こんにちは!
きゅうりは世界一カロリーの低い果実としてギネスブックに登録されているんですって。
今回は住宅ローンの返済方法である「元利均等返済」と「元金均等返済」について!
僕のブログにはいくつか住宅ローンの記事があり、その中で何度も言っていますが、住宅ローンは借り方と返し方を正しく理解し、工夫することで総返済額をドカンと減らすことができます!
この記事を読めば…
- 元利均等返済と元金均等返済を正しく理解することができる!
- それぞれのメリットとデメリットを把握することができる!
- どちらを選択すべきかを判断するためのポイントが分かる!
- 9割の人が元利均等返済を選ぶ5つの理由が分かる!
- 実際のところどっちの方がお得なのか分かる!
元利均等返済・元金均等返済を正しく理解しよう
まずは元利均等返済と元金均等返済を正しく理解しましょう。
でもその前に「元利」と「元金」という言葉について簡単に解説します。
「元金」とは?
「元利」とは?
元利均等返済とは?
元利均等返済とは、毎回の返済額が一定で、家賃のように決められた額を毎月支払う返済方法です。
"元金と利息の合計が均等"になるように返済していくということ。
返済スタート当初は元金よりも利息分の割合の方が大きく設定されているため、元金の減りが遅め。
そのため利息も減りにくく、結果的に総返済額が元金均等返済よりも多くなってしまうのが、この元利均等返済。
元利均等返済が向いている人
- 安定して家計を管理したい人
- 将来、収入が上がっていく人
- 返済負担率を高めに設定している人
- 子どもがいるご家庭
- 子どもが増える予定のご家庭
元金均等返済とは?
元金均等返済とは、文字通り完済まで"元金を均等"に支払う返済方法のこと。
例えば3,500万円の借入額を35年ローン元金均等返済で返していく場合、1年で元金を100万円ずつ返していく計算となります。
返済スタート時はまだ残りの元金が多いためかかる利息も多く、元利均等返済に比べて返済額が多くなります。
ただ、元利均等返済よりも元金均等返済の方が「元金」の減りが早いため、返済が進むにつれて毎回の返済額はどんどん減っていきます。
総返済額で考えると、元利均等返済よりも安く済むのが元金均等返済です。
元金均等返済が向いている人
- 収入にある程度余裕がある人
- 将来の返済を減らしたい人
- 将来、収入が下がっていく人
- 子どもがいないご家庭
- 将来にわたって子どもをつくらないご家庭
元利均等返済と元金均等返済の違いをまとめると…
大きく違うのは以下の2つのポイント。
- 毎月の返済額が一定であるかそうでないか
→元利均等返済は毎月の支払額が一定だけど、元金均等返済は毎月の返済額が一定ではない。元金均等返済は、返済スタート直後の返済額が大きく、返済が進むにつれてどんどん返済額が減っていく。
- 総返済額に差がある
→安く済むのは元金均等返済である。
元金均等返済を選べばどれくらい安く済むの?
では、元金均等返済を選ぶとどれくらい総返済額を抑えることができるのでしょうか。
例えば!
- 借入額3,000万円
- 金利2%
- 全期間固定金利型
- 返済期間35年
- ボーナス返済なし
こんな条件の場合だと…
当初の毎月返済額 | 総返済額 | |
元利均等返済 | 9万9378円 | 4174万円 |
元金均等返済 | 12万1428円 | 4052万円 |
図のように、元金均等返済の方が、総返済額で見ると122万円も安く済むのです!
これだけ総返済額に違いが出るのなら、当初の返済額が少し高くなっても十分メリットがありますよね。
今回は金利2%の条件で122万円の差が出ましたが、この金利が例えば3%、4%と上がっていけばその分総返済額の差はさらに広がります。
逆に金利が低くなれば、総返済額の差は小さくなります。
2018年現在、低金利が続いていますので、今回の例題ほど総返済額に差はないケースが多いでしょう。
どうしてほとんどの人が元利均等返済を選ぶの?
ここまでの内容で、元金均等返済の方が金銭的メリットが大きいことがご理解いただけたかと思います。
では、なぜ90%の人が元利均等返済の方を採用するのでしょうか?
わざわざ総返済額が高くなる返送方法を選ぶのはどうしてでしょうか?
不思議で仕方がないようですが、実は元金均等返済ではなく元利均等返済を選ぶ理由は5つもあるのです。
理由①元金均等返済は返済リスクが高い
元金均等返済は返済スタート直後の毎月の返済額が多いため、金銭的に余裕がないと毎月の返済が困難になってしまいます。
確かに返済は徐々にラクになっていきますが、返済スタート直後こそ、金銭的に余裕がない時期なのです。
お子様が小学校に進学される前に注文住宅を建てる方が多いですが、教育費もかかりますし、習い事を始めるかもしれません。
そもそも引っ越し費用や、契約の際の諸費用で手元のお金が少なくなっていますよね。
例えば以下の条件の場合…
- 借入金額3,000万円
- 金利1.3%
- 全期間固定金利型
- 返済期間35年
この場合、毎月の返済額で元金均等返済が元利均等返済を下回るのは、ちょうど借入20年目~です。
つまり例題の場合、35年ローンのうち、最初の20年間は元金均等返済の方が元利均等返済よりも毎月の支払額が多いのです(総支払額は約52万円少ないけど)。
しかし、子供が独立するまでの20年前後こそがお金のかかる期間であり、その期間中ずっと毎月の返済額が負担になっては家計を圧迫します。
最悪の場合、住宅ローン破綻に追い込まれるでしょう。
元金均等返済を選択すると、どうしても返済スタート直後の家計に無理が出てしまうケースが多いのです(金銭的に余裕のあるご家庭は別です)。
だから、元利均等返済が選ばれるのです。
理由②超低金利時代が続いているから
超低金利時代が続いているため、元利均等返済を選ぶ人が多いのです。
金利が低ければ低いほど、元利均等返済と元金均等返済の総返済額の差は小さくなります。
2018年10月現在、超低金利時代が続いています。
つまり、元金均等返済を採用しても総返済額があまり減ってはくれないのです。
わずかに総返済額が減るというメリットよりも、返済リスクが高まってしまうというデメリットが勝り、元金均等返済を採用する方が以前と比べて激減したのです。
それこそ金利が3%とか4%くらいの推移を示していた時代ならば、総返済額に2,000万円~3,000万円前後の差がつくこともありましたが、今はそんな時代ではありません。
超低金利の現代では元金均等返済のメリットは薄まり、採用されなくなってしまったのです。
理由③元金均等返済は融資限度額が少ない
「返済負担率」という言葉をご存知ですか?
年収に対する年間の返済額(元金+利息)のことです。
この返済負担率は、出来れば20%以内に抑えることが理想とされています。
年収600万円の方を例にしてみましょう。
年収600万円の場合、月収は50万円です(ボーナスは無いとして)。
この人が注文住宅で家を建てて、ローン返済に毎月15万円を払っているとしましょう。
この場合、月収50万円のうち15万円を返済に充てているので、返済負担率は30%となります。
理想の返済負担率は20%以下ですから、この方は少し借りすぎてしまったようですね。
どのローン商品も返済負担率に上限を定めています。
銀行も住宅ローンをしっかりと返済してほしいですから、毎月の返済額が大きくなりすぎて破綻してしまわないようにしているんですね。
例えばフラット35の返済負担率の上限は35%となっています。
元金均等返済は返済スタート直後の毎月の返済額が大きいため、借入額によっては返済負担率の上限を超えてしまいます。
すると銀行が融資をしてくれなくなり、「元金均等返済で融資限度額が下がってしまうなら元利均等返済を採用する」という方もいます。
元金均等返済だと毎月の返済額が返済負担率の上限を超えてしまい、融資限度額が下がってしまう。これも、元利均等返済が選ばれる理由になっています。
理由④元金均等返済の方が審査が厳しい
毎月の返済額が大きい元金均等返済は、その分ローン審査が厳しいのです。
住宅営業マンも、
という考えになり、元金均等返済をあまりおススメしないのです。
ローンについてそこまで知識のない人は、営業マンを頼り、言われるがまま元利均等返済を選択するでしょう。
元金均等返済は審査が厳しいため、そもそもあまりおススメされない。
これも理由のひとつ。
理由⑤そもそも元金均等返済を扱っていない銀行も多い
特にネット銀行では、元利均等返済しか利用できないところも少なくありません。
繰り返しになりますが、元金均等返済は返済リスクが高いからです。
元利均等返済の方が選択肢が豊富にあるので、選びやすいのです。
まとめ
元金均等返済の方がお得であること。
元利均等返済の方が選ばれていること、その理由。
この辺りはご理解いただけましたか?
借りる人の家計状況や将来のライフスタイルによって、どちらを選ぶべきなのか、その正解は人それぞれです。
営業マンの言葉に流されず、自分に合った返済方法を選びましょう。