こんにちは!きのぴーです。
きれいな空気吸っていますか?
人間は一日に15kgもの空気を体に取り入れているといわれ、一生のうちに体に取り込む物質の57%が室内空気というデータもあります。
一方、飲み物は8%、食べ物は7%にすぎません。(*)
長時間を過ごす自宅の空気が汚かったら、住む人の体への影響はとても大きいのです。
室内の空気をきれいにするには換気が重要です。
住宅の換気システムは、「第1種換気」「第2種換気」「第3種換気」の3種類!その中でもおすすめの換気方法はズバリ「第3種換気」。
この記事では、それぞれの換気方法の特徴と「第3種換気」がおすすめの理由を詳しく解説します。
*「住まいと人体—工学的視点からー」村上周三/臨床環境医学第9巻第2号より
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どうして住宅に換気が必要なの?
換気システムについて説明する前に…
そもそも、どうして住宅に換気が必要なのでしょう?
「汚れた空気をきれいな空気と入れ替えるため」ですよね。
では、「汚れた空気」とはどんな空気でしょう?
空気の主な成分は窒素、酸素、水蒸気。
でもそれ以外にもさまざまなものが含まれています。
空気中に含まれる有害なものの割合が多いと「汚れた空気」といえます。
空気に含まれる汚染物質には、2つの種類があります。
1.【空気中に含まれる個体や液体の粒子】粉じん、ホコリ、ダニ、細菌、ウィルス、花粉、黄砂など
目には見えなくても空気中には様々な粒子が漂っています。
これらの粒子は、人間の体に吸い込まれると肺などの病気やアレルギーの原因になることもあります。
よくニュースなどでも目にする大気汚染物質PM2.5は、粒子の直径が2.5μm以下の大気汚染物質のことです。
2.【空気に混ざっている気体、ガス】一酸化炭素、二酸化炭素、窒素酸化物、硫黄酸化物、臭気、ホルムアルデヒドなど有害化学物質など
一酸化炭素、二酸化炭素、窒素酸化物は「燃焼」によって発生します。
ガスストーブや石油ファンヒーターなどの開放型燃焼器具(室内の空気を取り入れ、燃焼後の排ガスも室内に放出する燃焼器具)を使用すると増加します。
暖房器具だけではなくキッチンのガスコンロなどでも同様です。
いずれも一定以上の割合になると命を落とす危険があります。
石油や石炭などの化石燃料を燃やす場合には、喘息の原因にもなる硫黄酸化物も発生します。
また二酸化炭素は人間の呼吸によっても増加します。
たくさんの人がいる部屋で、頭痛がしたり気分が悪くなったりした経験がある人は多いと思いますが、これは室内の二酸化炭素濃度が上がったから。
建築基準法では、人が生活する居室の二酸化炭素の濃度を1000ppm以下にすることが定められていますが、大人2人が換気していない8畳の部屋にいると、一時間で1000ppmを超えてしまうというデータがあります。
ちなみに、屋外の二酸化炭素濃度はおよそ300~450ppmです。
住宅内には臭気の発生源もたくさんあります。
人間の体臭、ペット、排泄、調理などの家事でも臭気が発生しています。
ホルムアルデヒドなどの有害化学物質は、建材への使用を規制する法律ができたため、以前よりは少なくなりました。
しかし家具や殺虫剤、衣類防虫剤などに含まれる成分もあるので注意が必要です。
空気が汚れる原因は、家の中にも外にもこんなにたくさんあるのです!
「うちは全室に空気清浄機があるから大丈夫!」と安心してはいけません。
空気清浄機があっても換気は必要です。
空気清浄機で取り除けるのは主に粒子と臭気。
増加した一酸化炭素や二酸化炭素を減らす働きはありません。
また、「花粉や大気汚染物質が室内に入ってきてしまうから」と給気口をふさいでしまうのも間違いです。
給気口をふさいだまま換気扇を回しても、ほとんど換気はできていません。
確かに給気口から外気を取り入れれば、外気に含まれる汚染物質は室内に入ってきます。
しかし給気口をふさいでも、人の出入りなどで花粉などが室内に入ることは防げません。
入ってきてしまった外からの汚染物質と、室内で発生する二酸化炭素などの汚染物質は換気しないと、どんどん室内に溜まっていきます。
給気口にフィルターをつければ、ある程度は屋外の汚染物質の流入を防げるので、花粉の季節でもきちんと換気をした方がいいのです。
さらに換気には「汚れた空気をきれいな空気と入れ替えるため」以外に、もう一つの目的があります。それは湿度のコントロール。
室内の湿度が上がりすぎると結露やカビなどの原因になります。住む人の健康だけでなく家を長持ちさせるためにも換気が必要です。
ちなみに今の住宅は法律で換気が義務づけられています。
昔はすき間だらけだった日本の住宅も少しずつ気密性がアップし、建材から発生するホルムアルデヒドなどの有害物質が原因で引きおこされる「シックハウス症候群」が問題になりました。
この対策のひとつが24時間の「全体換気」です。
法律で定められた必要換気回数は建物全体で1時間あたり0.5回以上。
これは2時間で家全体の空気が1回入れ替わる換気量になります。
この全体換気とは別に、湿気や臭いが発生するキッチン、トイレ、お風呂では、速やかに換気を行うための「局所換気」が必要です。
3種類の換気システムの特徴
換気には「自然換気」と「機械換気」があります。
自然換気は温度差や風の力を利用して行う換気です。最も一般的なのは「窓を開けること」。
一方、機械換気は換気扇などの機械を使って行う計画的な換気のことです。
機械換気は給気と排気のどちらに機械を使うかで、3種類に分かれます。
第1種換気:機械給気・機械排気
第2種換気:機械給気・自然排気
第3種換気:自然給気・機械排気
それでは、それぞれの特徴やメリット・デメリットを見てみましょう。
【第1種換気】
給気、排気ともに換気扇を使います。
最も換気のコントロールがしやすい方法ですが、計画通りの換気を行うためにはある程度の気密性が必要。
高気密高断熱住宅向きの方法です。
第1種換気では、一箇所で集中的に取り入れた空気をダクトで各室に給気します。
排気は、廊下の天井などに設けた排気口まで空気の流れを作って排気する方式と、部屋ごとに排気口を設けてダクトで一箇所に集めて排気する方式があります。
どちらもダクトを使用するので、天井裏にダクト用のスペースを確保する必要があります。
第1種換気のメリットは熱交換型換気扇が使用できること。
熱交換型換気扇は、排気と給気の間で熱交換を行い、冬であれば外気より暖かい空気、夏であれば外気より冷たい空気を給気できる換気扇です。
冬に給気口の近くで寒さを感じることもなくなり、快適で省エネ効果があります。
また、外気の取り入れは一箇所に集中させて行うので、そこに高性能のフィルターを設置すれば、屋外の花粉などの汚染物質が室内に入りにくいというメリットもあります。
デメリットは高性能の大型換気扇やダクトを使用するため、設置コストが高いこと。
またダクト内の清掃は自分では不可能なため、数年に一度は専門業者に清掃をお願いしなければならないなど、メンテナンスに手間や費用がかかるのもデメリットです。
【第2種換気】
給気のみ機械で行います。
この方法では室内の気圧が外より高くなるので、ドアを開けても外気が室内に入ってこないという特徴があり、無菌室や手術室などのクリーンルームで用いられます。
住宅ではまず使われません。
【第3種換気】
第3種換気はシンプルで設置コストが安く済み、メンテナンスが容易なため、住宅では最も多く行われている方法です。
給気は各部屋の壁に取り付けた給気口から自然に行い、排気には換気扇を使います。
排気はダクトを使わず、家の1〜2箇所に取り付けた換気扇まで空気の流れを作って行う場合と、各部屋の天井に排気口を取り付け、排気だけダクトを使って集中的に行う場合があります。
コストやメンテナンス性重視ならダクトなし、家中すみずみまで換気したければダクトを使用したシステムがおすすめです。
第3種換気では室内は外気より圧力が低くなる「負圧」の状態になるため、室内の空気が壁の中に入り込みにくく、壁内結露がおきにくいのもメリットです。
壁内結露とは、湿った空気が壁の中に入り込み、壁の中で結露すること。カビや木材の腐食の原因になり、家の寿命を縮めます。
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一方、自然給気だと、給気口からは冬は寒気、夏は熱気が入ってきて室内に温度差ができたり、冷暖房の負荷が増えたりするのがデメリットです。
おすすめは何といっても「第3種換気」
第1種から第3種までの3種類の換気方法のうち、住宅におすすめなのは何といっても「第3種換気」です。
その理由をまとめてみましょう。
【第3種換気がおすすめの理由】
イニシャルコストが安い
給気にも排気にも換気扇を使い、必ずダクトを使用する第1種換気と比べると、設置コストが安く済みます。
ダクトを使わずに壁付けの換気扇から排気する方式の第3種換気であれば、一般的な住宅ならせいぜい数万円のコストです。
一方、第1種換気なら最低でも数十万は必要です。
メンテナンスがしやすい
第3種換気はシンプルで機械の利用が最小限なので、器具の故障や交換などのメンテナンスも少なくて済みます。
第1種換気は必ずダクトを使用しますが、ダクト内の清掃は自分ではできないため、数年に一度はクリーニングを業者に依頼する必要があります。
さらに天井裏にあるダクトが壊れたりすれば、その修理や交換も大変です。
給気にダクトを使わないので安心
第3種換気では、ダクトを使用する場合でも排気にしか使いません。
第1換気では集中的に給気を行い、給気にもダクトを使用するので、万が一給気の換気扇の内部やフィルターにカビが発生したり、ダクト内部がひどく汚れたりした場合には、汚染された空気が全室に給気されてしまいます。
メンテナンスや清掃が十分にできなかった場合のリスクは、第1種換気の方が大きいといえるでしょう。
まとめ
換気システムの種類と第3種換気がおすすめの理由、いかがでしたか?
キッチンやお風呂と比べて、換気システムはちょっと地味な設備ですが、実はとっても重要!
きれいな空気がないと人間は生きていけません。
メリット・デメリットを理解して賢く選びましょう。