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家づくり基本の「キ」

地下室は容積率に含まれない!敷地活用の最大の切り札

 

こんにちは!きのぴーです。

 

敷地が狭くて、希望の広さの家が建てられない…。

その悩み、もしかしたら地下室が解決してくれるかもしれません。

地下室は作り方次第で、容積率にも含まれないのです。

この記事では地下室活用のポイントを詳しく解説します!

らいおん
地下室を採用して広い家を手に入れないか?

▼「容積率ってなに?」という方はこちら

 

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そもそも地下室とは?

普通に考えれば、地面より下にあるのが地下室。

でも建築基準法上の地下室の定義は少し異なります。

建築基準法では地下室を「地階」といいますが、地階の定義は以下の通りです。

建築基準法における「地下室」とは?

【床が地盤面下にあり、床面から地盤面までの高さがその階の天井高さの3分の1以上のもの】

 

例えば、天井高さが2400mmの部屋の場合、床面から地盤面までの高さが800mmなら、地階になります。

ということは800mmを超えた部分が地盤面より上に出ていても、 建築基準法上は地階。

部屋の天井高さの1/3以上が地下に埋まっていれば、基準法上は地下室なのです。

きりん
完全に地下に埋まってなくても「地下室」とみなされるんだね!これなら地下室でも太陽光を採り入れることができるじゃん!

この条件を満たして、地下室+1階+2階の家を建てても3階建てとはみなされません。

敷地の建築条件などで、3階建て以上の家が建てられない場合も有効です。

 

かつてはリビングや寝室など、人が常に暮らす「居室」は地階に設けることができませんでしたが、現在は可能になりました。

地階に居室を設けるには「衛生上支障がないこと」という条件がつき、壁の防水・防湿措置、採光・換気のためのドライエリア(空堀)を設ける、排水設備などについての基準を満たす必要があります。

ドライエリアとは、換気や採光などの目的で地下室の外壁の一部を囲むように地面を掘り下げた部分のこと。

半地下の地下室で上の方に窓が設けられる場合は、ドライエリアを造らなくても済むこともあります。

 

半地下でも可能!容積率緩和が最大のメリット

地下室を設ける最大のメリットといえるのが、容積率の制限が緩和になることです。

ご存じのように、容積率とは敷地面積に対する延べ床面積の割合。地域ごとに容積率の上限が決められています。

この容積率の制限がネックになって、十分な面積の家が建てられないこともあります。

地下室の場合、住宅部分の床面積の1/3を限度に容積率に含まないという緩和規定があります。

ここでいう床面積とは地下室の床面積も含んだ合計の面積です。

例①1階、2階、地下室がそれぞれ床面積50㎡、延べ床面積150㎡の場合

容積率緩和の上限は150×1/3=50㎡。

地下室50㎡はすべて容積率に含まれず、容積率は100㎡で計算すればOKです。

容積率の上限の1.5倍の面積の家が建築できることになります。

例②1階が50㎡、2階が20㎡、地下室が50㎡、延べ床面積120㎡の場合

容積率緩和の上限は120×1/3=40㎡まで。

この場合は実際の地下室の面積から40㎡分を差し引いた10㎡分だけが容積率に算入されます。

容積率は50+20+10=80㎡で計算します。

 

ただし、容積率の緩和の対象になる地下室には、条件があります。

  1. 建築基準法上の地階であること
  2. 地盤面から地階の天井までが1m以下
  3. 住宅用途であること

 

建築基準法では、天井高さの1/3が地中に埋まっていれば地階ですが、容積率の緩和を受けるには、地盤面から地階の天井までが1m以下という条件が追加になります。

天井高さ2400mmの部屋の場合、800mm以上地中に埋まっていれば地階ですが、容積率の緩和を受ける場合は、地中に1400mm(2400mm-1000mm)以上埋まっている必要があります。

ぞう
地面から地階(地下室)の天井までの長さが1メートル以内じゃないと、容積率に含まれてしまうんだ!そうなってしまっては地下室のメリットが無くなっちゃうね。

また住宅用途とは、物置など住宅に付属するものも含まれますが、車庫は含まれません。

車庫の場合は地下室の容積率緩和規定とは別に、駐車場の容積率の緩和規定が適用されます。

ちなみに、車庫の容積率の緩和は延べ床面積の1/5が上限です。

 

狭い敷地では駐車スペースが取れず、1階にビルトインガレージを設けることがあります。

必要な居住スペースの確保が難しいこんなケースでも、地下室を造るのは有効な方法です。

この場合は地下室と車庫、両方の容積率緩和が併用できます。

 

まだまだある地下室のメリット

容積率の緩和以外にも、地下室を設けるメリットはたくさんあります。

 

温度が安定している

地中の温度は、夏は外気より涼しく、冬は外気より暖かくなります。

地中の温度は年間を通じて変化が少なく、関東地方で地下3mの深さの温度はおよそ13℃~21℃の範囲でしか変化しないと言われています。

ワインなどの食品の貯蔵にも向いていますし、居室を設ける場合は冷暖房費の節約になります。

 

プライバシーが保てる

都市部の住宅地などでは、窓を開ければすぐにお隣の家という敷地も珍しくありません。

その点地下室なら、住宅密集地でもプライバシーが保てます。

 

防音性&遮音性が高い

防音性や遮音性が高いので、楽器の演奏やオーディオルーム、シアタールーム、トレーニングルームなどの用途に最適です。

周囲の騒音も聞こえにくいので、寝室や書斎にも向いているでしょう。

ただし、ドライエリアや半地下の場合、窓からの音漏れには注意が必要です。

 

地震に強い

地下室は地震に強いことが知られています。

地下の構造物は地震と一緒に動くので、地下室自体にはほとんど力が加わらず、壊れることもほとんどないのです。

また地下室が深くて頑丈な基礎と同じ役目を果たし、地下室がある家全体も地震に強くなると言われています。

 

3階建てに比べて動線がスムーズ

地下室+2階建てと、地下室なしの3階建ての家は同じ3層の家ですが、地下室+2階建ての方が、動線がスムーズです。

3階建ての場合、玄関から2回階段を上らなければなりませんが、地下室+2階建てなら玄関から階段を下りるか上がるかすれば、すべてのスペースに行くことができます。

 

地下室のデメリット

地下室を上手に活用するには、デメリットも知っておく必要があります。地下室のデメリットはどのようなことがあるのでしょう。

 

コストが高い

1番のデメリットは地下室を作る建築コストが高いことです。

一般の木造に比べると、面積あたりでおよそ1.5倍から2倍の費用がかかります。

鉄筋コンクリートで部屋を造る費用に加えて、コンクリートの防湿・防水やドライエリアを設けるコストが必要です。

一般的にはドライエリアを設けるより、半地下にして地上部分から採光や換気をおこなう方が、建築費用は安くなります。

 

漏水の危険がある

屋根に漏水の危険があるのは雨が降る時だけですが、地中には常に水があります。

コンクリートには打ち継ぎ部分や細かい空隙などがあり、必ず防水工事が必要です。

防水工事に不備があれば、すき間から地中の水が侵入してきます。

防水工事にもさまざまな方法、グレードがあり、技術も必要なことから、地下室建築の実績の多い会社を選ぶ方が安心です。

 

ジメジメしやすい

防水・防湿工事がきちんとおこなわれているのに、地下室がジメジメする…。

この原因は結露によるものと思われます。

空気は気温が高いほど、たくさんの水蒸気を含むことができます。

水蒸気を含んだ暖かい空気が、冷たい面に当たって冷やされ、含みきれなくなった水蒸気が表面に水滴になって付くのが、結露です。

地上階での結露は冬がメインですが、地下室の結露は主に夏におこります。

温度変化が少ないのは地下室のメリットでもあるのですが、一方では結露というデメリットの原因にもなります。

夏場地中で冷やされた地下室の壁に、暖かく湿った外気が当たると結露がおこります。

地下室の結露を防ぐには、除湿して湿度を下げる、熱交換型の換気扇を使用して取り入れる空気の温度を下げるなどの対策があります。

また、新築後数年はコンクリートからも室内に水分が発散されるので、ますます結露がおこりやすくなります。

新築後しばらくは、年間を通じて除湿が必要になるでしょう。

快適な地下室を造るには、防水・防湿工事はもちろんのこと、換気システムや内装など、十分な配慮が必要です。

▼地下室を検討している人は換気システムについても勉強しておこう。

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浸水の危険がある

ゲリラ豪雨などの異常気象により、都市部の浸水被害のニュースをよく目にするようになりました。

地下室があるとドライエリアに水が流れ込んだり、1階が浸水した場合に水が地下室に流れ込んだりして、被害が大きくなる可能性があります。

浸水の危険性が大きい地域では注意が必要です。

 

まとめ

地下室活用のポイントをご紹介しました。建築コストはかかりますが、土地が高くて狭い都市部の場合は、コストに見合うメリットがあるかもしれません。

敷地活用の切り札として、ぜひ検討してみてはいかがでしょう。

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