みなさん、こんにちは!きのぴーです。
我が家は朝は納豆が欠かせません。
さて、今回は家を建てる際の敷地を最大活用するためのお話しです。
「敷地にどれくらいの広さの建物が建てられるか」を示す容積率の制限。
容積率がネックで、狭い家しか建てられない! とお悩みのあなたへ。
容積率に算入しなくてもいい床面積があるのをご存知ですか?
この「容積率不算入」を上手に利用して、実際に使える床面積を増やすテクニックをご紹介します。
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容積率不算入ってなに?
はじめに容積率のおさらいです。
容積率とは、敷地面積に対する延べ床面積の割合。その敷地にどれくらいの広さの建物が建てられるかを示す指標です。
延べ床面積とは各階の床面積の合計。 床面積とは、外壁または柱に囲まれた床の面積です。敷地の地域や、前面道路の幅によって決められた容積率以上の建物は建てることができません。
計算式の一例
容積率(%)=延べ床面積 / 敷地面積 ×100
建築可能な延べ床面積=敷地面積×容積率
例:面積100㎡、容積率80%の敷地場合
100㎡×0.8=80㎡
延べ床面積80㎡まで建築可能!
そこで、本題の容積率不算入ですが、実は2通りあります。
- 地下室や駐車場などの面積を一定の割合まで、容積率に算入しなくていいという、容積率の緩和規定の対象となるもの。
- 小屋裏利用収納など、一定の条件のもとで、床面積に算入しなくてもいいと定められているもの。
上記2パターンは床面積に含まれません!!
つまり、容積率にも算入されません。
注意したい点としては、ここで言う床面積とは、あくまでも建築基準法上の床面積。
工事費を算出するための施工面積や、固定資産税算出のベースとなる面積とは異なります。
容積率不算入でも、工事費まで安くなるわけではないのでご注意を!
また、敷地によって定められているもうひとつの指標、建ぺい率。
容積率が緩和されても、建ぺい率には含まれる場合もあります。別にチェックが必要です。
容積率不算入を利用して床面積を増やす方法
それでは、具体的に容積率不算入の対象をみていきましょう!
地下室
地下室は住宅として使用する延べ床面積の1/3を限度に、容積率不算入にできます。
「住宅として使用する延べ床面積」には、地下室自体の面積も含まれます。
1階、2階が同じ広さの2階建ての場合、各階と同じ広さの地下室が、容積率に影響なく作れます。
例えば、1階、2階がそれぞれ40㎡だとすると、地下室も40㎡まで不算入。
1階、2階の床面積が違う場合もみてみましょう。
例:1階50㎡、2階35㎡、地下室50㎡、延べ床面積135㎡の場合
135㎡×1/3=45㎡
容積率算定床面積 135-45=90㎡
この場合、地下室は45㎡まで容積率不算入。
ただし、容積率不算入にできる地下室には条件があります。
【容積率不算入の地下室の条件】
- 地階※であるもの
- 天井が地盤面から1m以内にあるもの
- 住宅用途に供されるもの
※建築基準法の地階とは…
床が地盤面より下にあり、床面から地盤面までの高さが、その階の床から天井高さの1/3以上あるもの
地階の定義はちょっとわかりにくいですね。
敷地に傾斜がない場合、ざっくりいうと1/3以上、地下に埋まっていれば地階ということ。
天井高さ2.4mなら地中に0.8m以上埋まっていれば地階なのです。
ただし、容積不算入の場合は、天井が地盤面から1m以下という条件が追加されます。
敷地に傾斜がない場合、天井高さ2.4mであれば、地中に1.4m以上埋める必要があります。
容積率不算入の「地下室」は何に利用できる?
住宅用途に供するものということは、駐車場以外の用途なら、ほぼ何にでも使えます。
地下室は比較的温度が安定しているので、食品庫やワインセラーなどにも向いています。
採光をそこまで重視しない浴室、洗面などの水廻りを設けるのもいいでしょう。
地下室をリビングや寝室などの居室にすることもできます。
地下室の遮音性の高さを利用して、楽器を演奏する部屋やオーディオルーム、カラオケルームなどを作るのもいいですね。
ただし、地下室を居室として使う場合は「衛生上支障がないこと」という条件が付き、採光、換気、避難路、防湿、排水などの基準があります。
【地下室を居室に使用するための主な条件】
- ドライエリア(からぼり)を設けるなどして採光・換気をおこなう
- 換気、調湿の設備を設ける
- 防水措置をおこなう
ドライエリアとは、地下室の屋外側の土を掘って、お堀のようにしたスペース。
そこに面して地下室の窓を設けます。
グリーンなどを置けば、ちょっとした坪庭のように演出することもできます。
採光・換気については、1m以内なら、地下室の天井を地上に出していいという規定を利用する方法も。
地上に出ている部分に十分窓を設けられれば、ドライエリアを造らないで済む場合もあります。
地下室は地上階に比べて、かなり建築費がかかります。
面積は増えたけど予算オーバー……ということにならないように、必要度を見極めましょう。
また水害が予測される場所などの場合、地下室は浸水リスクが高くなります。
地形や地域の特性に十分注意してください。
駐車場・駐輪場
駐車場も容積率が緩和になります。
でも、そもそも駐車場は床面積に算入されるの?…と思った方もいるのでは。
住宅と別棟の駐車場でも、屋根と柱か壁がある形状であれば床面積に算入されます。
全くの屋根なし、青空駐車場であれば上限なしで床面積には含みません。
駐車場は、駐車場を含む延べ床面積の1/5を上限に容積率不算入になります。
合計延べ床面積120㎡×1/5=24㎡
容積率を算定する延べ床面積は100㎡でOK!
一台分のガレージの一般的な広さは20〜30㎡ぐらい。
住宅部分の延べ床面積100㎡以上の家で、車一台分なら、ほぼ容積率不算入でいけます。
家と一体の車庫、インナーガレージ(ビルトインガレージ)の場合も同様です。
自転車やオートバイの駐輪場も緩和対象になります。
※駐車場・駐輪場の緩和規定は、建ぺい率には適用されませんので、ご注意ください。
地下室と駐車場・駐輪場を両方設ける場合
地下室と駐車場の容積率不算入は一緒に使えます。
敷地に駐車場を設けるスペースがなく、1階にビルトインガレージを造る場合などは、部屋の一部を地下室にすることで、必要な床面積が確保できる場合があります。
ひとつ例をあげておきましょう。
下記の場合
1階:住宅部分20㎡+ビルトインガレージ30㎡=50㎡
2階:50㎡ 地下室50㎡ 延べ床面積150㎡
地下室の容積率不算入の計算
住宅部分の延べ床面積 20+5+50=120㎡
120㎡×1/3=40㎡→地下室の容積率不算入の上限
駐車場の容積率不算入の計算
150㎡×1/5=30㎡→駐車場の容積率不算入の上限
容積率算定床面積150—40−30=80㎡
この場合、なんと70㎡分容積率不算入に!
駐車場はすべて容積率不算入、地下室は10㎡オーバーしているのでその分は算入になります。
注意したいのは、地下室の計算に使う延べ床面積は、住宅部分の合計ということ。
駐車場は含まれません。
小屋裏物置等
小屋裏、天井裏、床下等の余剰空間を利用して設ける物置の総称を、「小屋裏物置等」といいます。
小屋裏利用の収納スペースは「グルニエ」と呼んだりしますね。
屋根裏だけではなく、1階床下利用や、1階の天井裏と2階の床下を利用して、1階2階の間のスペースに設ける物置も対象です。
また、階の一部にロフト状に設けるものも対象になります。
寝室のベッドスペースの上にロフトを作って収納に使うなどが考えられます。
小屋裏物置等は一定の条件を満たせば、床面積不算入。
よって容積率にも算入されません。
さらに階にもみなされません。
「階にみなされない」とは?
これは重要です。
住宅の場合、2階建てと3階建ての法規制の差は大きい!
3階建ての規制は厳しく、建築コストも上がります。
物置を設けたために、3階建てと見なされたら、割に合いません。
次に、小屋裏物置等が床面積に算入されないための項目を見ていきましょう。
小屋裏物置等が床面積、階に算入されないための主な条件
- 天井高さ1.4m以下
- 小屋裏物置等の面積が、接する階の面積の1/2未満
- 物置、収納としての利用に限る
- 階の中間にロフト状に設ける場合、その小屋裏物置等の部分の下の居室天井高さは2.1m以上とする
- 居住スペースに転用できない仕様(細かく規定あり)
天井高さは一番高いところが1.4mを超えないように。
平均の天井高さではないので注意が必要です。
居室に使ってはいけないという意味から、大人が立って歩けない寸法設定になっています。
例えば、2階の床面積が30㎡の場合は15㎡未満の小屋裏収納が設置できます。
1階と2階の中間に設ける場合は1階、2階それぞれの床面積の1/2未満にする必要があります。
面積がオーバーした場合は、小屋裏物置等に該当しなくなり、すべての面積が床面積に算入されます。
面積がオーバーした分を容積率に算入すれば良かった、地下室や駐車場とは異なります。
屋根裏部屋は、お子さんが遊びたがったり、お父さんが書斎にしたがったりしそうですが、あくまでも物置です。
また地域によって独自の規定があることも多いので、確認が必要です。
地下室、駐車場の容積率緩和とも併用が可能です。
小屋裏物置等の面積は床面積には算入しないので、地下室や駐車場の緩和面積の算出のときも、延べ床面積には算入できません。
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床面積を増やすヒント 小ワザ編
ここからは、直接的に床面積を増やすテクニックではありません。
間接的に有効に使える床面積を増やしたり、面積を広く感じさせたりすることができる、ヒントをご紹介します。
ベランダ・バルコニーは2m以下
広いバルコニーがあるとお部屋が広く感じます。
アウトドアリビング的に活用することもできますね。
バルコニーは屋外空間なので、床面積に算入されません。
ただし、一定以上の大きさで、庇が付いているバルコニーは床面積に算入されてしまいます。
容積率に影響しないバルコニーは、外壁から突出する寸法が2m以下と覚えておきましょう。
2mを超えると、超える部分が床面積に算入されます。
また、手すりの高さなどにも規制があります。
高い手すりなどで、室内のように囲ってしまうと全体が床面積に算入されるので注意してください。
庇のかかっていないバルコニーやウッドデッキは通常、床面積不算入です。
容積率不算入の吹抜けをうまく利用する
床がなければ、延べ床面積には含まれないので、吹抜けは容積率不算入です。
2階の床の一部を吹き抜けにすれば、建物の大きさは変えずに、容積率を減らすことができます。
床面積が増えるわけではありませんが、開放感のある空間が造ることができます。
地下室がある場合は、1階の床の一部を吹抜けにすれば、地下室の採光などに役立ちます。
ただし吹抜けは、暖かい空気が上に抜けやすい、上下階で音が伝わりやすいなどの注意点もあります。
空調や間取りの検討をお忘れなく!
デッドスペースを囲って不算入に
デッドスペースを完全に壁で囲って、人が入れない状態にしてしまえば、床面積には不算入になります。
例えば、階段下部分。
高さが低くて収納にも利用しにくい部分などは壁で囲ってしまえば、1階の床面積には不算入に。
(階段面積は2階の床面積に算入されます。)
床面積が増えるわけではないですが、使えないデッドスペースは囲ってしまえば、ほかの部分でその分スペースを増やすことはできるというわけです。
出窓があると部屋が広く感じる
出窓があると窓が外に付いている分、空間がちょっと広く感じます。
出窓も一定の条件を満たせば、床面積には算入されません。
床面積に算定されない出窓の条件
- 外壁からの水平寸法(出窓のでっぱり寸法)が50cm未満
- 室内側の出窓の下端が床から30cm以上
- 出窓部分見付面積の1/2以上が窓
ただし、以下のものは出窓と見なされませんので、床面積に算入されます。
【出窓と見なされないもの】
× 出窓の下に、地袋などの収納を設けてある
× 出窓の天井が、室内の天井以上の高さになっている
× 出窓部分の上部が外壁と連続している(下屋になっていない)
まとめ
床面積を増やす間取りの裏ワザ、いかがでしたか?
裏ワザと言っても、容積率不算入は公に認められた緩和規定です。
正々堂々と活用して、ちょっとでも広い家を手にいれてくださいね!