こんにちは!きのぴーです。
この記事は知り合いの元銀行マンに監修してもらっています。
銀行マン目線から考えた「金利の引き下げテクニック」だから、かなり実践的な内容に仕上がっています。
【監修者】元銀行マンのプロフィール
新卒から約8年間銀行で勤め、そこで住宅ローンを担当していました。
国家資格のFP2級所持。
ちなみに、家のコーディネートも大好きで、無印良品で家を統一しています!
住宅ローンを組んでマイホームを購入したら、さっそく返済スタートです。
住宅ローンの金利は、基準金利から優遇金利が差し引かれたものが適用されます。
基準金利は毎月見直しが行われるのに対して、優遇金利は審査で決まった利率が完済まで固定されるので、少しでも大きな優遇幅を持つことは支払う利息を抑えられ、その分得することに繋がります。
では、もし希望に叶う優遇金利が出なかった場合は、どうしたらよいのでしょうか。
優遇金利は審査によって決まるので、簡単にその結果を変えることはできません。
しかし、きちんと交渉すれば、審査結果を塗り替えられる可能性はあります。
なぜなら、優遇金利は個人に関わる微妙な要素によって変わりえるものだからです。
今回は少しでも金利を低くして借り入れしたい方必見!
優遇金利引き下げ交渉を成功させるノウハウをお伝えします。
金利の引き下げ交渉はダメ元でもやってみましょう
住宅ローンの基準金利は教育ローンや車ローンなどと比べるとかなり低く設定されています。
優遇金利もついて当たり前、優遇幅も年々大きくなり、もはや、住宅ローンは銀行にとって収益になりにくいものになっています。
出端を挫くようになりますが、このような状況では、「さらに金利を引き下げてほしい」と交渉するのは無理難題であるといっても過言ではありません。
しかし、住宅ローンの交渉はダメ元でも行うことに意味があります。
まず、借りる側にとって、住宅ローンを組むことは、一生で何度とない大きな買い物。
総返済額にすれば決して安くはない利息を払うことになるので、少しでも低い金利を求めてベストを尽くすことは当たり前のことだからです。
交渉しなければ、変わる可能性はないので、勇気を出して話してみることが大切です。
一方、銀行にとっては、他行との金利を巡る戦いは日常茶飯事のことです。
交渉されるのは当たり前で、少しでも多くのお客様に借り入れてもらえるのであれば、「個別対応」にて交渉内容を受け入れることには寛大と言えます。
個別対応とは、審査のルールから外れていても、個人の事情を汲み取って柔軟に検討してくれることです。
銀行の立場からすれば、お客様が音沙汰もなく他行へ行ってしまうより、自ら個別に交渉してくれることの方が、むしろ有り難いことなのです。
もちろん成功するかは別ですが、お互いにとって交渉することは決して悪いことではありません。
金利の引き下げで交渉するために重要な下地
さて、交渉するといっても、どのように進めていけばよいでしょうか。
「何とかして、お願いします!!」と強く訴えるだけでは、交渉とは言えません。
そして、住宅ローンの事務を行っている担当者に訴えても、勝手に金利を下げたりできる権限がありません。
交渉するためには、担当者の上司やさらには本部の権限を持った方を少なくとも複数人を説得させる必要があります。
そこで重要なのが「自分は優良な顧客であること」を示すことです。
特に、チェックする人が変わっても第1印象が良いようにすることは、成功率を上げる秘訣です。
まず、個人信用情報機関の登録内容が綺麗なことは、返済における信用力を示す何よりの証拠となります。
保証会社の審査に通っていても、過去に延滞した経緯があれば、その分マイナスです。
また、個人の収入や勤め先の規模に関することは、融資では欠かせない項目です。
年収400万円以上であることや勤続年数3年以上あること、上場企業であることや従業員数が多いことなど、1つは小さくても集まれば大きな効果となります。
そして、自己資金が多く、住宅ローンの融資割合が少ない方が、安定した返済を計画していることのアピールになります。
もし、親などからの援助資金を受ける場合は、いくら援助を受ける予定なのか、贈与税の範囲内であるのかどうかをきちんと示すことがポイントです。
このように、住宅ローンの交渉をはじめる前に、自分の信用力や返済計画について振り返ってみましょう。
一定水準をクリアしていることは重要な条件です。
金利の引き下げ交渉での強い武器とは
下地ができあがったら、さっそく交渉スタートです。
最初に、交渉するためにはお互いの利害関係について理解することが大切です。
住宅ローンでは、借りる側は少しでも条件のよい銀行を見つけることが利益となり、銀行はお客様が自分の銀行で借りてくれることが利益となります。
それぞれの利益となることが一致することで、交渉成立となるわけですが、そのためには材料となる武器を見つけなければなりません。
さて、借り手側が交渉する上で武器となるのが、他行で借りた場合の「良い借り入れ条件」です。
もし1つでも有利になることがあれば交渉のチャンスです。
例えば、他行の方が優遇金利が大きければ、その金利を提示することで、もう一方の銀行に同水準まで金利を引き下げてほしいと交渉することができます。
もし優遇金利が同じだとしても、他行の方が諸費用や繰上返済時のネットバンキングの手数料が安いなどあれば、それを引き合いに交渉してみるのもよいでしょう。
サービスの違いを穴埋めできないとなれば、金利引き下げにて対応してくれることがあるからです。
このとき、本審査まで下りている状態で交渉を行えば、武器の力はより強くなります。
他行の内定通知があることは、すぐにでも他行へ行ける準備が整っていることを意味するため、それを食い止める銀行としては、他行と同水準ではなくもう1ランクよい条件を提示してくるかもしれません。
金利の引き下げ交渉での重要なタイミングについて
それでもうまく行かない場合は、交渉する時期について工夫してみると、成功率が上がる可能性があります。
1つ目は、銀行の期末を狙って交渉してみることです。
銀行は半期ごとに貸し出すためのお金の目標を定めており、もし目標が未達な状況のまま期末が近くなってくると、金利を引き下げしてでもお客様に借りてもらいたいという言わば「安売り」を始めます。
3月末や9月末に向けて追い込みが行われるので、その時期で物件の引き渡しに問題がなければ交渉のチャンスです。
銀行の事情によるものなので、1度交渉に失敗した内容を変更しなくても、OKしてくれる可能性が上がるのは事実です。
このとき、優遇金利ではなく、固定金利の基準金利を下げてきたり、全期間金利引き下げプランでなく、当初期間金利引き下げプランのみ優遇金利を引き下げるなど部分的に承諾することがあります。
2つ目は、欲しい物件を確実に手にしたい場合、金利引き下げの交渉は未成立のまま、一度ローンを組んでしまい、しばらくしてから再度交渉してみることです。
初めて住宅ローンを借り入れる方は年齢が若く、年収や自己資金の条件が交渉の土台に上がれないことがあります。
その場合、交渉の時期として適していなかったとして割り切り、数年後に年収や勤続年数が伸びていれば、借り換えをする手順で他行と比較してみましょう。
もし他行の方が条件がよければ、それを元に今借りている銀行へ金利引き下げの交渉をすると、当初よりは成功率アップに繋がるはずです。
ただし、途中で延滞をしてしまうと個人信用情報機関の登録に影響が出てしまうので、毎月の返済を怠らないように、注意する必要があります。
まとめ
普段の生活で交渉をしたことがないと、なかなか自分から交渉に出ることはハードルが高いと感じるかもしれません。
また、審査を2つ出しておいて、結果的にどちらかの借り入れ先を断ることは、労力を要することでもあります。
しかし、住宅ローンの金利を引き下げるためには、交渉することが誰でもできる1番の方法です。
よい買い物をする上では必要なことで、経験上、しっかり交渉しながら決めていくお客様は契約内容についても熟知できているため、納得して住宅ローンの契約ができていると言えます。
最後に、金利の引き下げ交渉での成功率を上げるコツとして、プラスしてお伝えするとすれば、交渉のための強い武器を持つことも大切ですが、交渉の加減や引き出しを多くもつことも大切です。
例えば、優遇金利を-1.7%から-1.8%になればよしと思っているときは、あえて-1.9%で交渉してみると、-1.8%に落ち着くかもしれません。
また、金利とは直接関係なくても、ローンの引き落とし口座を給与受取口座にするなど住宅ローン以外の取り引きを増やすことで、交渉結果が変わるか聞いてみるのもよいでしょう。
交渉は「言ったもの勝ち」であるところが大きいです。
個別案件として対応してもらえるよう、受け身でなく、自分から発信していく姿勢が大切です。
金利交渉が成功しやすい条件まとめ
- ①あなたが銀行から見て「優良な顧客」であること。
- 優良な顧客とは「年収が多い」「勤続年数が長い」「勤め先が大企業」「年齢が若い」「過去に支払いの延滞がない」など。
- 優良な顧客は銀行から見て「お金を融資したいお客さま」。
- ②他の銀行の優遇金利を提示すること。
- お客さまを逃がしたくない銀行は負けじと金利の引き下げに応じてくれます。
- 他の銀行と金利が同じだとしても、諸費用や手数料の低さを引き合いに出すのも◎!
- 本審査まで通過している状態なら、さらに成功しやすい!
- ③銀行の期末を狙うなど、タイミングを見計らうこと。
- 銀行側の都合で、交渉に応じてくれる可能性が高い時期があるぞ!3月や9月はチャンスであることが多い。