こんにちは!注文住宅業界歴6年、きのぴーです。
マイホームの屋上でバーベキューや家庭菜園、楽しそうですよね!
でも憧れだけで屋上をつくるのはちょっと危険かも?
この記事では屋上をつくる前にぜひ知っておきたい、注文住宅に屋上をつくる費用やメリット・デメリットについて詳しく解説します。
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屋上は木造住宅でもつけられる
まず屋上の定義から。
屋上とは「屋根にあたる部分を平らにつくり、利用できるようにした場所」のことです。
注文住宅に屋上をつける場合、家の構造がRC(鉄筋コンクリート)造や鉄骨造なのか、木造なのかで注意すべき点が大きく変わってきます。
屋上といえば、RC造や鉄骨造を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
RC造や鉄骨造はもともと陸屋根(平らな屋根のこと)が一般的です。
RC造や鉄骨造なら、陸屋根部分を人が歩ける仕様にして階段を設け、落下防止の柵などをつければ、屋上をつくることができます。
一方、木造は勾配がある屋根が一般的。
屋上をつくるには、家全体のデザインや屋根の設計を変更する必要があります。
本来、木造の陸屋根はリスクが大きいというのが定説です。
木造はRC造や鉄骨造に比べて部材のゆがみや揺れなどが大きく、防水に不具合が起きる可能性が高いことや、雨の多い日本では庇(ひさし)を深く出した屋根の方が望ましいと考えられているからです。
建築後10年間、雨漏りなどの瑕疵を補償する「住宅瑕疵担保責任保険」の設計基準でも、「屋上バルコニー」は面積の制限がありました。
防水技術の進歩などもあり、現在ではこの制限も撤廃され、徐々に木造住宅の屋上も増えてはいるようです。
それでも木造住宅の屋上は原則としてすすめないという専門家や工務店が多いことは理解しておきましょう。
屋上をつくる費用は?
では、実際に屋上をつくるといくらかかるのでしょうか?
非常にアバウトな目安ではありますが、注文住宅に10坪から20坪ぐらいの一般的な広さの屋上をつくる追加費用は、通常100万円~300万円程度になります。
庭にウッドデッキをつくるなどの追加オプションとは異なり、屋上をつくる費用は普通に屋根を設けた場合との差額になるため、工務店やハウスメーカーの設定や方針によって提示される価格にかなりばらつきがあります。
なかには「屋根と同額で屋上がつくれる」としている「屋上が売り」のハウスメーカーもありますが、屋上をおすすめして他社と差別化したい会社であれば、屋上の費用を安く提示することも考えられます。
逆に屋上にあまり積極的でない会社であれば、高い費用を提示される可能性もあります。
また屋上の仕様によっても費用は変わってきます。
屋上をつくるには具体的にどんな項目の費用がかかるのかをみてみましょう。
屋上の費用① 防水工事
- ウレタン防水
- シート防水
- アスファルト防水
- FRP防水
- 金属防水
など、さまざまな防水方法があり特徴が異なります。
金属防水以外の防水工事の施工単価は平方メートルあたり7,000円〜9,000円ぐらいからで、そこまで大きな違いはありません。
金属防水は揺れや地震に強く耐久性も高いとされ、近年木造の屋上によく使われるようになった防水方法です。
価格はほかの防水方法よりかなり高額です。
屋上の費用② 屋上への階段の設置
階段は外階段の場合と内階段の場合があります。
外階段は屋上の直下の階のバルコニーなどに設けることが多く、雨ざらしになるので耐久性は劣ります。
内階段の場合は、屋上に階段室として「塔屋」を設ける必要があります。
塔屋は「ペントハウス」と呼ばれることもあります。
外階段より費用はかかりますが、雨に濡れずに安全に上り下りできるので使い勝手はいいでしょう。
屋上の費用③ 柵・フェンスの設置
屋上の周りには、人が落ちる危険がないように柵を設ける必要があります。
また周辺環境によってはプライバシーを確保するために目隠しのラティス(格子)やスクリーンなどの設置が必要になる場合もあります。
屋上の費用④ ウッドデッキなど仕上げ工事
屋上部分をウッドデッキやタイルなどで仕上げる場合は仕上げ工事費が必要です。
屋上の費用⑤ 屋外水栓、屋外コンセントなどの設備工事
屋上の使い方によっては、屋外水栓や屋外コンセント、照明器具などの電気や水道の設備工事が必要になります。
屋上の費用⑥ 補強工事
屋上の仕様によっては、建物の構造の補強が必要になる場合があります。
屋上のメリット
屋上のメリット① 庭がわりになる
屋上の一番のメリットはプライベートな屋外空間が手に入ることでしょう。
特に庭が設けられない都心の狭小地では大きなメリットです。
家庭用菜園やガーデニング、ペットの遊び場やお子さんの簡易プール、ゴルフの練習などにも活躍しそうです。
ただし広い面積に土を入れて木を植えるような本格的な屋上庭園は、荷重も重くなり防水にも影響があるので、建物の構造や防水方法も含めて計画する必要があり、費用も高くなります。
屋上のメリット② 洗濯物や布団が干せる
実用的なメリットは洗濯物や布団が干せること。
洗濯物を干すのであれば毎日のことになるので、アクセスのしやすい屋上であることが重要です。
屋上のメリット③ アウトドアリビングとして使える
天気のいい日に食事やバーベキューをしたり、夜お酒を飲んでくつろいだりと、第2のリビングのように使えます。
アウトドアが好きなご家族なら、家にいながらにしてキャンプのような体験もできるでしょう。
ただし、近隣のマンションから見下ろされる位置にあるなど、周辺環境によってはプライバシーが守られない場合もあるので注意が必要です。
屋上のメリット④ 眺望が楽しめる
立地によっては、富士山や夜景、花火大会などの眺望を楽しむことができます。
屋上のメリット⑤ 容積率に含まれない
屋上は屋外なので床面積に含まれず、容積率の制限に関わらず設けることができます。
ちなみに、屋内階段をつけた場合の塔屋(階段室)部分の面積は床面積に算入されますが、その建物の建築面積の1/8まで、高さ5m以内の塔屋であれば、階には算入されません。
「階に算入されない」というのは、例えば2階建ての屋上に塔屋をつくっても3階建てとは見なされないということです。
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屋上のデメリット
屋上のデメリット① 漏水のリスクが大きくなる
木造の場合、一番のデメリットは漏水の危険性でしょう。
ゆがみや揺れが大きいため、防水層にも影響がでる可能性が高くなります。
RC造や鉄骨造に比べ、今までのノウハウの蓄積が少ないこともリスクを大きくします。
ゲリラ豪雨で想定外の雨が降った場合や地震が起きたときの漏水リスクも、勾配屋根に比べると高めになると考えた方がいいでしょう。
屋上のデメリット② 庇が出しにくい
雨の多い日本では、昔から庇を深くすることで木造の建物を守ってきました。
屋上をつくると一般的には庇は設けにくく、外壁や窓・ドアが雨にさらされることになります。
建物が汚れやすくなり耐久性も低くなる傾向にあります。
屋上のデメリット③ メンテナンスが大変
防水方法にもよりますが、防水の耐久性は10年~20年程度。
時期が来たら再度防水工事を行う必要があり、費用もかかります。
普通の勾配屋根でも屋根の再塗装など10年程度でメンテナンスが必要ではありますが、屋上の方が防水の劣化が漏水に直結しやすいので注意が必要です。
金属防水や特殊な防水技術などでは30年の長期保証やメンテナンスフリーをうたっている場合もありますが、評判や実績などを調べた上で慎重に選択しましょう。
屋上のデメリット④ 掃除が大変
屋外なので汚れやすく、バルコニーよりも面積が広いので掃除に手間がかかります。
排水溝などが詰まってしまうと、漏水の原因になることもありますので、まめな掃除が必要です。
屋上のデメリット⑤ 直下の階が暑くなる
勾配のある屋根なら小屋裏の空間があるので、屋根が受けた熱が下の階に伝わるのをある程度防いでくれます。
屋上をつくる場合、屋上の下はすぐ部屋になっていることが多く、屋上の熱の影響をダイレクトに受けやすくなります。
さらに庇がないデザインの家が多いので、日差しが部屋の中に入りやすく、ますます暑くなることも考えられます。
屋上庭園をつくることで建物の断熱性能が高くなる場合もありますが、かなり本格的な屋上庭園や屋上緑化を導入しないと、断熱効果までは得られないでしょう。
屋上のデメリット⑥ 階段スペースが必要
屋内に階段をつくる場合は、直下の階からの階段が必要です。
その分、直下の階のスペースが狭くなります。
屋上を作るなら実績のある会社を選ぼう
「デメリットは理解した。それでも屋上がほしい!」と思ったあなた。
まだまだ一般的とはいえない屋上をつくるなら、実績のある会社を選ぶことが重要です。
防水方法やメンテナンスについては必ず確認しましょう。
また「屋上をつくってはみたものの、利用したのは新築当初だけですぐに使わなくなった」という声もよく聞きます。
ご家族のライフスタイルに合っているかどうかもじっくり検討して、納得のいく選択をしてくださいね。