こんにちは!きのぴーです。
「マイホームを建てるなら、おしゃれなデザインの家にしたい!」とは誰もが思うこと。
「建築家に頼むのはちょっと敷居が高いけど、最近流行りのデザイン住宅会社ってどうなんだろう?」と気になっている人も多いのではないでしょうか。
実は、魅力的に思えるデザイン住宅会社には意外な落とし穴もあるのです!
家づくりのパートナーとしてデザイン住宅会社を選ぶなら、注意しておきたいポイントをご紹介します。
デザイン住宅を建てたい場合の選択肢とは
「デザイン住宅」「デザイナーズ住宅」と言えば、一般的には建築家やデザイナーが設計するデザイン性の高い住宅を指しますが、この言葉に明確な定義はありません。
ネットで「デザイン住宅」「デザイナーズ住宅」を検索するとたくさんの会社が表示されますが、その実態はさまざま。
中には「ちょっとおしゃれな規格型住宅」を提供しているハウスメーカーや工務店も含まれています。
デザインにそこまでこだわりがなく、一般的な敷地に家を建てようとしている場合は、自分の好みにあった「おしゃれな規格型住宅」もひとつの選択肢です。
自由設計の家に比べて、規格型である分、家づくりにかかるコストも時間も抑えられる傾向にあります。
規格型住宅とは?
しかし、あなたがオリジナリティのあるこだわりのデザイン住宅を設計してもらいたいと思っているのであれば、自由度の低い規格型住宅では満足できない可能性があります。狭小地や変形敷地などに家を建てる場合も同様です。
その場合、考えられる選択肢は2つ。
「建築家・設計事務所に直接依頼する」もしくは「デザイン・設計力のある住宅会社に依頼する」です。
今のところ、設計事務所に家づくりを依頼する人はまだ少数派。ちょっと抵抗がある人も多いでしょう。
設計事務所に依頼する場合は、工務店がどんな会社に決まるのかはじめの段階ではわからない、総工費の目安がつきにくい、融資が受けにくい場合があるなどのデメリットもあります。
▼設計事務所(建築家)は費用が高いと思っていませんか?それは間違いですよ。
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「建築家は費用が高い」というのは大きな誤解!3分で誤解を解きます
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住宅を手がける設計事務所は小規模なところが多く、会社組織にしていない個人事務所であることにも、不安を感じるかもしれません。
そうすると有力候補になってくるのが、デザイン力のある住宅会社。
中でも注目なのは、営業窓口や施工は自社で行い、設計は外部の協力建築家に依頼する流れで家づくりを行う工務店です。
工務店の社内の設計ではちょっと物足りない、建築家に家をデザインしてもらいたいと考えている人にはぴったりです。
デザイン住宅会社・設計事務所の施工までの流れ
協力建築家の設計によるデザイン住宅が建てられるデザイン住宅会社。
実際どんな流れで家づくりを行うのか、設計事務所に直接依頼した場合と比較してみましょう。
【設計事務所の家づくりの流れ】*一般的な例です。
設計と工事の契約は別になります。施工は設計事務所と付き合いがある施工会社など数社から、相見積もりをとって選ぶのが一般的です。
設計者は設計監理という立場で設計通りに工事が進んでいるかをチェックし、図面だけでは伝わりにくい部分を現場に伝えます。
工事に不備がある場合は、修正させることができます。
設計事務所に相談
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ヒアリング・現地調査
↓
基本プラン提案。総費用概算見積もり
↓
設計監理契約(設計事務所ー施主)
↓
詳細打合せ・実施設計
↓
工務店相見積もり
*工務店数社に見積もりを依頼し、比較検討する
↓
工務店決定・工事請負契約(工務店ー施主)
↓
工事着工
*設計事務所による設計監理
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工事竣工
【デザイン住宅会社の家づくりの流れ】*一般的な例です。
設計と施工が一本化された契約を、デザイン住宅会社と施主の間で締結します。
工事の管理は、建築家による設計監理ではなく、デザイン住宅会社の現場責任者による「施工管理」になります。
施工管理は工程管理や材料の調達、現場の安全管理などが中心になり、設計者が行う「監理」とは内容が異なります。
上棟時や引き渡し前などのタイミングで、建築家が施主とともに現場チェックを行う場合もあります。
デザイン住宅会社に相談
↓
建築家紹介
ヒアリング・現地調査
↓
基本プラン提案(建築家)
見積もり提案(デザイン住宅会社)
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建築申し込み
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詳細打合せ・実施設計(施主、建築家、デザイン住宅会社)
↓
工事請負契約(デザイン住宅会社ー施主)
↓
工事着工
*デザイン住宅会社による施工管理
↓
工事竣工
デザイン住宅会社の落とし穴とは?
デザイン住宅会社の場合、家が完成した後もメンテナンスなどで長い付き合いになる施工会社が、はじめから決まっているので安心感があり、家づくりの総費用も早い段階で正確に知ることができます。
営業担当者がついてくれるので、融資の段取りなども相談できるでしょう。
規格型住宅ほどではありませんが、施工会社が決まっている分、家づくりにかかる期間も短くなります。
このように工務店と設計事務所の「いいとこ取り」のようなデザイン住宅会社ですが、注意しなければいけない点もあります。
もっとも注意したいのは、デザイン住宅会社からの依頼で設計を行う外部の建築家は、デザイン住宅会社の下請けであるということです。
【デザイン住宅会社の建築家は下請け】
一般的に、自分の名前や作品の評判だけで設計の依頼が十分にある建築家であれば、デザイン住宅会社の下請けの仕事はしないでしょう。
直接依頼される設計と比べて、下請けの仕事は非常に安いデザイン料で請け負うことが多いもの。
さらに工事全体をコントロールできる立場にある元請けの設計と比べると、設計者として関わる部分は限定的。
こんな状況で建築家が下請けの仕事にベストを尽くしてくれるかは、多少疑問があります。
もっとも、まだ知名度の低い建築家にとっては下請けの仕事でも貴重なチャンス。全力で取り組んでくれる場合もあります。
紹介された建築家が熱意を持って自分のこだわりを形にしてくれそうか、しっかり見極めましょう。
【下請け建築家が工事全体をコントロールすることは難しい】
建築家に設計を依頼するメリットはデザインや設計がおしゃれ、ということだけではありません。
施工会社ではなく施主の立場を一番に考えて設計をしてくれることや、専門家として施工会社からは独立した立場で、工事全体をコントロールしてくれることも大きなメリットです。
工事見積もりの確認や調整、設計監理という立場で工事のチェック、工務店への指示も行います。
デザイン住宅会社の場合、建築家はお客さまを紹介してもらう立場です。
お客さまを紹介してくれるデザイン住宅会社の意向を気にせずに施主本位の設計ができるのか、工事に問題があってもそれを指摘できるか、不安もあります。
そもそも、外部の建築家は設計監理を行わず、設計だけを行うのが一般的です。
建築家が上棟時や竣工時のチェックを行うことになっていても、建物は完成してしまうと見えなくなってしまう部分も多いため、見つけられる不備は限定的だと言えます。
もしあなたが、建築家に独立した立場で工事全体に関ってもらいたいなら、設計事務所に直接依頼した方が良いでしょう。
【情報の伝達や引き継ぎに注意】
工事の設計監理を行わないため、協力建築家は実施設計が終わった時点でデザイン住宅会社に設計図面を委ねることになります。
施主の要望が全て設計図面などに反映され、施工者に引き継がれれば問題はありませんが、場合によっては施主が建築家に伝えた要望が現場に伝わっていないなどのトラブルの可能性もあります。
このような事態を避けるため、実施設計のための詳細打合せは、必ず施主、建築家、デザイン住宅会社の3者で行うというデザイン住宅会社もあります。
きちんと情報が伝達される仕組みになっているかが重要です。
【設計の自由度の確認が必要】
設計事務所に直接依頼する場合は、工法、プラン、仕様についての制限はなく、予算内で施主の希望を叶えるために最良の選択をして設計を行い、その設計を実現できる工務店を選ぶというのが基本的な流れです。
デザイン住宅会社の場合は、はじめから施工会社が決まっている中での設計になりますので、工法、プラン、仕様は完全に自由なのか、何か制限があるのかも確認しておきたい点です。
まとめ
デザイン住宅会社には落とし穴もあることが、おわかりいただけたでしょうか?
建築家に直接依頼するのと比べて敷居は低いかもしれませんが、デメリットもあることをお忘れなく。
イメージだけではなく、家づくりの仕組みや流れをじっくりチェックして、最良の会社を選びましょう。