建売住宅とは違い、自分だけの住まいを手にできるという魅力があるのが注文住宅です。
しかし、注文住宅ならではの難しさや注意点もあり、確かな計画と段取りが必要となります。
この記事では、注文住宅ならではの難しさや注意点の1つとされる、注文住宅にかかわるすべての「諸費用」について、詳しく解説します。
注文住宅にかかわるすべての諸費用には、どうしても削減することができないという特徴があるため、土地代や本体工事費の費用として事前に予算取りをしておく必要があります。
これですべて!注文住宅にかかわる5つの諸費用
注文住宅を購入する際には、以下の5つの諸費用が必要です。
- 役所への確認申請費用
- 地鎮祭や上棟式などの儀式代
- あいさつ回りに使う菓子折り代
- 「もしものとき」に備える保険代
- ローン契約に必要な印紙代・手数料
注文住宅の購入を検討しはじめた段階ではイメージしにくいかもしれませんが、建物代と土地代以外の費用で不動産を手に入れるために必要な手数料が諸費用に該当します。
金額が多少前後することはありますが、お金をかけるべきかを選択できる建物代や土地代とは違い、必ずかかってしまうお金と認識しておきましょう。
役所への確認申請費用
家づくりを行う際には、事前に人命や健康、財産の保護に適合している建物かを確認するための、確認申請と呼ばれる段階を踏みます。
そして、確認申請には専門的な知識が必要とされるため、申請者は建築主であるものの工務店や設計者、ハウスメーカーなどが代行し、その手数料と審査を行う都道府県や市区町村の建築主事または民間機関である指定確認検査機関への費用が確認申請費用として見積もられます。
快適な生活を送れる建物を建てるため定められている規定に適合しているどうかを確認するために、建物に関する情報を記載し、都道府県や市区町村の建築主事または民間機関である指定確認検査機関が審査を行います。
確認申請が必要な建物とは?
確認申請は人が住むことを目的とした建物を建てるうえで、必ず必要な手続きです。
都道府県や市区町村といった機関が法律に適用した建物であるかを確認する作業ですが、法律では「新築を建てる際は都市計画区域や準都市計画区域などの山地や離島への建築でなければ、確認申請が必要」と決められています。
建物による定めもあるものの、住宅が建てられるほとんどの土地が都市計画区域や準都市計画区域に該当するため、必須の手続きと認識しておきましょう。
地鎮祭や上棟式などの儀式代
注文住宅を建築する際には、日本文化ならではの地鎮祭や上棟式などの儀式が執り行われます。
工事を始める前に行われる儀式が、土地に住む神様を鎮めるために執り行われる地鎮祭であり、神主さんにおはらいをしてもらうための初穂料とご祝儀を支払い、工事が無事に終わることを祈ります。
また、建物の棟上げや建前と呼ばれる段階で行われる儀式が上棟式であり、神主さんへのお礼や、棟梁職人さんへのご祝儀、食事代などを支払い、竣工後も建物が無事であるようにと願います。
あいさつ回りに使う菓子折り代
注文住宅を建築する際には、近隣へのあいさつ回りをすることも小さな気遣いとして大切であり、事前にお金と時間を準備しておきましょう。
特に忙しい方ほどないがしろにしてしまいがちですが、すでにその地域に住んでいる方にとっては、騒音や車の出入りが気になってしまうものです。
また、会社への事前確認が必要とはなりますが、毎日の作業をしてくれている職人さんたちへの差し入れも日頃の感謝として用意しておきましょう。
「もしものとき」に備える保険代
賃貸を契約する際に必須とされている火災保険ですが、注文住宅に住む場合もローンを受ける際に加入が必須となります。
建物の構造や間取りによって保険料が異なるため、設計事務所やハウスメーカー、工務店との打ち合わせで間取りが大方決まってきた段階で相談し、大まかな予算取りをしておくことをおすすめします。
火災保険以外に加入しておくべき保険とは?
さらに、任意とはされているものの、火災保険以外にも地震保険と団体信用生命保険には加入しておくようにしましょう。
基本的に地震保険は火災保険とセットでしか加入できないため、火災保険の金額確認の際に一緒に内容を確認することができます。
また、火災保険や地震保険の金額と内容を確認する際に、団体信用生命保険についても確認することをおすすめします。
団体信用生命保険とは、住宅ローンの契約者が死亡した際の保証として、ローンで購入した住宅の残債分を一括で補償される生命保険です。
ローン契約に必要な印紙代・手数料
注文住宅の建築を進めているときには、ついつい本体工事費や土地代などの大きな費用に目が行きがちですが、住宅ローンを組む際の諸費用も細かい費用として見込んでおく必要があります。
住宅ローンを組む際の「金銭消費貸借契約書」に必要な印紙代は、ローン金額によって変動し、1,000〜5,000万円の場合で2万円の費用が必要となります。
また、融資にかかる手数料として、大まかに3万円ほどの金額が必要です。
手数料を支払わなければならない各種申請とは?
注文住宅を不動産として取得するためには、不動産登記料と抵当権設定登記の2つ手続きも必要です。
不動産登記とは、建物の面積や所在、所有者を示すために法務局への申請を経て、その建物と土地の所有者と定義されます。
また、住宅ローンを利用する際に、必須とされる手続きが抵当権件設定登記です。
抵当権設定登記とは、仮に返済が滞った場合に保証会社がその権利を差し押さえる権利を設定し、住宅ローンを利用する際に必要な手続きとなります。
家を建てたあとに発生する税金への備えも万全に!
注文住宅を手に入れるときに必要になる費用ではありませんが、家を建てたとき、家を建てた後に発生する税金も決して小さなものではありません。
家を建てたとき、家を建てた後に発生する税金がどのタイミングで、どのくらい必要となるかも、事前に把握しておきましょう。
家を建てたときに発生する税金とは?
不動産を取得したとき発生する税金が不動産取得税です。
原則としてその土地と建物の固定資産税評価額×4%で算出され、住宅用の敷地と建物である際には3%に引き下げられる軽減措置が用意されてます。
支払うタイミングは多少前後することがあるものの、不動産登記後6ヶ月〜1年くらいの間とされています。
各都道府県から納税通知書が届くため、事前に金額を用意しておくことをおすすめします。
家と建てたあとに発生する税金とは?
不動産取得後、権利を持ち続ける限り支払わなければならないのが、固定資産税と都市計画税です。
こちらも軽減措置が用意されていますが、固定資産税は固定資産税評価額×1.4%、都市計画税は固定資産税評価額×0.3%で算出されます。
注文住宅にかかわるすべての諸費用は50万円ほどは想定しておこう
ここまで解説してきたように、注文住宅には本体工事費や土地代の他にも、不動産を手に入れるために必要な手数料としての諸費用が必ず発生します。
そして、それぞれの項目で必要となる金額は以下の通りです。
各諸費用の目安となる費用
住み始めてから支払うことになる税金を差し引いても、50万円以上の金額が必要となります。
不動産業界では諸費用という言葉で表されますが、一般的には決して小さなお金ではないため、あらかじめ必要となる費用として見込んでおくことをおすすめします。