家の遮熱性や断熱性を考える時に、絶対に見逃してはいけないポイントが、窓です。
窓というのはそれなりに大きな面積がありますので、いくら屋根や壁の断熱性能が良くても、窓がダメだったら全て台無しになってしまうのです。
なので、注文住宅を建てようと思ったら、どんな窓を選ぶかも非常に重要な要素になってきます。
そして、そんな窓を選ぶ際に、採用の有力候補に上がってくる窓が「low-eガラス」です。low-eガラスは遮熱性や断熱性が高い窓なので、窓の選択肢としては非常に魅力的なのですね。
しかし、どれだけ良いと言われていても、実際に採用しようと思ったらデメリットはないのかどうかも気になります。
そこで今回は、low-eガラスの後悔ポイント6選を詳しくお伝えしていきたいと思います。
合わせて、low-eガラスのメリットやlow-eガラスが合う人の特徴についてもお話ししていますので、low-eガラスを検討中の方はぜひ参考にされてください。
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low-eガラスってなに?
まずは、low-eガラスがどのようなものか簡単に解説します。
low-eガラスは、ガラス表面に薄い金属膜(low-e膜)をコーティングすることで、遮熱性・断熱性を高めたガラスのことです。
low-eは「Low Emissivity」という英語の略で、低放射性という意味です。
そしてlow-eガラスは大きく分けて2種類あって、遮熱タイプと断熱タイプというものがあります。
ポイント
low-eガラスはペアガラスのように外窓と内窓の2層構造になっているのですが、遮熱タイプの場合は外窓の中空層側にlow-e膜がコーティングされていて、断熱タイプの場合は内窓の中空層側にlow-e膜がコーティングされています。また、機能としてはどちらもペアガラスのように2層構造になっていて、さらには熱の伝わりも抑えてくれるlow-e膜がコーティングされているので、遮熱タイプ・断熱タイプともに断熱性は優れています。
その上で、遮熱タイプは外からの日射エネルギーを遮ることができる仕様になっているので夏に適した窓に、反対に断熱タイプは外からの日射エネルギーをしっかりと室内に取り入れることができる仕様になっているので、冬に適した窓になります。
このような優れた窓でありながら、価格に関しても十分に手が届く範囲で収まるので、近年では新築注文住宅の8割に採用されるほど普及率が高くなっている窓となっています。
low-eガラスの後悔ポイント6選
この章では、low-eガラスの後悔ポイント6選をお伝えしていきます。
非常に優れた特性を持っているlow-eガラスではあるのですが、下記のような後悔ポイントがありますので、採用の際には注意してください。
low-eガラスの後悔ポイント6選①価格が高くて初期費用が上がる
low-eガラスは価格面でも十分に手が届く範囲で収まりますが、それでもやはり普通のペアガラスよりは高いです。
値段はガラスのサイズによっても変わりますが、普通のペアガラスの値段は10,000円〜30,000円くらいが相場で、low-eガラスになると20,000円〜60,000円くらいが相場になります。
このように、low-eガラスを採用すると、普通のペアガラスの倍くらいの費用が掛かります。
注意
これぐらいの金額であれば払えないということは無いと思うのですが、注文住宅はこういったオプション費用が積み重なってトータルが思わぬ金額になってしまったということが良くあります。
そうなるとローンの支払い金額が上がって入居後の生活が苦しくなるので、後悔する原因になるのですね。
low-eガラスの後悔ポイント6選②断熱タイプを採用した部屋の夏が暑い
断熱タイプの窓は冬にメリットがあるように作られているので、外からの日射エネルギーはしっかりと取り込んで、部屋の熱は逃がさないという特徴があります。
しかし、この特徴な夏にはデメリットになってしまいます。
夏は日射エネルギーがガンガンに部屋に入って部屋が暑くなりやすい上に、その暑くなった熱を部屋に閉じ込めてしまうので、断熱タイプを採用した部屋の夏がとても暑くなってしまうのです。
特に南から西にかけて、午後の西日が当たる部屋は夏にとても暑くなるので、そのような部屋に断熱タイプを採用してしまうと夏に後悔する原因になります。
low-eガラスの後悔ポイント6選③遮熱タイプを採用したら、冬の日光のポカポカが得られなくなった
遮熱タイプの窓は夏にメリットがあるように作られているので、外からの日射エネルギーをなるべく遮って、部屋の中に入れないという特徴があります。
しかし、この特徴は冬にはデメリットになってしまいます。
注意
せっかく日光の中にある日射エネルギーを遮ってしまうので、冬の日光のポカポカが得られなくなってしまうのです。
晴れた日の冬の窓際に行くと、日光が当たってポカポカして気持ちが良いはずなのですが、遮熱タイプの窓の側だとそのポカポカを感じることができなくなってしまいます。
人間にとって日光によるポカポカは非常に気持ち良いものなので、それが無くなったら後悔の原因になるのですね。
low-eガラスの後悔ポイント6選④軒先で日を遮っていたので、夏の遮熱は必要なかった
日本は中緯度にあり夏と冬で太陽の角度が変わるので、夏はより角度の高い位置から、冬はより角度の低い位置から日光が差し込んできます。
ポイント
この特性を利用して、屋根の軒先の長さを調整し夏は日差しを遮って、冬は日差しを取り入れるという家の作り方を、自然調和型のハウスメーカーはよくやっています(住友林業など)。
そのような場合は夏は軒先で日差しを遮ってくれるので、窓まで日差しが届きません。
そのため、「夏は窓まで日差しが届かないのに、そこに遮熱タイプのlow-eガラス付けてしまった」という後悔事例が発生しています。
このようにせっかくの遮熱性能が全く活かせない場所に採用すると後悔してしまうので、その部屋の窓として適しているのかどうか採用の前に良く考えましょう。
low-eガラスの後悔ポイント6選⑤low-eガラスでも、暑さ寒さを完全に防げる訳ではない
low-eガラスの説明を見てみると、とても良さそうなことが書かれているので、暑さも寒さも完全に防いでくれるような気がしてきます。
しかし、low-eガラスはそうは言っても単なる窓で空調機能までは持ち合わせていないので、暑さ寒さを完全に防いでくれる訳ではありません。
もちろん普通の窓に比べたら断然low-eガラスの方が暑さ寒さを防いではくれるのですが、例えlow-eガラスを採用しても、夏は冷房・冬は暖房が必要になることに変わりはありません。
このようにlow-eガラスに過度な期待をしてしまっていると、「結局はやっぱり空調が必要なんだ。」と感じてしまい、後悔する原因になってしまいます。
low-eガラスの後悔ポイント6選⑥ガラスの色味が気になってしまう
low-eガラスはガラス表面にlow-e膜という薄い金属膜がコーティングされているので、それが原因で無色透明ではなくわずかに青や緑などの色味がついているものがあります。
その色味が自分が気になるほどであれば後悔の原因になってしまうので、採用の前にはできるだけ実物を見て、色味がどのくらいついているのかも確認するようにしたいです。
low-eガラスのメリットまとめ
この章では、low-eガラスのメリットをお伝えしていきます。
もしlow-eガラスを採用したら、下記のような嬉しいメリットが得られます。
low-eガラスのメリットまとめ①光熱費の節約につながる
low-eガラスは断熱性が高いので、家の内外の熱の移動をかなり抑えることができます。
家の中で最も熱損失をしやすい場所が窓なので、窓の性能が高いと家全体の断熱性がグッと上がります。
このような家であれば、夏は冷房・冬は暖房で空調した部屋の中の空気の熱が外に逃げていかないので、空調に掛かるエネルギーが少なくて済みます。
そうすると電気代などの光熱費の節約に繋がりますので、ランニングコストを抑えながら快適な暮らし続けていくことが可能になります。
low-eガラスのメリットまとめ②紫外線も遮ってくれる(遮熱タイプ)
遮熱タイプのlow-eガラスは、日射エネルギーと共に紫外線も一緒に遮ってくれます。
ポイント
もし家の中に紫外線が入ってきたら、床や家具の傷みの原因にもなりますし、健康にもあまり良くありません。でも、遮熱タイプのlow-eガラスは紫外線も遮ってくれるので、紫外線による心配ごとも軽減してくれます。
特に日焼けしたくない女性にとって紫外線は大敵ですから、紫外線カットは大きなメリットになりますね。
low-eガラスのメリットまとめ③結露が発生しにくい
窓の断熱性が高いことの嬉しいポイントの一つに、結露の発生がしにくくなることもあります。
結露というのは家の外の寒さが窓を通して家の中に伝わった時に発生するのですが、low-eガラスは断熱性が非常に高くて外の寒さが伝わりにくいので、なかなか結露が発生しないのですね。
もし結露が発生してしまったら、カビの発生や床の傷みにもつながってしまいますので、結露が発生しにくいのはありがたいですね。
low-eガラスのメリットまとめ④防犯性が高い
low-eガラスは外窓と内窓の2層構造になっているのですが、これは防犯性の向上にも繋がります。
注意
空き巣が部屋に入る際には、窓を割って窓の鍵を開けてから入るというパターンが多いですが、窓が1枚だと窓が割りやすいので空き巣に狙われやすくなるのです。
しかし、2層構造になっているlow-eガラスであれば窓を割るのも一苦労ですので、空き巣に狙われにくい家にすることにも繋がるのですね。
low-eガラスを採用するべきなのはどんな人?
最後の章では、low-eガラスを採用するべきなのはどんな人なのかについて説明していきます。
もしあなたが下記のような特徴に当てはまっていたら、low-eガラスがピッタリです。
- 省エネを重視した家を建てたい人
- 光熱費を抑えた生活をしたい人
- 地球環境への意識が高い人
- 断熱効果によって室内を快適な空間に保ちたい人
- 紫外線カット効果で、家具や内装を長持ちさせたい人
- 夏の暑さや冬の寒さが厳しい場所に住んでる人
- 結露の発生をなるべく抑えたい人
このような特徴を持っている人がlow-eガラスがピッタリなのですが、注文住宅を建てようと思っている人であれば、だいたいの人が当てはまっていますよね。新築注文住宅の8割にlow-eガラスが採用されているのも、納得です。
きっとあなたもこの特徴に当てはまっていると思いますので、費用面さえ問題なければ、積極的に採用する方向で検討しても良いのではないかなと思います。
まとめ
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本記事のまとめです。
low-eガラスってなに?
ガラス表面に薄い金属膜(low-e膜)をコーティングすることで、遮熱性・断熱性を高めたガラスのこと。遮熱タイプと断熱タイプの2種類がある。
low-eガラスの後悔ポイント6選
- ①価格が高くて初期費用が上がる
- ②断熱タイプを採用した部屋の夏が暑い
- ③遮熱タイプを採用したら、冬の日光のポカポカが得られなくなった
- ④軒先で日を遮っていたので、夏の遮熱は必要なかった
- ⑤low-eガラスでも、暑さ寒さを完全に防げる訳ではない
- ⑥ガラスの色味が気になってしまう
low-eガラスのメリットまとめ
- 光熱費の節約につながる
- 紫外線も遮ってくれる(遮熱タイプ)
- 結露が発生しにくい
- 防犯性が高い
low-eガラスを採用するべき人の特徴
注文住宅を建てようと思っている人は、ほぼlow-eガラスを採用すべき人の特徴に当てはまるので、費用面さえ問題なければ積極的に採用を検討しても良い。
low-eガラスは非常に優れている窓なのでたくさんの人が使っているのですが、遮熱タイプと断熱タイプのどちらにするかを間違えると後悔ポイントになりやすいです。
そのため、その部屋の向きや日差しの入り方を良く考えながら、その部屋に適したlow-eガラスを選んでいけるようにしたいですね。