こんにちは!きのぴーです。
床下暖房と聞いて皆さんはどんな暖房をイメージされますか。
「床暖房の間違いじゃないの?」
と疑問に思われるかもしれません。
床暖房と床下暖房はまったく違う工法です。
床暖房はコストがかかる設備ですが、床下暖房はローコストで快適な室内環境をつくる事ができます。
では、床下暖房とは何か、床下暖房のメリット・デメリットについてお伝えしていきます。
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床下暖房はローコストでとっても心地よい暖房設備
床下暖房とは?
床下暖房は基礎断熱がされた床下の空間にエアコンやストーブなどの設備を設置して、その暖かい空気を循環させて床面を暖める設備です。
これまで温度が高すぎて不快な環境にさせてしまう床暖房しかありませんでしたが、床下暖房が導入されてから心地よい室内環境をつくる事ができるようになりました。
室内環境は床面、壁面、天井面が室温より0.5〜1℃前後高いと輻射熱で心地よく感じる事ができます。
温熱環境的に影響が大きいのは人体が直に接する床面ですので、温度が高く直に床に接する床暖房では快適な環境とは言えませんでした。
床下暖房は室温より0.5〜2℃高い温度に保つ事ができ、室内に設けたガラリを利用してゆるやかな自然対流を起こし室内を暖める方式です。
名称が似ていて間違いやすそうですが、床暖房と床下暖房の違いは簡単に言うと
- 「床暖房=床を直接暖める」
- 「床下暖房=床下空間を暖めて室内へ暖かい空気を送る」
という違いです。
床下暖房が採用できる条件
床下暖房を導入するには、建てる家の仕様条件があります。
それは高断熱・高気密の家であり、基礎断熱が施行されている事です。
高断熱・高気密の家とは、簡単に説明しますと「外からの熱は室内に伝わりにくく、室内の熱は外へ逃げにくい構造」になっていて、冬は暖かく、夏は涼しい環境にさせてくれます。
基礎断熱は基礎の下に断熱材を設置して、床下空間と室内空間を一体化させた方式です。
床下暖房を導入する時は「高断熱・高気密」と「基礎断熱」の仕様である事が条件ですので気を付けておきましょう。
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床下暖房の2つの方式
床下を暖める暖房方式は2つあります。
- 床下に暖房機を置く
- 床下に放熱器を置く
【1.床下に暖房機を置く】
この方式で使う暖房機はFF式ストーブ(強制給排気)やエアコンなどがあります。
この方式はコストや生活形態に合わせて選択ができ、FF式ストーブはコストが最も安く導入できる暖房機です。
定番と言えるFF式ストーブによる床下暖房は、床下に暖房機を置くだけなので施行も簡単、低コストで導入ができます。
また、エアコンは火災の心配がないので高齢者の方や共働きのご家庭におすすめとなっています。
【2.床下に放熱器を置く】
この方式で使う暖房機は
- 温水ボイラー
- FF式ストーブ(排熱利用、ツインバーナー)によるパネルヒーター
- 深夜電力電熱線埋め込み土間コンクリート蓄熱暖房
などがあります。
この方式の特徴は床面のみを暖めるのではなく、熱量が大きい基礎コンクリートと土間コンクリートに蓄熱された熱が輻射熱によって全体へと広がる事が期待できます。
熱容量の大きさは木造建築の欠点を補い、安定した温熱環境を維持する事ができます。
床下暖房のメリット・デメリット
床下空間を暖めてマイルドな室内環境にしてくれる床下暖房。
しかし床下暖房はメリットだけでなくデメリットもあります。
床下暖房を導入していくためにもメリットな面とデメリットな面の両方を把握しておきましょう。
では、床下暖房のメリット・デメリットについて詳しくお伝えしていきます。
床下暖房のメリット
床面が快適な温度で保てる
床を直に暖める床暖房とは違って床下暖房は床下空間を暖める方式。
床面の温度は室内温度より約0.5〜2℃高く、輻射熱で心地よく感じられます。
床面と天井の温度差や平面方向の温度差がほとんどなく良好な温熱環境をつくる事ができます。
長時間座っていても低温やけどの心配がない
床暖房は床自体を暖めるため直に身体を暖める事になります。
そのため、長時間暖められた床に接していると低温やけどをする場合があります。
その点、床下暖房は床を直に暖めるわけではないので長く座っていても低温やけどをする心配はありません。
ローコストで導入ができる
床下暖房は低コストで導入できる暖房設備です。
エアコンなどの暖房機を床下に設置するだけなので簡単に施工ができるメリットもあります。
イニシャルコストは家電量販店で販売されているエアコンの使用で工事代金含めて約7万円と床暖房の導入よりもかなりの費用を抑える事ができます。
※イニシャルコストとは:設備機器や設置など導入にかかるコストのこと
省エネルギーで暖房費が抑えられる
床下暖房のメリットは省エネでランニングコストを下げられる事です。
床面の輻射熱が有効に働いて室温を低めに設定できるのでとても省エネルギー、床下暖房を導入する条件の一つである高断熱・高気密の家にすれば、普通の住宅よりもランニングコストは半額になります。
※ランニングコストとは:機器やシステムなどを運用・管理し続けるために必要な費用、水道代や電気代、メンテナンスにかかる費用も含む運転経費のこと
好きな床材を選べる
床下暖房は好きな床材を選ぶ事ができます。
床暖房は床材の下に暖房マットを設置するため、床暖房対応の専用床材を使わなければいけません。
使用できる床材の範囲もかぎられ、さらに通常の床材よりも費用が高くなっています。
床下暖房は床下空間を暖める方式で床構造自体はどの床材を選んでも問題ありません。
床材にこだわりがある方は床材の選択肢が広い床下暖房がおすすめです。
床下空間が乾燥状態に保てる
床下暖房の導入は基礎断熱を行う必要があります。
その基礎断熱を施工する事で床下空間を乾燥状態に保つ事ができます。
通常の床下空間は湿気が溜まりやすく、温度も低い状態となっています。
床下に湿気が溜まると家に使われている木材の腐食が起こりやすくなり、湿度が高い事でシロアリが侵入しやすい環境にもなります。
床下が乾燥しているという事は、シロアリが生息しにくく木が腐食しにくい環境と言えます。
ただし、床下が乾燥状態だとしても、基礎断熱に使われる発泡系板状断熱材(プラスチック系断熱材)、特に硬質ウレタンフォームはシロアリの食害を受けやすいリスクがありますので、防蟻処理を行う事が重要です。
床下暖房のデメリット
点検口や取り出し口を設ける必要がある
床下暖房のデメリットは、メンテナンスを行うための点検口や取り出し口を設ける必要があります。
また、床下はホコリが溜まるので人が腹這いになって掃除機で掃除ができるほどの床下空間を確保しなければいけません。
快適な温熱環境をつくるには経験が必要になる
床下暖房の優れた温熱環境をつくるには経験が必要です。
ストーブや蓄熱暖房機の場合は、押し入れの下部空間を利用しガラリ戸を手前に設置する、階段室やボイラー室に設置して床下空間に温風を吹き込むなどの工夫をして導入する事が大切です。
立ち上がりに時間がかかる
床下暖房のデメリットは急な温度の変更ができない事です。
長い時間使用しない場合は、立ち上がりに1時間以上かかります。
また、蓄熱効果を感じられる安定した熱環境にするには6時間ほど必要です。
ただし、床下暖房は連続暖房(24時間暖房)で使用する事が前提なので急な温度変更は必要ないでしょう。
まとめ
ここまで床下暖房とは何か、床下暖房のメリット・デメリットについてお伝えしてきました。
床下暖房は床面を室内温度の0.5〜2℃ほど高い温度で保ち、快適な室内環境にしてくれる工法です。
さらに導入するコストも安く、施工も容易、省エネでランニングコストも減らす事ができるメリットもあります。
これから家を建てようと計画していて、床下暖房を採用しようか迷っている方に、今回の記事が床下暖房を知る参考になりましたら嬉しく思います。