こんにちは!きのぴーです。
今回は「フラット35」について!
耳にしたことがあるという人は多いでしょう。
住宅を購入した方の8割が住宅ローンを利用していると言われています。
多くの方が利用する住宅ローンですが、どういった種類があるのか、何が自分たちにとって最適な借入方式なのか、どこまでご存知ですか?
住宅ローンの借入方式にも大きく2つあり、「変動金利型」「全期間固定金利型」と分けられます。
フラット35は全期間固定金利型の代表的な商品なんです。
『フラット35』とは一体どういったものなのか、どんなメリットがあるのかをご説明致します。
フラット35とは??
フラット35とは、民間金融機関と住宅金融支援機構が提携した、全期間固定金利型の住宅ローンです。
フラット35の35とは借入期間を表します。
借入期間の35年間金利が変わらないため、金利の上昇による返済金額の増加の心配がありません。
民間の金融機関が独自で提供する全期間固定金利型の商品と違い、フラット35では、民間金融機関が融資した住宅ローンを住宅金融支援機構が譲り受け、そのローンを担保に債権を発行します。
投資家がこの債権を買い取ることで、長期的に資金調達ができ、借入期間中の固定した住宅ローンの提供ができるのです。
他にも、住宅金融支援機構が保険を付け、返済中の方が返済できなくなった場合に、金融機関に対して保険金を支払う保証型もあります。
フラット35のしくみ(住宅金融支援機構HPより)
フラット35を利用するメリット
このフラット35の利用を選択することで、どういったメリットがあるのでしょうか。
その特徴から考えます。
(1)借入期間中の金利が変動しない
金融機関からお金を借りるということは、必ず利息が付きます。
それは住宅ローンに限らず、マイカーローンやブライダルローンも同じです。
しかし、住宅ローンの返済期間は数十年単位で、フラット35の場合は35年間の長い期間をかけて返済します。
日本は35年という期間の中で、高度経済成長期やバブル期といった景気の良い時期からリーマンショックといった不景気の時代も経験しています。
金利は景気の影響を受け変動するため、借入時の金利と35年後の完済時の金利が大きく変動している可能性があります。
実際に、現在は年1.410%~年2.070% (平成30年10月現在の金利:フラット35 団信付)の金利が、高度経済成長期には8%近くの利息でした。
今の時代であれば、マイカーローンでも高すぎる金利です。
フラット35というのは、今後35年間に起こる金利変動のリスクを、借り入れた本人ではなく、金融機関や住宅金融支援機構が背負ってくれる商品です。
金利は毎月見直されますから、35年間、計420回の金利変動を気にすることなく過ごすことができるのです。
(2)保証料や繰り上げ返済の手数料が無料
住宅ローンを借りる際、意外と知られていないのが保証料や手数料の金額です。
特に保証料に関しては借入額によっては50万円以上必要となる場合もあり、借入時に準備できなければ金利に上乗せする形式を選ぶしかなく、結果的に当初の金利よりも少し高い金利で借り入れることになる場合もあります。(金融機関により規定は異なる)
予想外の出費!?保証料について
保証料とは、一般の金融機関から借り入れる際、万が一住宅ローンが返せなくなったら住宅ローンを肩代わりしてくれるために保証会社に払うものです。
金融機関目線で、確実にローンを回収する保険です。
支払方式は大きく2つで、一括前払い(借入時に全額支払う)か、分割後払い(借入金利に上乗せ)する方法です。
基本的には、一括前払いの方が支払う金額は抑えられます。
具体的な保証料を例にあげると…
平成30年10月現在(三菱UFJ銀行住宅ローン)
借入期間35年 元利均等返済 3,000万円借り入れの場合
一括前払い方式 618,300円
分割後払い方式 金利+0.2%
このケースでは、これから住宅ローンの支払いが始まるにも関わらず、60万円以上の出費が必要となります。
一括前払いでは手持ちの資金が一気に60万円無くなってしまい、分割後払い方式では今後ずっと支払っていく月々の返済額が上昇してしまうことに不安を覚える方も少なくないでしょう。
フラット35では保証料が不要なため、借入時の出費を大きく抑えることができます。
35年という期間で返済を考えていた方が、借入期間中にまとまった金額を返済することで、借入期間の短縮や毎月の支払い金額を軽減することができます。
これを繰り上げ返済と言いますが、フラット35では繰り上げ返済を行う際も手数料が無料です。
金融機関によっては、1回あたり1万円ほど必要な場合もあります。
せっかく早く返済したいと考えてまとまった金額を支払うのですから、無駄な手数料は払いたくないですね。
フラット35の利用条件
質の高い住宅の普及のため、長期間を一定の金利で提供しようというのがフラット35という商品です。
そのため、利用にはいくつか条件があります。その代表的な例を3つにまとめます。
(1)住宅取得に必要な金額の9割が限度
仮に住宅取得に必要な資金が3,000万円だった場合、その金額の9割である2,700万円をフラット35として利用できます。
残りの1割である300万円に関しては、自己資金として現金で支払うか、併用ローンと呼ばれる1割を補填してくれるローンがあります。
しかし、フラット35の金利よりも高くなることが多いことや、300万円分に関しては金利を固定するプランを選べない場合があります。
(2)住宅金融支援機構の定める住宅の性能に適合していること
質の高い住宅を求められるため、検査を受け「適合証明書」という書類を発行される性能の住宅でなければ、利用する事ができません。
現在の住宅会社の技術では、ほとんどが標準で取得できることが多いため、特段気を付ける必要はありませんが、万が一のことを考えて、購入時に確認しておきましょう。
(3)返済期間・融資金額
15~35年 80歳完済(親子リレーを除く)
100万円以上8000万円以下
これらを超える融資は利用できません。
フラット35Sでさらに金利引き下げ
フラット35に適合した住宅の中でも、より性能の高い住宅には、金利を一定期間引き下げられるという制度があります。
(1)4つの条件
- 省エネルギー性
- 耐震性
- バリアフリー性
- 耐久性、可変性
(画像:住宅金融支援機構HP)
フラット35sでは以上の4つの条件のいずれか1つをクリアすることで、一定期間金利の引き下げを受けることができます。
また、金利Aプランの性能に該当すれば当初10年間の金利が-0.25%、
金利Bプランの性能に該当すれば当初5年間の金利が-0.25%引き下げられます。
金利Aプラン条件
省エネルギー性 | 1. 認定低炭素住宅
2. 一次エネルギー消費量等級5の住宅 3. 性能向上計画認定住宅(建築物省エネ法) |
耐震性 | 4. 耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)3の住宅 |
バリアフリー性 | 5. 高齢者等配慮対策等級4以上の住宅 (共同建て住宅の専用部分は等級3でも可) |
耐久性・可変性 | 6. 長期優良住宅 |
金利Bプラン条件
省エネルギー性 | 1. 断熱等性能等級4の住宅
2. 一次エネルギー消費量等級4以上の住宅 |
耐震性 | 3. 耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上の住宅
4. 免震建築物 |
バリアフリー性 | 5. 高齢者等配慮対策等級3以上の住宅 |
耐久性・可変性 | 6. 劣化対策等級3の住宅で、かつ、維持管理対策等級2以上の住宅(共同建て住宅などについては、一定の更新対策が必要) |
今では、長期優良住宅などが標準で取得できる性能の住宅会社も多く、フラット35をお考えの方は、よりメリットのあるフラット35sを利用したいですね。
まとめ
住宅ローンの商品の1つであるフラット35についてお話ししました。
最後に、これまで詳しくお話しした特徴と代表的な特徴もあわせてまとめると以下のようになります。
- 民間金融機関と住宅金融支援機構が提携した全期間固定金利の住宅ローン
- 保証料や繰り上げ返済手数料が無料
- 利用するには上限金額や住宅性能に基準が設けられている
- 保証人が不要で審査が通りやすい
- 団体信用生命保険(死亡や高度障害で返済できなくなった場合の保険)は任意加入
何より、平成30年10月時点の金利は年1.410%~年2.070%と高度経済成長期の8%代であった時代と比較すると大きく下がっています。
金利は0%になることは考えられません。
今は「超低金利時代」とも言われており、フラット35で金利を固定することにより、比較的低い金利で35年間安心して返済できる絶好のタイミングです。
もちろん、変動金利と比較すると固定金利は金利が高くなるのが一般的ですが「超低金利時代」の今だからこそ、フラット35についてよく知り、利用するかどうかを検討してはいかがでしょうか。