こんにちは!注文住宅業界歴6年、きのぴーです。
ファミリークローゼットとは
ファミリークローゼットとは、家族全員の洋服をしまうためのクローゼット(というか部屋)です。各部屋にあるクローゼットに自分の洋服をしまうのではなく、家族の服を1ヵ所にまとめてしまいます。
マイホームを検討している世代は、子育てをしている方が多く、最近では共働きの夫婦がほとんどです。
そのため、家事の時短や家事楽動線を意識した住宅がとても人気です。
ファミリークローゼットもそのトレンドを取り入れた間取りの1つです。
各部屋にクローゼットをつけた方は、住んでからこのような不満が出てきます。
ママの不満
- 洗濯物をたたんで各部屋に運ぶのが面倒くさい
- 子供たちが自分の部屋まで洗濯物を持って行かないので、リビングにどんどん洗濯物が溜まる
- 衣替えを一気にやりたいのに、各部屋ごとにやるのが面倒くさい
- 朝の洋服選びで子供の部屋と寝室を行き来するのが時間の無駄
ファミリークローゼットではこのような不満はすべて解消されます。
しかし、ファミリークローゼットの難しいポイントは広さです。
広さによっては使いづらくなってしまうことも。
今回はファミリークローゼットに必要な広さについてお伝えしていきます。
それとおまけでメリット・デメリットも解説します。
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ファミリークローゼットの広さは何帖が良い?
結論だけ言うと、3帖~7.5帖が良いです。
- どんな使い方をしたいのか?
- 何人分の衣類をしまうのか?
これらの要素によって、ちょうどいい広さは変化します。
詳しく解説していきます。
ファミリークローゼットの広さを決める上でのポイントは3つです。
広さを決めるポイント
- 洋服の量を考える
- ファミリークローゼットの使い方を考える
- 自分達に合ったファミリークローゼットを考える
詳しい解説をする前に、今回の前提条件(想定)をお伝えします。
想定①家族構成
夫婦+子供2人の4人家族です。お子様は小学校低学年と幼稚園生です。
想定②服の量
服の量は人それぞれだとは思いますが、今回は一般的な洋服の量で考えていきます。
- 女性 100着
- 男性 50着
- 子供 40着
ちなみに下着などの洗面所にしまうべき洋服は含みません。
想定③クローゼットの形
今回は横長の長方形のクローゼットをイメージしてください。
横長の長方形の右側の辺に出入り口があります。
そこから中に入ると両サイドに洋服が収納できるパイプがあります。
縦の長さを広くするとパイプとパイプの間が広くなり、空間にゆとりができます。また、横の長さを広くするとパイプの長さが増えますので、洋服をかけられる量が増えます。
①洋服の量を考える
想定する家族は夫婦2人と子供2人の4人です。
服の量を合計すると、100着(女性)+50着(男性)+80着(子供2人)=230着です。
230着の他にカバンや帽子などの小物を置くスペースも必要です。
230着全ての洋服をファミリークローゼットにしまう場合と、オフシーズンの服は別の場所にしまう場合を考えます。
洋服の量がわかると、ファミリークローゼットの横の長さが決まります。
全ての服をファミリークローゼットにしまう場合
必要な横の長さ 4,550mm
家族全員の全ての服(230着)をしまうためには大空間が必要です。
横の長さが4,550mmあると、ファミリークローゼットの両サイドには1,700mm程度のパイプが4本と70cmくらいの幅の小物を収納できる棚が付けられます。
1,700mm程度のパイプとは1帖の長辺と同じくらいの長さです。
1,700mmのパイプ1本にかけられる洋服の数は、夏服ですと70着、冬服ですと30着~50着です。
また、パイプを上下2段に取り付けることで、合計で60~140着の洋服をかけて収納することができます。
パイプ1本が2本になったら、かけられる服の量が倍になるってことですね。当たり前ですけど。(↓画像参照)
2本のパイプにはワンピースやロングコートをかけるために、1段だけパイプを取り付けます。
もう2本のパイプには、Tシャツや子供の服をたくさんかけられるようにパイプを2段にします。
そうすることでWIC内の収納量が増え、オールシーズン230着分すべての洋服をゆとりを持ってしまうことができます。
オフシーズンの洋服は別の場所にしまう
必要な横の長さ 2,730mm
季節外の服は各部屋のクローゼットや納戸などの別場所にしまい、ファミリークローゼットにはその時期に使う服だけをしまう場合です。
別の場所にしまうことで、ファミリークローゼットで広い空間を取らなくてもいいので間取りが作りやすくなります。
また、シーズンごとに衣替えをしますので、必要な服を精査して断捨離をする機会もできますのでおすすめです。
230着の服の中で3/5の140着程度をファミリークローゼットに収納するとします。
必要なパイプの本数は、夏場で2~3本、冬場で3~4本です。
横の長さを2,730mmにすると、両サイドに2本のパイプと小物の棚を作ることができます。
パイプを2段にしたり、コの字型に配置することによって4本分のパイプを設置することもできます。
服の量や長さを考えつつ、パイプの本数や位置を検討してください。
②ファミリークローゼットの使い方を考える
次にウォークインクローゼットの使い方について考えます。
考えてほしい使い方は次の3点です。
使い方によって、ファミリークローゼットの縦の長さが決まります。
①ファミリークローゼットは洋服をしまうだけ、着替えは別の場所
必要な縦の長さ 1,820mm
普通のクローゼットと同じで、ファミリークローゼットは洋服を収納するだけの空間の場合です。
着替えは別の場所でしますので、ファミリークローゼットでは1人が洋服を選ぶ空間があれば十分です。
この場合に必要な縦の長さは1820mmで、たたみ1帖の長辺の長さと同じです。
1,820mmとると、洋服と洋服の間に約70cmの間ができます。
一般的に人間の肩幅は40cm台ですので、洋服にぶつからずファミリークローゼットの中を歩き、洋服を選ぶことができます。
②ファミリークローゼットの中で着替えをする
必要な縦の長さ 2,275~2,730mm
ファミリークローゼットの中に鏡をつけて、そこで着替えたいという方もいると思います。
着替えをする場合、少なくとも1m角の寸法が必要です。
ゆとりを持って設計できる場合は、1.2m~1.5mの幅を取ることをおすすめします。
そのため、縦の長さは2,275~2,730mmがいいでしょう。
2,275mmの場合、服と服の間に約1.1mの幅が取れますので着替えがストレスになりません。
また、2,730mmの場合は約1.6mの幅が取れますので、ゆとりを持って着替えることができます。
③家族が同時に服を選ぶタイミングがある
必要な縦の長さ 2,275mm
朝の忙しいタイミングでは、家族が同時にファミリークローゼットで服を選ぶ可能性も高いです。
この場合、家族がすれ違えるだけの幅を確保する必要があります。
おとな2人がすれ違うのに必要な幅は、最低で80cmと言われています。
しかし、80cmではお互いに体の向きを縦やななめにしてすれ違わなければなりません。
お互いに体の向きを変えずにすれ違うためには、最低でも1.1mくらいの幅が必要です。
そのため、縦の長さを2,275mmにすると、ファミリークローゼット内でストレスなくすれ違うことができます。
③自分達に合ったファミリークローゼットを考える
①で横の長さ、②で縦の長さが決まったら、組み合わせて広さを決めます。
全ての服をしまう
横の長さ4,550mm×縦の長さ1,820mm
帖数 5帖
全ての服をしまい、中で着替える
横の長さ4,550mm×縦の長さ2,730mm(または2,275mm)
帖数 7.5帖(または6.25帖)
全ての服をしまい、中ですれ違える
横の長さ4,550mm×縦の長さ2,275mm
帖数 6.25帖
シーズン中の服だけしまう
横の長さ2,730mm×縦の長さ1,820mm
帖数 3帖
シーズン中の服だけしまい、中で着替えをする
横の長さ2,730mm×縦の長さ2,730mm(または2,275mm)
帖数 4.5帖(または3.75帖)
シーズン中の服だけしまい、中ですれ違える
横の長さ2,730mm×縦の長さ2,275mm
帖数 3.75帖
以上のことから、ファミリークローゼットに必要な広さは3帖以上ということがわかります。
ファミリークローゼットの形やパイプの配置によっては、7.5帖よりも空間を小さくして同じだけの収納量を確保することもできます。
ファミリークローゼットのメリット・デメリット
ファミリークローゼットのメリットとデメリットをお伝えします。
ファミリークローゼットのメリット
子供と一緒に準備ができる
ファミリークローゼットは家族の服が同じ空間にあるので、子供の服を選んでいるついでに自分の服を選ぶことができます。
朝のバタバタする時間帯に各部屋に行く必要がないので、時短につながります。
また、お子様が女の子だと、姉妹や母と娘で服を共有する場合もあります。
そのような場合もお互いの部屋に入る必要がないので、気兼ねなく服の貸し借りができます。
出掛ける準備の時短につながる
ファミリークローゼットをLDKや洗面所の近くにすることで、朝の準備の時短につながります。
なぜなら、朝の準備の行動範囲は洗面所とトイレとLDKくらいだからです。
しかし各部屋に洋服があると、わざわざ2階の自分の部屋まで服を取りに行かなければなりません。
ファミリークローゼットが洗面所やLDKの近くにあれば、すぐの服を取りに行けますのでその分時短につながります。
家族のモーニングルーティーンを思い返し、その動線上にファミリークローゼットを設置しましょう。
洗濯物を各部屋にしまう手間が減る
洗濯物をたたんだ後に、わざわざ2階の各部屋にしまいに行くことが面倒くさいという方も多いと思います。
また、たたんだ洗濯物を子供がなかなか自分の部屋にもっていかないので、どんどんリビングに洗濯物が溜まっていくという不満を持っている方も多いです。
ファミリークローゼットであれば、家族全員の服がまとめてしまえますので家事楽につながります。
アウターを脱ぎっぱなしにしなくなる
玄関とファミリークローゼットを近づけることで、アウターもすっきり片付きます。
寝室にクローゼットがある場合、毎日アウターをしまいに行くことが面倒になってしまう方もいると思います。
どうせ明日も着るからと、ソファに投げてしまったり、リビングの壁にかけてしまいがちです。
そうすると、リビングが汚く見えたり、食べ物の臭いがついたりすることがあります。
ファミリークローゼットを玄関のそばに設置すれば、帰ってきてファミリークローゼットでアウターを脱ぐという動線を作ることができます。
習慣にしてしまえば、アウターがリビングに持ち込まれることはなく、きれいなリビングを保ちやすいです。
ファミリークローゼットのデメリット
1階と2階の面積のバランスが悪くなる
ファミリークローゼットは1階に作ることで、より多くのメリットを生み出すことができます。
しかし、1階に3~7.5帖の空間をつくることで、2階との面積のバランス差が大きくなります。
すると、外観を作りにくかったり耐震性の低い建物になってしまう可能性もあります。
ファミリークローゼットを作るときは、設計士に使いやすさだけではなく、耐震面にも気を遣って設計してもらいましょう。
まとまったスペースの確保が必要
ファミリークローゼットはまとまったスペースが必要です。
家全体の面積があまり大きくない場合はファミリークローゼットを作ることで、他の空間を狭めてしまう可能性があります。
また、土地があまり大きくない場合、1階にファミリークローゼットと作りたくても作れない場合があります。
面積が大きくない家や狭小地の場合は、オフシーズンの服は2階の納戸にしまうなどの工夫をして、使いやすいファミリークローゼットを作りましょう。
子供が将来嫌がる可能性がある
子供が思春期になると、同じ場所に服をしまうことを嫌がる可能性があります。
そのような時のために、子供部屋にも最低限の大きさのクローゼットをつけることをおすすめします。
クローゼットがあれば洋服以外にも収納できますので、子供部屋に収納を買う必要もなく部屋がすっきりとします。
ファミリークローゼットを採用すべき家庭・必要のない家庭
では、どのような家庭にファミリークローゼットが必要かをお伝えします。
ファミリークローゼットを採用すべき家庭
日々の洗濯を奥様1人でしている
奥様がメインで家事をこなしている場合は、ファミリークローゼットをおすすめします。
家事の中でも洗濯は、洗う・干す・取り込む・たたむ・しまうと工程が多く時間がかかります。
そのため、負担に感じる奥様も多いです。
少しでも洗濯の負担を減らしたい場合は、ファミリークローゼットを採用しましょう。
ファミリークローゼットを作ることで、服をしまう工程がとても楽になります。
また、ハンガーにかけたまま収納できるように計画すればたたむ手間もなくなり、奥様の負担が大きく軽減します。
将来的に平屋のような使い方をしたい
2階建てを建てるが、将来1階のみを使って生活したいと考えている方もファミリークローゼットをおすすめします。
ファミリークローゼットを1階に設置することで、お子様がいる間は家族全員の服を収納することができます。
また、お子様が家を出たらファミリークローゼットにも余裕が生まれますので、2階で使っていた必要な物を余った空間にしまうこともできます。
ライフスタイルに合わせて使えることもファミリークローゼットの大きなメリットです。
ファミリークローゼットが必要ない家庭
服の量が標準より多い
服の量が極端に多く、減らせない場合はファミリークローゼットはおすすめしません。
服の量が多いとかなりのスペースを確保しなければなりません。
その分、ほかの居住スペースが圧迫される可能性があります。
また、服の量が多いと服に対するこだわりが強い方も多いです。
収納方法や収納場所でけんかにならないように、自分に服は各部屋で管理する方がいいでしょう。
お子様が中学生以上の家庭
子供が思春期の場合、自分の服を親と一緒に置きたがらない子もいます。
お子様が中学生以上の場合は自分で整理整頓ができますので、ファミリークローゼットでなくてもいいでしょう。
その代わり、リビングに洗濯物が溜まりにくいように、考えて工夫することが必要です。
ファミリークローゼットは便利!よく検討してみて
ファミリークローゼットは家族の人数や使い方によって、ベストな広さが変わってきます。
マイホームでファミリークローゼットを検討するときのポイントは2つです。
まず初めに、
①今のクローゼットに何着の服があるのかを確認しましょう。
今回は平均的な服の枚数に適した広さをお伝えしましたが、家族の服の量はその家庭によって全然違います。
洋服の数を確認すること、そして必要のない服は処分することが1つ目のポイントです。
そして、
②子供のことを考えて多少ゆとりを持った設計にすることです。
お子様が女の子の場合は、将来的に奥様と同じくらいの服の量を持つ可能性があります。
ぎゅうぎゅうに詰まったウォークインクローゼットでは服の出し入れがしづらいので、すこし余裕を残せるような広さを取りましょう。
自分に合った広さのファミリークローゼットを作って、家事楽な生活を送りましょう。