- 3つの屋根形状の違いが知りたい!
- どの屋根形状が人気なの?
外観デザインを左右するポイントの1つに屋根形状があります。
屋根の形を少し変えるだけでも外観のテイストは大きく変わりますよね。
しかし、屋根形状をデザイン性だけで判断するのは危険です!
それぞれにデメリットがあるので、マイホームに合った屋根形状を選ぶ必要があります。
今回は次の3つの屋根形状について考えていきます。
主流の屋根形状は3種類
- 切妻(きりつま):よく見かける三角屋根。頂点に棟があり、そこから2方向へ屋根が流れる。
- 寄棟(よせむね):4つの面で形成されている屋根。
- 片流れ(かたながれ):大きな1つの面が1方向に流れている屋根。
では様々な項目で比較していきましょう!
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切妻・寄棟・片流れの屋根形状徹底比較!
では、比較結果を紹介していきます。
比較項目
- 初期費用
- デザイン性
- 雨漏りのしにくさ
- 耐久性
- 雨どいがつく量
- 外壁の痛みの少なさ
- 小屋裏空間の作りやすさ
- 太陽光の搭載量
- 窓が施工できる位置
比較①初期費用
1位 切妻
2位 片流れ
3位 寄棟
屋根の形状によって屋根材の量や施工の手間が異なるため、初期費用にも違いがあります。
1位 切妻
切妻はシンプルな三角屋根なので屋根部材の使用量も少なく、部材のロスも出にくい形状です。
施工も楽なので、1番安価に仕上げられるでしょう。
2位 片流れ
屋根部材の使用量は片流れ屋根が1番少ないです。
しかし、外壁の面積が広くなってしまうので、同じ面積で施工すると切妻屋根の方が安くなるケースが多いです。
3位 寄棟
寄棟は4面に分かれているため、屋根の部材量が1番多いです。
また、2つの屋根に比べて施工も複雑なので、施工の手間もかかります。
ただし、外壁の面積は少なくなるため、高い外壁材を選ぶ場合にはお得に施工できることもあります。
比較②デザイン性
デザイン性の好みは人それぞれ!
外観のテイストによっておすすめな屋根形状は異なります。
片流れが合う建物
片流れはスタイリッシュなイメージです。
次のようなテイストの建物がマッチするでしょう。
- モダン
- 和モダン
- シンプル
切妻が合う建物
切妻屋根はどんなテイストの外観にも合いやすい屋根形状です。
中でも次のようなテイストをおすすめします。
- 南欧風
- アメリカン
- 和風
寄棟が合う建物
寄棟も様々なテイストに合う屋根形状です。
特におすすめなテイストを紹介します。
- 和風
- 和モダン
比較③雨漏りのしにくさ
1位 切妻
2位 寄棟
3位 片流れ
屋根形状によっては、雨漏りがしやすくなることもあります。
1位 切妻
切妻は屋根の頂上に棟があるだけのシンプルなつくりなので、接合部が少なく雨漏りがしにくいです。
また2方向に雨水が流れ落ちるため、効率よく地面に流すことができます。
2位 寄棟
寄棟は4方向に雨水が流れるため、切妻よりも効率的に雨水を処理できます。
しかし、切妻よりも屋根同士の接合部が多いため、施工技術や経年劣化によって雨漏りが起こることがあります。
また、寄棟を組み合わせた屋根だと「谷」と呼ばれる凹みが屋根にできてしまいます。
「谷」のある屋根はは雨漏りがしやすいため、頻繁なメンテナンスや補修を行った方がいいでしょう。
3位 片流れ
片流れは1枚屋根で雨樋が1方向にしかないため、雨水がきれいに流れにくい屋根形状です。
形状自体は単純なので屋根面から雨漏りすることはほとんどありません。
しかし、雨樋が雨水を受け止めきれないと破損してしまい、流れきらなかった雨水が屋根の内部に入る可能性が高まります。
また、野地板と破風板の境目から雨水が伝わって建物内に侵入する場合や、軒天と外壁の取り合いから雨漏りする場合も多いです。
比較④耐久性
1位 寄棟
2位 切妻
3位 片流れ
屋根の形状は建物の耐久性にもかかわってきます。
1位 寄棟
寄棟は面が1番多い屋根形状なので、雨や雪の力を分散させることができます。
そのため、屋根自体が傷みにくく耐久性が高いです。
2位 切妻
切妻屋根も2面で風・雨・雪などを受け止めることができます。
そのため寄棟と同様に耐久性は高いです。
3位 片流れ
片流れは屋根にかかる負担が1番大きいです。
また、屋根上部や側面のケラバの部分に負担がかかりやすいと言われています。
比較⑤雨樋(あまどい)がつく量(少ない順)
1位 片流れ
2位 切妻
3位 寄棟
雨樋の量が少なければ、外観がすっきりとして見えます。
1位 片流れ
片流れは軒先の1方向にしか雨樋がつきません。
そのため、地面まで水を流す竪樋も少なく、外観デザインに影響を与えにくいです。
ただし、雨樋が少ないと大雨のときに雨を受け止めきれなくなる可能性もあります。
2位 切妻
切妻は2方向に雨樋が施工されます。
屋根のかけ方によっては、気になる位置に竪樋が施工されてしまうことがあります。
3位 寄棟
寄棟は建物の全方向に雨樋がつきます。
その分、雨水を分散して流してくれますが、竪樋も多いのでデザイン性に影響することがあります。
外観を決めるときは、目立ちにくい色の雨樋を選ぶなどの工夫をしましょう。
比較⑥外壁の痛みの少なさ
1位 寄棟
2位 切妻
3位 片流れ
軒先の量によって外壁の耐久性にも影響を及ぼします。
1位 寄棟
寄棟は全方向に軒が延びる為、影ができて外壁が傷みにくいです。
また、重厚感を出すために軒を深めの寄棟を採用するケースも多く、より外壁を紫外線や雨などから守ってくれます。
2位 切妻
切妻は2方向に軒が延びる為、軒下の壁は守られて傷みにくいです。
しかし、三角屋根になっている妻の部分は、外壁に紫外線や雨などが当たりやすいので傷みやすいです。
3位 片流れ
片流れは1方向にしか軒が無いので、残りの3方向の外壁は紫外線や雨水が当たりやすいです。
また、デザイン性を気にして軒を浅くする方も多いですが、さらに外壁や傷みやすくなります。
比較⑦小屋裏空間の作りやすさ
1位 片流れ
2位 切妻
3位 寄棟
1位 片流れ
片流れは斜め方向へ1直線に伸びる屋根なので、小屋裏空間が取りやすいです。
ロフトを趣味スペースにしてゆったりとくつろぎたい方などにおすすめします。
2位 切妻
切妻も頂点の棟に向かって屋根が高くなっている形状なので、比較的小屋裏空間が確保しやすいです。
小屋裏収納として使うには十分な高さが取れることが多いでしょう。
3位 寄棟
寄棟は屋根の頂点の範囲が少ないので、比較的小屋裏空間が取りにくい屋根形状です。
小屋裏収納などを作っても低くて使いにくかったり、小屋裏空間を作れないこともあります。
比較⑧太陽光の搭載量
1位 片流れ
2位 切妻
3位 寄棟
1位 片流れ
片流れは1枚屋根なので、南側に向かって屋根を流せばかなり大容量の太陽光発電システムを搭載できます。
35坪くらいの建物でも10kwを超える太陽光パネルを施工できるでしょう。
2位 切妻
切妻や片流れの半分くらいの量の太陽光パネルを施工することができます。
35坪くらいの家なら4~5kwの太陽光発電システムが採用できるでしょう。
3位 寄棟
寄棟と太陽光発電システムの相性はあまり良くありません。
南面の屋根が少ないだけでなく、面が台形のような形をしているので無駄な空間も生まれがちです。
比較⑨窓が施工できる位置
1位 片流れ
2位 切妻
3位 寄棟
1位 片流れ
片流れは斜めに伸びる1枚屋根なので、外壁の面積が多く窓も高い位置につけることができます。
隣家との距離が近くても高い場所に窓をつけることができるので、日当たりの良い建物を立てやすいです。
2位 切妻
切妻は三角屋根になっている面は外壁の面積が広いので、高い位置に屋根をつけることができます。
小屋裏収納やロフトにも窓を採用することができるでしょう。
3位 寄棟
寄棟は軒先より上に外壁が無いため、高い位置に窓をつけることができません。
小屋裏に空間が取れたとしても、窓が付けられない場合が多いでしょう。
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おすすめの屋根形状は「切妻」です
私は切妻屋根をおすすめします。
なぜなら、価格面・耐久性・建物に与える影響など、どれを取っても評価が比較的高いからです。
ただし、個人的な意見です。
切妻・寄棟・片流れのメリット・デメリットを確認しましょう。
切妻のメリット・デメリット
まずは切妻屋根のメリット・デメリットです。
切妻屋根のメリット
- メンテナンスが比較的楽
- 雨漏りなどのトラブルが少ない
- 初期費用が安い
切妻屋根のデメリット
- スタイリッシュな外観になりにくい
- 三角屋根の部分の外壁が劣化しやすい
寄棟のメリット・デメリット
続いて寄棟屋根のメリット・デメリットです。
寄棟屋根のメリット
- 屋根や外壁が傷みやすい
- 重厚感のある外観を作りやすい
寄棟屋根のデメリット
- 初期費用がかかりやすい
- 小屋裏空間や太陽光発電システムの採用に不向き
片流れのメリット・デメリット
最後に片流れ屋根のメリット・デメリットです。
片流れ屋根のメリット
- 現代的な外観に仕上げやすい
- 大容量の太陽光発電システムを搭載できる
- 小屋裏空間を作りやすい
片流れ屋根のデメリット
- 雨漏りの心配がある
- 屋根・外壁ともに傷みやすい
メリットに魅力を感じたり、デメリットの対策ができる屋根形状を選びましょう!
切妻・寄棟・片流れの各採用率
切妻・寄棟・片流れの採用率をお伝えします。
切妻:40%
寄棟:25%
片流れ:35%
あくまで私が勤めていたハウスメーカーでの感覚値です。
ハウスメーカーの得意な外観のテイストによって、採用率は大きく変わると思います。
あなたはどの屋根にしますか?
以上です。
どの屋根も、十分におうちを守ってくれます。
メリット・デメリットやデザイン性を考慮しつつ、気に入った屋根形状を選びましょう。
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