こんにちは!きのぴーです。
住宅ローンを組んでマイホームを購入しようと決めたら、借り入れる内容だけでなく、返済方法についても考えなければなりません。
住宅ローンの返済方法には「元利均等返済」と「元金均等返済」の2つがあり、どちらかを選ぶことができます。
字面が似ているため、そんなに違いはないように見えますが、これらの返済方法は内容が全く異なります。
審査の通りやすさや総支払金額などにも影響するので、適当に選んでしまっては大変です。
今回は、住宅ローンの返済方法で後悔したくない方必見!
できる限りわかりやすく、それぞれの返済方法の違いとメリットデメリット、そして、適切に選ぶための情報についてお伝えします。
元利均等返済と元金均等返済の違いについて
元利均等返済と元金均等返済の文字に注目してみると、それぞれ意味の違いが隠れています。
元利均等返済とは、元利=「元金と利息の合計」が、毎月均等になるように計算された返済方法で、元金均等返済とは、元金=「元金のみ」が、毎月均等になるように計算された返済方法です。
ここでは、それぞれの返済方法における元金と利息、返済額について、どのような規則性があるのかをまとめたいと思います。
元利均等返済は、返済額が毎月同じ金額になるよう計算されるため、返済額が10万円なら、その中に元金と利息を含みます。
今月は元金4万円+利息6万円、来月は元金5万円+利息5万円、再来月は元金6万円+利息4万円というように、毎月、元金と利息の内訳が異なるため、一定の速度で元金が減るのではありません。
元金の減りは、返済が進むにつれて「曲線」を描くように加速するのが特徴です。
一方、元金均等返済は、元金が毎月6万円なら6万円ずつ減り、返済額の内訳における元金が常に同じ金額になります。
これに利息が乗ることで、今月は元金6万円+利息6万円=12万円、来月は元金6万円+利息5万円=11万円、再来月は元金6万円+利息4万円=10万円というように、当初の返済額が高くなり、徐々に少なくなっていくのが特徴です。
元金の減りは、月日の経過に比例して「直線」を描くようにまっすぐ伸びていきます。
▼元利均等返済を選んでいる人が9割です。その理由は?
-
-
9割の人が元利均等返済を選ぶワケ!でもお得なのは元金均等返済!?
続きを見る
元利均等返済と元金均等返済の違いによるメリットデメリットについて
では、元利均等返済と元金均等返済のメリットとデメリットは何でしょうか。
ここでは、それぞれのメリットデメリットと、それらが与える影響について、まとめたいと思います。
まず、元利均等返済は、支払い当初から毎月の返済額が一定であるため、家計の管理がしやすいことが1番のメリットです。
お給料からローンの支払いに回る金額が明確になるため、残ったお金の仕分けがしやすくなります。
送金サービスを使って、返済用口座にお金を移動したい方にとっては、過不足なくぴったりの金額を設定できます。
もし、変動金利で組みたいという方は、急な金利の上昇があった場合、それまでの返済額の1.25倍を越えないようバーが引かれる「1.25倍ルール」がついてくるのも元利均等返済の利点です。
一方、デメリットは、当初の返済額に占める利息の割合が多いため、返済しているつもりでもなかなか元金が減りません。
ローンの期間の半分が過ぎても、借り入れ金額の半分が減っているわけではなく、将来売却を考えている方にとっては注意が必要です。
物件の減価償却のスピードに対して、残高の減りが伴っていない可能性があります。
次に、元金均等返済は、毎月コンスタントに元金が減るため、月日の経過に比例して、確実に残高を減らすことができます。
元利均等返済より、元金の減りのスピードが早いため、利息として払う金額が減り、結果的に総返済額が少なく済むのが最大のメリットです。
デメリットは、ローンの始まりの返済額が1番高くなり、何かとお金のかかる住宅購入直後の返済額が家計を圧迫してしまいがちになることです。
また、毎月の返済額が異なるため、毎回きちんと確認をしながら入金をする必要があります。
もし、残高不足になってしまうと、延滞利息がかかってしまったり、個人信用情報機関の登録に思いもよらぬ汚点を作ってしまうかもしれません。
変動金利での返済を考えている場合は、急な金利の上昇があったとき、1.25倍ルールがないという意味でリスクがあるのも注意点です。
▼住宅ローンの返済は計画的に…そうでないと…!
-
-
住宅ローンが払えなくなったら?最悪の事態を回避するための4つのこと
続きを見る
元利均等返済と元金均等返済の違いがわかったら!適切な選択をするために
それぞれの細かな知識はついたけれど、なお、どちらを選んでよいか悩んでいる方のために!
ここでは、元利均等返済と元金均等返済に関する5つの情報をお伝えします。
1つ目は、元利均等返済と元金均等返済で組んだ場合のシミュレーションを比較してみたいと思います。
これによって、元金均等返済の高い返済額について現実味が湧かない!という方の判断材料になると思います。
さて、シミュレーション条件が、借入金額2500万円、期間35年、金利が固定金利で当初1.51%、その後1.81%で組んだ場合、返済額は、元利均等返済では76,668円、元金均等返済では90,981円となり、元金均等返済の方が、14,314円分高いことがわかります。
しかし、返済が進むにつれて、その差は縮まります。
19年3ヶ月目の返済では逆転し、今度は、元利均等返済の方が元金均等返済より返済額が高くなるのです。
無事完済し終えると、総返済額にして、元金均等返済の方が、72万円分得をする結果に!
このように、約19年間、毎月14,000円高い返済額に耐えることができるかが、元金均等返済を選ぶポイントと言えるでしょう。
2つ目は、住宅ローンの審査の通りやすさを求めるなら、元利均等返済の方が有利となります。
同じ借り入れ条件でも、元金均等返済は、当初の返済額が多い分、返済比率を上げてしまうからです。
元金均等返済だと返済比率がオーバーする場合でも、元利均等返済に変更するだけで収まる可能性があります。
▼住宅ローンは審査に通らないと借りられません!
-
-
住宅ローン審査の判断基準重要度ランキング!銀行マンはココを見てる!
続きを見る
3つ目は、自分の人生計画を見直してみると、どちらの返済方法が合っているか見えてくるかもしれません。
例えば、子供が産まれても共稼ぎしやすい環境であることや、すでに貯金があるなど、近い将来のお金にゆとりがある場合は、元金均等返済を選ぶ方は多いです。
一方、片働きでしばらく共稼ぎの選択肢はなく、貯金もこれからという場合は、毎月少しでも多く貯蓄を作ることの方が大切です。
元利均等返済にして、毎月こつこつと貯金を増やしていくことをオススメします。
4つ目は、金利を固定金利にするか、変動金利にするかも重要です。
特に、変動金利で組む予定の方は、元金均等返済にすると、先述した「1.25倍ルール」がありません。
金利の上昇が返済金額に直結するため、想像以上に返済金額が大きくなる可能性があります。
青天井なのは怖くて仕方がない!という方にとっては、元利均等返済の方が合っていると言えるでしょう。
▼固定金利VS変動金利
-
-
固定金利と変動金利の違いは?結局どっちがお得かというと…
続きを見る
5つ目として、そもそも借り入れようと思っている銀行が元金均等返済を取り扱っていない場合があります。
まだまだ、元利均等返済の方がポピュラーな返済方法のため、元金均等返済に興味がある方は、取り扱いがあるかから確認することが大切です。
まとめ
元利均等返済と元金均等返済の違いについて、わかりやすくまとめるとすると、元利均等返済は毎月の「返済額」をわかりやすくしたもので、元金均等返済は、毎月の「元金の減り」をわかりやすくしたものです。
銀行としては、利息を払ってもらいながら、お客様に確実に返済してもらうことが重要です。
そのための返済額のわかりやすさを優先したのが元利均等返済です。
一方、元金均等返済は借りたお金を返済する「過程」をわかりやすくしたものだと思います。
そのため、毎月の返済がシンプルで納得しやすいという意味で、お客様が手応えを持って返済できる方法と言えます。
とりあえず元利均等返済で審査に出す方は多いです。
しかし、やっぱり元金均等返済にしたいとなれば、変更ではなく、再審査としての扱いになります。
再審査には時間がかかるので、マイホーム購入のスケジュールが遅れてしまうだけでなく、審査結果が覆る可能性もあるので、注意が必要です。
急がば回れでも、自分はどちらの返済方法がよいか、よく考えた上で審査に申し込むことが大切です。