち込むときは次の2点を心がけましょう。
- 商品が届いたら必ずキズ等を確認する
- 取り付けのタイミングで立ち会えるなら現場に足を運ぶ
お互いに嫌な気持ちにならないように、必ず商品状態のチェックをしてください。
住んだ後の保証面でトラブルにつながるかもしれない
施主支給をすると住んだ後もトラブルにつながる可能性があります。
入居後に実際に施主支給品を使ってみたら壊れてしまったり調子が悪かった場合、商品が悪かったのか取り付けに問題があったのかが分かりません。
そのため、ハウスメーカーも責任をとらないという判断をすることが多いです。
施主支給は保証がつかないという説明を予めされると思いますが、されなかったとしても保証はないと考えておいた方がいいでしょう。
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施主支給を嫌がられることが多いアイテムBEST5
では、どのようなアイテムが嫌がられるのでしょうか。
BEST5 エアコン
エアコンは嫌がられるというよりも、家電量販店などに取り付けてもらうことをおすすめされることが多いでしょう。
その方が安上がりになることも多いです。
エアコンは家での保管が難しくて現場へ持ち込まれることも多いですが、何台もあるとかなり場所を取るため邪魔になってしまいます。
また、施主支給品の場合、稀に100Vと200Vをお客様が勘違いしていて設置できないことがあります。
施主支給をするときは、購入するエアコンのメーカーや型番を早めに伝えてミスをしないようにしましょう。
BEST4 タイルなどの割れやすいもの
タイルなどの管理が難しいものも嫌がられる場合が多いです。
配達時に割れてしまっていたのか、施工時に割れたのか判断できないからです。
商品を現場に運んだら、状態を担当営業や業者さんと確認するようにしてください。
また、タイルや床材のような枚数や㎡のセット売りの商品も注意が必要です。
先ほどもお伝えしたように、タイルは施工途中で割れてしまうことなども考えられます。
ハウスメーカーが発注する場合はそれを見越して少し多めに商品を購入します。
しかし、施主支給の場合は安くしようと必要最低限な数を購入することが多いです。
必要最低限の数だと足らなくなってしまい、もう1度追加で購入しなければならないこともあります。
商品によっては、少し多めに購入する必要があることも頭に入れておきましょう。
また、購入前に必要量を設計に確認しておくといいでしょう。
BEST3 海外製のアイテム
海外製のアイテムも断られることが多いでしょう。
なぜなら、説明書がなかったり、あったとしても英語の可能性があるからです。
おすすめアイテムで紹介した照明なども、海外製だとうまく取り付けられないこともあります。
海外製のアイテムは家具やインテリアで取り入れるようにして、施主支給することは避けた方がいいでしょう。
BEST2 設備機器
住宅の設備機器などは嫌がられる可能性が高いです。
設備機器とは以下のようなものを指します。
- キッチン
- ユニットバス
- 洗面化粧台
- トイレ
- 給湯機
- 太陽光発電システム
他にも様々なものがありますが、おすすめのアイテムとの違いは建物の配管や配線と接続する必要があるという点です。
特にキッチンやユニットバスは接続が非常に複雑なので、トラブルにつながる可能性が高いです。
施工前にも採用するキッチンメーカーと打合せをする必要があり、手間も増えてしまいます。
さらに、施主自身で持ち込むことが不可能なため、納品業者との打ち合わせも必要です。
- 設置までに手間がかかる点
- 設置後のトラブルが起こりやすい点
このような理由から、設備機器の施主支給は断るハウスメーカーも多くあります。
BEST1 工事の一部
施主支給と言っていいか微妙ですが、工事の一部を施主支給したいという要望が1番嫌がられます。
例えば、次のようなケースです。
- 親が電気屋だから電気配線をやらせてほしい
- 知り合いに設備屋がいるから設備機器の手配と設置工事をやらせてほしい
これまで紹介した施主支給はモノの支給だけでしたが、今回は工事も施主が手配してやりたいというケースです。
工事も任せてほしいというお願いは、ほとんどのハウスメーカーに断られると思います。
なぜなら外部の人に工事をしてもらうということは、建物自体の保証ができなくなってしまうからです。
例えば、設備屋が設置してくれたユニットバスから水漏れしていた場合を考えてみます。
水漏れ自体は保証内容に含まれていたとしても、原因がユニットバスの施工不良ならハウスメーカーの保証は無効になります。
水漏れして躯体が腐敗してしまっても、設備屋が保証することもできません。
結果的にどこの保証も適用できず、施主が実費で修理をしなければいけないこともあります。
知り合いで住宅の工事ができる人がいても、ハウスメーカーにお願いしたからには施工は全て任せるようしましょう。
リスクのないものを選んで施主支給をしよう
施主支給は施主にとってメリットもありますが、ハウスメーカーにとってはデメリットばかりなので嫌がられることも多いです。
そして、ハウスメーカーだけが嫌な思いをするだけでなく、施主自身もトラブルになって後悔することもあります。
施主支給でおすすめなのは、ただ取り付けるだけの小さなアイテムです。
建物の配管や配線との接続が必要なものや大物は、トラブルの元ですので避けましょう。
ハウスメーカーに迷惑を掛けない、そして自分たちも嫌な思いをしないために、施主支給アイテムは慎重に検討して早めに選びましょう。