こんにちは!きのぴーです!
間取りで失敗したくないあなたに向けて書きました。
夢をカタチにするはずの注文住宅が、ついつい力が入り過ぎて、結果的に失敗してしまうということがあります。
それは、間取りばかりを一生懸命に考える人ほど起こりがちです。
快適な生活のため、もちろん間取りは重要です。
ですがその間取りを最優先に考えてしまうことで、失敗をしてしまうとはなんとも皮肉なお話です。
これから注文住宅を建てたいとお考えの方へ。また、間取りで失敗したくない人へ。
よい間取りを作るためのコツについて解説いたします。
注文住宅で失敗するということ
注文住宅の利点といえば、内装や外装、間取りなどあらゆる点を0からカタチにできるということです。
家族やライフスタイルに合わせて、リビング、オープンキッチン、ウォークインクローゼット、ウッドデッキ、書斎、趣味の部屋、バス・サニタリーなど、好きに間取りを取ることができます。
ですが、自由に間取りをつくり過ぎたり、デザインにこだわり過ぎたりすると、快適性や機能性が失われてしまいます。
見た目が悪くても、住み心地が悪くても、その注文住宅は失敗ということになります。
間取りから考えてはいけない!
注文住宅を成功させるには、外装と内装の間取りのバランスが大切であり、最初からお互いに気を配っておくことが重要です。
とはいえ、やはり一番気になるのは間取りなので、「リビングは広くて~、子ども部屋は並べて~、バスルームはゆったりとって~、小さくてもいいから書斎も必要で~」と、とにかく欲しい部屋をすべてくっつけてしまいがちです。
夢や憧れをそのまま間取りにできたら、どんなに素敵でしょうか?
これでみんなの希望どおり!と、パンパンに要望だけを詰め込んだ間取りは、本当に最高の住まいになるのでしょうか?
残念ながら、答えはノーです。
問題は大きく分けて2つです。
- 間取りの利便性
- 外観
欲しい部屋だけをつぎはぎした間取りは、生活の動線を考慮していないため利便性に劣ることが考えられます。
例えば、
- バスルームに行くには必ずリビングを通らないといけない
- 玄関から、リビングやオープンキッチンが丸見え
など。
また、間取りを優先にし、そこから屋根や壁を付け足した場合は、外観や建物自体のバランスが悪くなりがちです。
- 小さな屋根をたくさん掛けた家
- 建物の形がガタガタで複雑
などがその例です。
成功のカギは間取りからではなく、建物のカタチから
本当の意味でよい間取りを考えたいのなら、まずは建物のカタチから考えましょう。
建物のカタチが悪いと、
- 複雑なカタチの家は建築費が高くなる
- 屋根に凸凹が増え、雨漏りの心配やメンテナンスが大変
- 外観がごちゃごちゃしてしまう
などのデメリットがあります。
建物のカタチをまずシンプルにすることでうまれるメリットは、
- 必要に応じてアレンジがしやすい
- 外観をおしゃれにまとめやすい
- 間取りや外観の自由度が上がる
- 生活動線を考えやすい
などです。
建物のカタチは「豆腐」から
注文住宅のお話だったはずが、突然「豆腐」が出てきたので困惑されるかもしれません。
ですが豆腐こそ、建物を考えるのにベストなカタチなのです。
豆腐のようにきれいでシンプルな四角形の外観のおうちをイメージすることから、建物のカタチづくりは始まります。
よい建物、よい間取りを考えるには、敷地でできるだけ大きな豆腐サイズを割り出すことから始めます。
敷地に合わせて、立方体なのか直方体なのか、豆腐のサイズを変化させていきましょう。
豆腐のサイズを考えるのに必要なことは、
- 建ぺい率
- 容積率
がまずはベースとなります。
この二つは法律で決められており、「敷地いっぱいにすごく大きな豆腐を作ればお得!」というわけにはいきません。
■建ぺい率について
敷地の面積×建ぺい率=家を建てられる面積
家を建てられる面積とは、建物を真上から見た時の面積のことです。
ただし、1階が2階よりも広い場合は1階の床面積を、2階が1階よりも張り出している場合は、張り出した面積も含めた面積で考えること。
軒やバルコニーは、突き出している長さが1m以下なら建築面積に含めません。
■容積率について
敷地の面積×容積率=延べ床面積
延べ床面積とは、建物すべての階の床面積のこと。地上2階だけなら、1階の床面積と2階の床面積を足したものです。
■具体例
敷地の面積35坪 建ぺい率50% 容積率80%の場合
家を建てられる面積は17.5坪、延床面積が28坪ということになります。
敷地の面積200㎡ 建ぺい率60% 容積率100%の場合
家を建てられる面積は120㎡、延床面積が200㎡ということになります。
建物(豆腐)のサイズを失敗しないコツ
建物の最大サイズを知るには、建ぺい率と容積率が必ず必要ですが、必ずしも最大サイズ=適正サイズというわけではありません。
建物の適正サイズを誤ると、住みやすい家とはかけ離れてしまい、失敗してしまうことに。ここはしっかりと注意していきましょう。
建物のサイズを失敗しないコツは、「人数」と「予算」の2つです。
とてもシンプルなことですが、いろいろ計画が進む途中で見失いやすいので、最初に明確にしておくとよいでしょう。
もし人数をないがしろにしてしまうと、
- 家族が少ないのに、広い家を建て過ぎて掃除や管理がたいへん
- よく泊まりにくる娘家族を計算していなかったため、いつしか疎遠に
- 予算を削るため小さく設計してしまい、収納が足りず全体的に物が溢れてしまっている
なんてことになりかねません。
また、予算を甘くみていると、
- あれよあれよという間に予算が膨らみすぎ、ローンがたいへん
- 思っていた金額とはかけ離れた金額になってしまい、内装が残念なことに
など、その後のライフスタイルにも大きく影響してしまいます。
人数から面積を考えよう
日本で一般的な戸建住宅に必要な最低延床面積は25坪ほどです。
これは4人家族がギリギリ住める広さであり、2~3人家族なら少し余裕が出ます。
25坪をベースとして、1人増えるごとに5坪を目安に増やして行きます。
必要な延床面積=25坪+(人数×5坪)
例えば、5人家族なら、25坪+(1人×5坪)で30坪は最低でも欲しいところです。
趣味の部屋や自由に使える部屋が必要な場合は、ここにプラスして計算することになります。
予算から面積を考えよう
注文住宅となると、やはり予算が気になるところです。
家を建てるのは予算ありきです。どのくらいを考えておけばよいのかは、設計事務所や工務店ごとに異なりますが、「坪単価」を知ることで、おおまかな計算が可能です。
予算と坪単価が分かれば、最適な豆腐のサイズ(家を建てられる面積)が導き出せるというわけです。
家を建てられる面積=建築費÷坪単価
予算が大きく坪単価が低ければ、広い家が建てられますし、予算が少なく坪単価が高ければ小さい家ということになります。
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ここでも、失敗しないためにはいくつかの注意があります。
まずは、広告やチラシに出ている坪単価の出し方は設計事務所や工務店などメーカーによって異なることです。
メーカーによっては、建物の価格に電気・ガスの配管費用照明やエアコンや照明などの費用が含まれている場合やそうでない場合があるからです。
エアコンや照明などの設備機器費用は、建築費の3割ほどにもなると言われているので、坪単価から計算をする場合はその中身をしっかりとチェックしましょう。
豆腐を作ってみよう
建ぺい率や、容積率、住まう人数、予算からいよいよ豆腐を作ります。
まずはシンプルな直方体である豆腐型に落とし込みましょう。
間取りはまだです。焦ってはいけません。
1.シンプルな四角形を描こう
まずは、敷地の形に合わせて、長方形か正方形を描きます。
延床面積が25~40坪なら、長方形の長辺を4.5間以上、短辺を3間以上に、正方形は、一辺を3.5~4.5間にするとよいでしょう。するとそれぞれ、2部屋、3部屋と間取りの納まりがよくなります。
2.平面を立体へ 高さの目安は7,500㎜を目安に
シンプルな四角形が描けたら、次は立体にします。高さは仮に7,500㎜を目安としましょう。1階2階をそれぞれ2,700㎜、床下600㎜、小屋裏1,500㎜と考えるとよいでしょう。
これで豆腐の完成です!
豆腐の縦横の比率は、1:2までがおすすめです。
1:3など細長い立方体になった場合は、どうしても間取りが制限されてしまいます。
また、建築費も高くつきやすいです。
豆腐が出来上がれば、いよいよ間取りを考える時です。
自由な発想で、家族が快適に暮らせる間取りをカタチにしましょう。
まとめ
注文住宅における究極のカタチとは、四角形の2階建て、屋根がゆるい片流れ。とてもシンプルですが、これぞ究極のカタチです。
豆腐がシンプルであればこそ、間取りの失敗もありません。
憧れや夢をカタチにするのなら、まずは間取りよりも、豆腐作りから。
そうすることで、予算も立てやすく、間取りの自由度も増し、外観もスタイリッシュで家全体が機能的になります。
注文住宅を失敗しないための最大のコツは、まさしく「豆腐作りから」と言えるでしょう。