こんにちは!
注文住宅業界歴6年、きのぴーです。
キッチンの通路幅は、打合せのときに気にする人はあまりいません。
しかし、住んでから後悔する方は多いです。
私が住宅営業マンをしていたときに、LDKの広さを気にする方は多いですが、キッチンの通路幅はいくつですかと聞かれたことはほとんどありませんでした。
おそらく、展示場のキッチンの通路幅をイメージして、十分だと感じていたからだと思います。
しかし、展示場のキッチンの通路幅と、実際に建てるマイホームのキッチンの通路幅が同じとは限りません。
実際に私が勤めていたハウスメーカーも、展示場は案内しやすいように通路幅を広げていました。
展示場を見て安心している方がいたら、住んでからキッチンの使いにくさに後悔をする可能性があります。
今回はキッチンの通路幅について解説しますので、ぜひ取り入れてください。
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狭いと感じないのは90cm以上
キッチンの通路幅は最低でも90cm以上取りましょう。90cm以上はないと、あまりに不便なキッチンになってしまいます。
理由は次の2つです。
- キッチンに立った時に人とすれ違うことができない
90cmの通路幅のキッチンであれば、人とすれ違うことができます。
どちらかがお皿などを持っていても、お互いに少しだけ避け合えば、あまりストレスなくすれ違えることができます。
しかし、90cm以下の通路幅は、すれ違うことにストレスを感じます。
特に、手に食器などを持っている場合は、すれ違いにくくてぶつかってしまう可能性も高いです。
最低でも90cmは取りましょう。
- キッチン収納が使いにくい
通路幅が狭すぎるキッチンだと、せっかくの広々とした収納が使いにくくなってしまいます。
次の2点に注意しましょう。
①引き出し収納は引き出したときの残り幅を考える
最近はキッチンの収納は、開きタイプではなく引き出しタイプが採用されることがほとんどです。
引き出しは、モノを取り出しやすく、たくさん収納できるメリットがあります。
通路の幅は広めに設計しなければいけません。
キッチン側の引き出しの収納の奥行きは50~60cmのものがほとんどです。
90cmの通路幅で50~60cmのキッチンの引き出しを限界まで開けた場合、通路幅は約30~40cm残ります。
30~40cm確保できていれば立てる余裕はあります。
しかし、90cm以下の通路幅では、引き出しを開けながら横へズレて物を取り出さなければならないのです。
とても不便ですので、最低でも幅は90cm取りましょう。
②しゃがんでモノを取り出せるか考える
上部は引き出しで、下部は開き戸タイプのキッチンもあります。
すると、下部の物を取り出すときに、しゃがみ込まなければなりません。
一般的な女性の場合、しゃがんでモノを探すときには約60cmの奥行きが必要です。
そして、収納と自分との距離、さらには扉の開け閉めを考えたときに、30cmほどの余裕があれば十分でしょう。
キッチンの通路幅は広すぎても良くない
通路幅の狭さによる不便さはわかってもらえたと思います。
しかし、キッチンの通路幅は広すぎても使いにくくなってしまいます。広くても120cm以下には抑えてください。
- 広すぎるとキッチンからカップボードまでの距離が遠くなる
キッチンからカップボードの距離や、キッチンから冷蔵庫の距離が遠いと、作業効率が悪くなってしまいます。
一般的に、キッチンとカップボードの距離は、振り向いて1歩踏み出したときに手が届く範囲がベストと言われています。
ただ、もちろん人によってベストな距離は変わります。
自分が料理をしているときに、振り向いて1歩踏み出したときに手の届く寸法を実際に測ってみてください。
キッチンの通路幅に余裕がないときは、床に物があると邪魔になってしまうため、置く可能性は低いです。
しかし、キッチンにゆとりがありすぎると物を置く余裕ができてしまいます。
すると、いろいろと置いてしまい、結果的に狭いキッチンになってしまうのです。
適度な通路幅の広さを採用して、キッチンをすっきり見せるような工夫をしましょう。
通路幅を考えるうえで大切な4つのポイント
通路幅を考えるうえで大切なポイントを4つ紹介します。
ポイント①何人で料理をするのかを考える
何人で料理するのかを考えてみましょう。
常に1人で料理をしていて、料理中は他の人がキッチン内に立ち入ることがない場合は90cmで十分です。コンパクトなキッチンは、使い勝手がよく作業効率が上がるでしょう。
いつもは1人だが祝日は2人で調理をする場合、将来的に子供と一緒に料理がしたい場合は、120cmに近い通路幅を選ぶことをおすすめします。
120cmの通路幅は、2人がキッチン内をすれ違う時に、身体の向きを変えなくてもいいので調理がしやすいです。
ポイント②キッチンの広さの優先度を考える
キッチンの通路幅は広い方が使い勝手はいいです。
しかし、キッチンの通路幅を広げた分、建物全体の面積が大きくなってしまいます。
または、代わりに他の空間を狭めてしまいます。
特に隣接しているダイニングやリビングが影響を受けやすいです。
1日の中で使う時間が長い場所、多くの人が使う場所の広さを優先した方が良い場合もあります。
キッチンの通路幅を考えるときは、建物全体に対するキッチンのバランスや、ダイニングやリビングの広さを見ながら決めていくといいでしょう。
ポイント③キッチン収納の使い方を考える
どのようなタイプのキッチン収納を選ぶのかも大切なポイントです。
開き戸ならば、自分がしゃがんでも余裕がある通路幅を選んでください。
引き出しならば、収納の奥行きがどのくらいなのかを確認しましょう。
キッチンのカタログを見ると、細かいサイズが載っています。わからない場合は、住宅会社の担当者に聞けば教えてくれます。キッチンによって数値は異なりますので、事前にしっかり調べて決めることが大切です。
また、自分の使い方もイメージしてみるといいでしょう。
一般的に、引き出しの収納を常に限界まで引き出す方は少ないです。
多くの方は、よく使う物を手前に収納するため、収納の半分程度しか引き出していません。
また、キッチン側とカップボード側の収納を同時に開けて使うという場面もほとんどありません。
自分の今の調理ルーティーンを考えながら、必要な幅を考えてみてください。
ポイント④同じ幅を体感する
展示場やキッチンメーカーのショールーム、完成見学会などに行き、実際の通路幅を体感してから決めましょう。
おすすめは、実際に住む方が建てた家を見ることができる完成見学会です。
完成見学会のキッチンは90~100cm程度で設計されていることが多いため、とても参考になると思います。
実際にフライパンを振る動きや、振り向いてカップボードとの距離を測ってみましょう。
また、引き出しを限界まで引き出した広さや、2人ですれ違ったときの広さも感じてください。
ただ立って感覚をつかむだけでなく、実際に動いてみることで感じることがあると思います。
キッチンの通路幅は10cm違うだけで全然違う
キッチンの通路幅は注文住宅のこだわりどころの1つです。
10cmの差でも使い勝手に大きな違いが出ます。
そして難しいのが、絶対的な数字がないことです。
使い方によっては、90cmでちょうどいいと感じる方もいれば、狭いと感じる方もいます。
120cmでちょうどいいと感じる方もいれば、広すぎると感じる方もいます。
実際に自分のキッチンでの動きを理解した上で決めることがとても大切です。
そして、考えるだけではなく、必ず体感しましょう。
自分に合ったキッチンの通路幅を採用し、楽しく調理ができるキッチンスペースを作り上げてください。