こんにちは!きのぴーです。
「できるだけおトクに家を建てたい」と考えている方の多くは、住宅ローン減税の利用を検討していることでしょう。
新築の住まいに住み始めるために必要な業者の手配や登記の事務処理といった基本的な作業は、依頼するハウスメーカーや工務店、設計事務所の営業担当が担当します。
ただし、住宅ローン減税は、入居したあとにご自身で行わなければならない作業であるという点には注意が必要です。
利用する方にメリットのある住宅ローン減税だからこそ、住宅ローンとはそもそもどんなものなのか、そしてどこでどんな手続きが必要になるのかを把握しておきましょう!
住宅ローンとは?そもそもどんな制度なの?
住宅ローンとは、住宅を取得した時期から10年もの期間で、年末の借入残高の1%(最大で40万円)を所得税や住民税から払い戻す制度です。
会社員の方の年末調整、個人事業主や自営業者の方の確定申告に似た形式で、納めたあとに支払われます。
そのため、自動的にお金が振り込まれる、ローンの一部が減額されるといった意味合いの制度というイメージをもっている方は、事前に修正しておくことをおすすめします。
住宅ローン減税で適用される条件とは?どんな手続きが必要?
おトクになるという言葉に注目が集まりがちな住宅ローン減税ですが、入居したあとに自分でやらなければならない作業がある、不慣れな方には面倒に感じられる制度でもあります。
また、1年間の数ヶ月しか手続きをする時間がないという点にも注意が必要です。
特に子どもが小さく手が離せない方や共働きで2人とも時間がとれないという方は、事前に手続きを行える期間や必要書類を把握し、住宅ローン減税が受けられないということのないように備えておきましょう。
住宅ローン減税で適用される条件とは?
住宅ローン減税を受ける場合の条件は次の4つです。
- 自分が住むための住まいであること
- 床面積が50㎡以上の住まいであること
- 借入金の償還期間が10年以上であること
- その年の年収が3000万円以下であること
基本的に自分の家族が住むために建てる新築の住宅であれば、住宅ローン減税の条件から外れてしまうことはありません。
ただし、費用の一部を両親や親戚が融資し、所有者が別にいるような場合には、住宅ローン減税の対象とならないため注意が必要です。
住宅ローン減税を受けるにはどこでどんな手続きが必要?
住宅ローン減税を受けるためには、住みはじめた年の翌年の1月〜3月15日に必要な手続きを行うことで、確定申告によって払い戻されるお金が口座に振り込まれます。
そして、会社員の場合には2年目以降から勤務先の年末調整によって減税されるため、特別な手続きが不要となります。
反対に個人事業主や自営業者は、毎年同じ手続きが必要となる点には注意が必要です。
また、住宅ローン現在を受けるために必要な手続きは、次の7つの必要書類を揃えて、税務署で行うことになります。
- 確定申告書(A)
- 住民票の写し
- 建物・土地の登記事項証明書
- 建物・土地の不動産売買契約書(請負契約書)の写し
- 源泉徴収票
- 住宅ローンの残高を証明する「残高証明書」
- 認定長期優良住宅・認定低炭素住宅の場合は認定通知書の写し
確定申告という作業に慣れている個人事業主や自営業者にとっては馴染みのある税務署ですが、会社員のなかには「なんだか行きにくい」というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?
しかし、特に休みが土日しかない方にとっては、手続きに不備があった場合のロスは非常に大きなものになるため、一度は直接確認をとることをおすすめします。
基本的にはWEBに決められたフォーマットの書類や必要な説明が載せられていますが、分かりにくいという方も少なくありません。
住宅ローン減税を使いこなすために!備えておくべき知識
基本的な住宅ローン減税の条件や必要な手続きを理解したところで、住宅ローンしっかりと使いこなすために備えておくべき知識についても理解しておきましょう。
一般的に次の2つの知識を備えておくことで、住宅ローン減税を使いこなすことができるとされています。
- 所得税から減税できない分は住民税に回される
- 住宅ローン減税は繰り上げ返済計画にも関わっている
目先の払い戻される金額だけでなく、住宅ローン減税を返済期間の長い住宅ローンそのもののを軽減する手段として捉えることで、その効果を大きくすることができます。
所得税から減税できない分は住民税から減税される
所得税から減税できない分は住民税から減税されるというルールが1つ目の備えておくべき知識です。
先ほど紹介したように、住宅ローン減税はその年末の残高の1%(最大で40万円)を、納めた所得税や住民税から減税される制度です。
ただし、40万円もの大きな所得税を納めるためには、800万円ほどの年収が必要となるため、住宅ローン減税の上限額が払い戻されている方の割合は一部と言わざるを得ません。
もちろん、その年末の住宅ローン残高の1%という上限がありますが、所得税から払い戻された金額を差し引いた残りの金額は、住民税の減税に使われるため、納めている所得税が少ないから損になるということはありません。
住民税から住宅ローン減税を場合の手続きは不要
所得税から払い戻された金額を差し引いた残りの金額は、自動的に住民税の減額に使われる仕組みなっているため、特別な手続きは不要です。
なかには所得税と住民税の関わりに疑問をもつ方もいるかもしれませんが、住民税を計算する市区町村が、税務署や勤務先から住宅ローン減税を受ける人のデータを受け取っているため、仮に住民税からの控除額が少ない方でも損をしない仕組みが作られているわけです。
所得税からの減税を受ける場合には、必要な書類を準備し、税務署に提出するという手続きが必要となりますが、住民税からの減税を受ける場合は自動的に税額を調整してくれます。
住宅ローン減税は繰り上げ返済計画にも関わっている
住宅ローン減税を使いこなすために備えておくべき2つ目の知識が、住宅ローン減税は繰り上げ返済計画にも関わっているというものです。
繰り上げ返済と聞くと、早めにまとまったお金を返済できるからおトクと考えられがちですが、住宅ローン減税を活用する場合には繰り上げ返済を行うタイミングも重要となります。
例えば、利息を含めて4,000万円の返済が必要な住宅ローンを借り入れ、毎月10万円の返済をしつつ、毎年50万円ずつのまとまったお金を繰り上げ返済に回したケースでは、毎年170万円ずつ残高が減少していきます。
もちろん、住宅ローンの返済ペースとしては理想的ですが、住宅ローン減税を上手に活用するという観点からはペースが早すぎるという結論になります。
納めている所得税にもよりますが、10年後のローン残高は2,300万円となり、所得税や住民税から払い戻される金額の上限も23万円となります。
夫婦で住民税を納めている家庭では、ローン残高をほどよく残すことが得策になることも決して珍しくはありません。
まとめ
注文住宅はさまざまな職人や行政書士などの手によって、多くの作業が効率的に進められていくため、しっかりとしたハウスメーカーや工務店、設計事務所に依頼することさえできれば、損をすることはありません。
しかし、住みはじめたあとに手続きを行わなければならない住宅ローン減税は、申請忘れや手続きのミスによって、本来受け取れるはずだったお金を受け取れなくなってしまうケースが少なくありません。
年末のローン残高の1%という非常に小さな割合ですが、年間で20万円〜40万円ものお金が払い戻される制度です。
おトクに理想の住まいを建てたいという方は、早めに必要な書類や行うべき手続きをしっかりと把握しておきましょう。