こんにちは!きのぴーです。
家が存在し続ける間、その土台となり、重量を支え続け、地震などのときにはその力を地面に逃がす役割を担ってくれるのが「基礎」です。
家づくりを計画しはじめた方の中には、基礎の違いを調べている方も多いのではないでしょうか?
この記事では、基礎の違いについてもしっかりと把握しておきたいという方に向けて、ベタ基礎と布基礎の違いやそれぞれのメリットとデメリットなど幅広い基礎についての知識を紹介します。
一般的にベタ基礎のほうが強いといった特徴だけで片付けられてしまいがちですが、同じ基礎でも、ベタ基礎と布基礎の違いを正しく把握しておくことが大切です。
家の安全を左右するベタ基礎と布基礎の違いとは?
基礎は30年以上の長い間、建物の重量を地盤に伝え続け、ときには地震などの大きな力を地面に逃がす役割を担う、非常に重要なポイントです。
木造住宅でも鉄筋コンクリートの住宅でも基礎は鉄筋コンクリートで構成され、引っ張りに弱い鉄筋と圧縮に弱い鉄筋の短所を補い合うことで、強固な基礎が作り上げられています。
そして、注文住宅を検討しはじめた方の多くは、同じ役割を担う基礎にも、ベタ基礎と布基礎の2つの種類があることを知っているのではないでしょうか?
同じ役割を担う基礎ですが、それぞれの違いを把握することで、本当に安心できる住まいづくりがはじまるとも言われています。
ベタ基礎の特徴
最近の注文住宅のほとんどがベタ基礎で作られ、布基礎に比べると多くのメリットがあるとされています。
ベタ基礎とは柱や壁の土台だけではなく、壁が囲っている部分すべてに鉄筋コンクリートを流し込み、覆う工法を指します。
住宅の重みを面で受け止めることができるため、多くのハウスメーカーや工務店、設計事務所で勧められている工法でもあります。
布基礎の特徴
ベタ基礎とは違い、柱の下や壁の下などの強度を保つために必要な箇所だけに鉄筋コンクリートを流し込む工法を布基礎と言います。
コストダウンや工期の短縮といった、ベタ基礎にはないメリットが布基礎には隠されています。
メリットとデメリットがある?ベタ基礎と布基礎のシチュエーションごとの違い
強度があるという理由から最近の住宅のほとんどにベタ基礎が用いられていますが、基礎は強度だけで選ぶべきではありません。
地盤の強度によっては、ベタ基礎よりも布基礎を用いるべき住まいもあるため、強度以外の理由をハウスメーカーや工務店、設計事務所の営業担当に確認するようにしましょう。
ベタ基礎と布基礎のメリットはシチュエーションによって異なり、自分の住まいの場合はどちらを選択すべきなのかを自分で判断できるような準備をしておきましょう。
ここからは次の3つの項目から、ベタ基礎と布基礎のメリットとデメリットを解説します。
- 湿度対策を兼ねた基礎が必要な場合
- シロアリなどの害虫対策も兼ねた基礎が必要な場合
- 基礎でコストダウンする必要がある場合
強度の観点以外でもさまざまな提案をしてくれるハウスメーカーや工務店に依頼したいという方にとっては、多くの方が気にしないポイントだからこそ、なぜその基礎が良いのかという質問は信頼できる営業を絞り込む質問になるかもしれません。
湿度対策を兼ねた基礎が必要な場合
先ほども解説したようにベタ基礎は柱や壁の土台だけではなく、壁が囲っているすべての面を鉄筋コンクリートで覆う工法ですが、鉄筋コンクリートの下には防湿シートが敷かれているため、地中から上がってくる湿気を防ぐことができます。
また、通気口を空気が循環するように設計すれば、一時的に発生してしまった水気を留めてしまうことがないため、カビの発生防止やコンクリートの劣化を防ぐことも可能です。
ただし、ほとんどの布基礎で施工された住まいにも、防湿シートやコンクリートが用いられ、湿度対策においても大きな違いはないとされているため、この1つの条件だけでベタ基礎でなければいけないと思い込まないように注意しましょう。
シロアリなどの害虫対策も兼ねた基礎が必要な場合
基礎には家の重量を支える以外にも、シロアリなどの害虫対策という大切な役割を担っています。
住まいの建築を検討しているエリアにもよりますが、増殖力の強いシロアリが巣を作ってしまった場合には30年間は大丈夫とされている木造住宅が、たったの1年間で倒壊の危機に陥るとも言われています。
このような害虫対策になるという理由からも、家を面で支えるベタ基礎が選ばれています。
ただし、湿度対策と同様に、布基礎で用いられる防湿シートやコンクリートによって、害虫対策を行うことができるため、ベタ基礎でなければいけないという理由にはなりません。
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基礎でコストダウンする必要がある場合
基礎を決定する大きな要因になるのが「コスト」です。
一般的な基準とはなりますが、ベタ基礎が130万円〜150万円ほど、布基礎が100万円〜120万円ほどで施工することができると言われています。
この基準とされている値段には手間賃とコンクリートや鉄筋などの必要な材料費も含まれているため、施工する面積によって変動します。
ただし、鉄筋コンクリートを使用する面積を押さえることができる布基礎のほうが、コストを抑えられることは間違いないといって良いでしょう。
ベタ基礎と布基礎はどうやって選ぶの?
ここまで解説してきたように、ベタ基礎のほうが湿気対策や害虫対策などの果たしてくれる役割は多いと言えます。
ただし、コストを抑えられるのであれば、布基礎に防湿コンクリートを用いたいという方もいらっしゃるでしょう。
そんな方は、建築基準法で定められている数値をしっかりと把握しておきましょう。
もともと土地がもっている地盤の硬さや地盤改良後の硬さによっては、ベタ基礎と布基礎から選択することも可能となります。
建築基準法で定められた数値をクリアしていればベタ基礎でも布基礎でも良い?
できれば布基礎にしたいという方は、地耐力という地盤が建物などの荷重に耐えられる力を表す単位だけを把握しておきましょう。
実は絶対にベタ基礎を用いなければならない基準は、地耐力が30kN/㎡以下の土地である場合だけです。
注文住宅を建築する過程には、必ず地盤調査や地盤改良という地耐力を計る、または地耐力をあげる作業が行われるため、どのくらいの重さに耐えられるかは、基礎を決定する前に把握することができます。
地盤調査や地盤改良の結果、地耐力が30kN/㎡以上あると分かれば、建築基準法によってベタ基礎でも布基礎でも構わないと決められているため、コストに応じた工法を選べることになります。
まとめ
一般的にベタ基礎のほうが強いという特徴だけで片付けられてしまいがちですが、実は建築基準法による定めによって、地耐力が30kN/㎡以上の土地であれば、布基礎を選択することもできます。
また、ベタ基礎のほうが湿度対策が害虫対策などの役割を果たすため割安と言われることもありますが、防湿シートやコンクリートを用いた布基礎でも、同等の効果のある住まいを建てることが可能です。
最近建てられている住まいのほとんどがベタ基礎であることは間違いありませんが、他の家がそうだからという理由だけでベタ基礎を選択するという判断は危険です。
最終的にベタ基礎を選択することになったとしても、地耐力が30kN/㎡以下だから、防湿シートやコンクリートによる湿度対策や害虫対策が必要といった明確な根拠をもつ必要があります。